前回は朝ラッシュ時まで書いていったのでその続きから書いていきます。
前回はこちらから御覧ください
それでは始めていきます。
③日中時間帯
朝ラッシュ後は通勤準急や通勤急行の運行はなくなるものの、近年話題の時差出勤などの影響で、新宿到着10時頃までは千代田線直通の本数が多めになっていたり、日中時間帯よりも急行の運転距離が延長されていたりします。ただ、新宿駅では10時台、都心から離れたところだと9時ごろになると概ね日中のパターンダイヤで運行されるようになります。
以下は1パターン(20分間)に運行される小田原線の列車です。
快速急行 小田原→新宿(新松田まで急行)
快速急行 藤沢→新宿(相模大野から小田原線)
急行 唐木田→新宿(新百合ヶ丘から小田原線)
急行 向ヶ丘遊園→我孫子(代々木上原から他社線)
急行 小田原→町田(新松田まで各駅停車)
各駅停車 本厚木→新宿
各駅停車 本厚木→新宿
1パターンで7本の列車が運行されていることが分かります。
一時間あたりの運行本数は以下のようになっています。
小田原→本厚木 6本
本厚木→新百合ヶ丘 12本
新百合ヶ丘→向ヶ丘遊園 15本
向ヶ丘遊園→代々木上原 18本
代々木上原→新宿 15本
都心に近づくと支線からの列車が合流するため本数が多くなっています。開成〜新宿間では全駅で毎時6本以上が停車しているので、利用客にとっても待たずに乗れて便利になっている状況が伺えます。
また、朝ラッシュ時と違い、複線区間では各駅停車の通過待ちはなく、全列車が接続をとっていることが特徴です。
以下は各駅停車の接続駅です
各駅停車① 海老名、町田、登戸(快速急行)、経堂(急行)
各駅停車② 町田、登戸(快速急行)、海老名、経堂(急行)
各駅停車は4駅で接続をとっていることがわかります。また、同じ駅で接続をとっているため、各駅停車の運行間隔がほぼ同じになっています。
また、支線から来る列車とも接続をとっていて、以下のようになっています。
新百合ヶ丘:多摩線から来る急行と小田原線から来る快速急行
相模大野:江ノ島線から来る快速急行と小田原線から来る急行
このようにして、日中時間帯は朝ラッシュ時よりもダイヤに余裕があることを活かして、全体的に接続をとっていることが分かります。
④夕方時間帯
夕方時間帯は反対側の下り方面がラッシュ時間帯なことも影響して、運行間隔が一定ではなくなります。ただ、パターン(に近いもの)はあるので、それに基づいて考察していきます。
快速急行 小田原→新宿
快速急行 藤沢→新宿
急行 新松田または小田原→新宿
急行 新百合ヶ丘または唐木田→新宿
各駅停車 本厚木→新宿
各駅停車 本厚木→新宿
各駅停車 小田原→新松田
準急または各駅停車 成城学園前または向ヶ丘遊園→千代田線
準急または各駅停車 成城学園前→千代田線
下の2つは運行しないパターンも半分程度あります。17時台、18時台は運行する場合が多めになっています。
基本的には20分のパターンダイヤですが、新百合ヶ丘よりも新宿側では10分のパターンダイヤになっているようにも見えます。これは、下りも基本的には10分のパターンダイヤになってるため、それに必要な車両を補うためだと推測できます。また、夕ラッシュでは下りの千代田線直通列車は成城学園前や向ヶ丘遊園行きが多いので、それの折り返し列車が下の2つに充当されているとも考えられます。
⑤夜間から終電時間帯
小田原などの新宿から離れた場所では19時台から、新宿に近い場所でも20時台、21時台になると本数が減り始め、パターンが崩れて、入庫のダイヤへと移っていきます。多摩線から来る最後の直通列車は新百合ヶ丘発20時16分の急行、江ノ島線からの最後の直通列車は相模大野発23時33分発の急行となっています。多摩線から来る直通列車は終電が割りと速いため、それ以降は小田原線から来る快速急行、急行と江ノ島線から来る急行がメインの時間帯になりますが、登戸駅基準で見ると、21時台でも快速急行と急行が毎時6本ずつあり、日中と同程度の輸送力が保たれています。本厚木以西の郊外区間でも日中と同程度の本数こそは運行されていますが、車庫のある相模大野行きの列車なども増えています。
そして22時台になると快速急行の運行は基本的には終了し、江ノ島線からの直通列車もほぼなくなり、小田原線の急行が主体となってダイヤが組まれています。そして、小田原駅の新宿行きの終電は23時4分の急行、23時15分発の各駅停車の本厚木行きが多くの区間での小田原駅発の終電となります。この23時4分の急行が上りの全区間での急行の終電で、この列車のあと残されたのは数本の各駅停車のみとなります。
小田原線の上りで最後まで走っている電車は本厚木発0時1分の各駅停車経堂行き。終点の一つ手前の千歳船橋を発車するのは0時53分となっています。
⑥まとめ
一日を通じて基本的には20分または10分のパターンダイヤが組まれていることが分かりました。パターンダイヤだと、待ち時間が均等になる、時刻を覚えやすい、混雑が均等化されるという利点があるのでとても良いと感じました。近年では、コロナ禍や人口減少の影響で、運行本数が減ったり、両数が削減されるといったことが全国各地で起きています。小田急線では、2022年のダイヤ改正で日中、夕方を中心に本数が削減されました。コロナ禍が終わった今、移動が再び活発になり、少しでも本数が増え、コロナ前の運行本数の水準に近づくことを願っています。