六甲ケーブルの運営会社「鉄道入り社名」復活 現社名も観光事業で存続



六甲山のケーブルカー(六甲ケーブル線)を運営する六甲山観光(神戸市)と同社親会社の阪神電鉄は3月8日、六甲山観光の社名を「神戸六甲鉄道株式会社」に変更すると発表した。現在の社名は観光事業の別会社に引き継がれる。

六甲山観光が運営する六甲ケーブル線。【画像:Daniel_Lin/写真AC】

六甲ケーブル線は4月1日から上下分離方式の経営に移行。施設を阪神電鉄が所有し、現在の六甲山観光が阪神電鉄から施設を借り受けて運行することが決まっている。現在の六甲山観光はこれにあわせ、4月1日付けで神戸六甲鉄道に改称する。

このほか、現在の六甲山観光の観光事業が吸収分割によって分社化される。昨年2023年4月に設立された六甲山観光分割準備が今年2024年4月1日付けで観光事業を承継し、同時に社名を「六甲山観光株式会社」に改める。

阪神電鉄は六甲ケーブル線を施設を所有。神戸六甲鉄道が阪神電鉄から施設を借り入れて運営する上下分離方式の経営に移行する。【撮影:草町義和】

現在の六甲山観光は1923年、六甲ケーブル線を運営する六甲越有馬鉄道として設立された。1975年、摩耶ケーブル線を運営する摩耶鋼索鉄道と合併して六甲摩耶鉄道に改称したが、2000年に摩耶ケーブル線を神戸市都市整備公社に譲渡。2013年には現在の社名に改称された。今回の改称で「鉄道」が入る社名が復活する。

現在の六甲山観光と阪神電鉄は「(神戸六甲鉄道・六甲山観光・阪神電鉄の)3社体制で相互に協力し、六甲山の活性化に努めてまいります」とコメントしている。

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