それでは記事本編をご覧ください!
12時10分 熱海駅到着
~燃え盛る大海の残香、繁栄蘇るは不死鳥の如く~ JT21/CA00 熱海駅
某楽園の妖精のような波乱万丈の(新婚旅行ブームによる)繁栄と(バブル崩壊による)衰退を繰り返してきた熱海温泉の玄関口たる駅で、JR東日本とJR東海の会社境界駅でもあるため、東海道線は当駅よりも西、米原までがJR東海の区間となります。厳密に言うと在来線(東海道線・伊東線)はJR東日本の横浜支社(沼津まで)が管理し、新幹線はJR東海の新幹線鉄道事業本部が管理する駅で、東京~神戸間589.5kmと長くに渡って展開される東海道本線の一つの区切りと言える駅でしょう。
そのせいかSuica等ICカード(ただし定期券は例外)を当駅跨ぎで利用出来ません。理由としてはJR東日本がSuicaエリア、JR東海(新幹線除く?)がTOICAエリアとなるからです。なので例を挙げるとすると、上野東京ラインの沼津行きで終点の沼津まで乗り通して、駅の改札機にICカードを翳すとエラーが出ます。対策としては予め券売機で沼津までの乗車券を買いましょう(これは一例です)
違う表現で例えると野球盤を遊んでいたら突然室内でリアル野球が始まる感じです。
また、当駅を境に編成両数もJR東日本の4ドア15両↔JR東海の3ドア3~6両と乗車環境ですら激変するので、短い時間内で乗り換える…俗に言う熱海ダッシュを強いられます。それも階段を登って降りた先のホーム移動を挟む上に、東京方面から来た列車と静岡・浜松方面への列車の接続が良くない場合もザラで、亜空間接続(乗車中の列車のドアが開く前に乗り換え先の列車が既に発車していたという事象)もよく発生します。知識は力なりとかよく言われますが脚も鍛えないとダメです。あとは乗り継げるかどうかの運も関わります。力こそパワー!!!運も実力のうちだ!
当駅を跨ぐICカード利用時(上野東京ラインで沼津に行く人向け)の注意点や乗り換えは解説しておきたかったのでざっとですが載せました。今度のダイヤ改正で前橋始発沼津行きの総走行距離244.8km、乗車時間は4時間22分に及ぶ長距離ステイヤー列車が誕生するのもあっての追記です。
ホームに足を踏み入れ、ふと振り返ると東京圏では見られないような塗装の209系(?)がいた……
それがこの伊豆急3000系アロハ電車、この車両は元々JR東日本で京浜東北線用の209系として使われていたもので、京浜東北線を離脱した後は外房線・内房線等の房総半島エリアで活躍し、その一部が今日もこうして伊豆急行線を走っています。
画像で上げているのは赤い前面と白地に青というカラーリングの編成ですが、色遣いが反転しているオルタ編成もあります。
アロハ電車が到着して5分後にサフィール踊り子が到着、E261系の優美さに浸る暇もなく四季島は函南駅方からやってきます。
そう……奴が来た……!!
大金を捧げて尚、選ばれし者のみが乗れる、東日本の金玉万堂を列車に詰めた厳かなる周遊列車、それが……
E001形 四季島
他の車両と異なる形式の付け方からしてもう隔世の感が堂々と伝わるこの車両が、東洋のモナコの玄関口に入線した……
211系と並んだこの写真こそが、列車の格の違いを重々と語る……
満足のいく車両2S(ツーショット)写真を撮った後は改札へ、既に正午を回っていたので腹ごしらえに市街地へ……!(バナナ猫ダッシュ!)
JR東日本及びJR東海の共同利用駅であり、温泉旅館街への玄関口である熱海駅の駅員がこれまた丁寧な、受験生に向けた熱海桜の黒板アートを描いてくれたそうです…!(執筆中の今はもう合格発表の時期となりましたが、皆様は満足の行く結果になりましたか……?)
桜がインボリュート(広がっていく螺旋)状に描かれているためか、駅員の作画力の高さが自然とわかります。そんな熱海駅の駅員は絵が上手いだけではなく、LEDを用いた文字装飾を匠の技を用いた細密なドット絵を電光掲示板に刷り込んで出力するなど、利用者の目を楽しませるために芸術に力を注ぐ駅員の技巧は神業ともいえるでしょう。
また、駅構内の看板には静岡県熱海市出身の力士「熱海富士」への応援・激励メッセージも描かれていました。あったけぇ……!!
駅入口の天井のステンドグラス、もし作品名が分かるなら教えてくださいm(_ _)m
駅直結の駅ビル「ラスカ熱海」3階にある百均「キャンドゥ」で2月に出たばかりの新作鉄道グッズを買い漁り、ランチ休憩を取るべく駅近くの商店街へと足を踏み入れる……の前に駅前にある足湯に浸かりにいきましょう!熱海駅の名物である足湯「徳川の湯」に入らないというのは無作法というもの…!
多くの客の足を温めてきた足湯「徳川の湯」、そう、熱海と徳川家康は密接な関係があったと云う……ただここで話すとかなりの長文になるので、後ほど……
漏れ出た微温湯な足湯に浸かりたがる乞食鳩達もいます、生けとし生ける全ての動物(もちろん我々人類も)にとって温泉は癒しの領域なのだ……
有吉の壁という番組はご存知では無いのですが、「聖地」と呼ばれる故に番組内では頻繁にロケが行われる地として有名だそうです。とは言っても番組創設当初は深夜帯での放送だった(今はゴールデンタイムの夜7時~)ので、コント番組のためのスタジオ制作の予算が無かったので、ダメ元でこの静岡県熱海市が撮影許可を下ろしたそうです。
そんなこんなでようやく目当ての昼ごはん店「味くら」に到着、当然の事ながら商店街は観光客でごった返していたのですぐに昼ごはんを食べれる訳も無く……店自体は商店街脇の地下1階にありました。
約40分強は並びました…更なるご飯を求め、ひたすらに皿を回し続ける猫の気分を味わう事が出来ました(後半は発狂猫になりかけました)(先客は早く飯食い終われよぉぉぉぉぉぉ!:零れ出た心の声)
1時すぎにやっと私の席が案内され、写真上のメニューを頼んで25分経過し注文品が到着、ようやく飯にありつけました……私の注文分をもってランチタイムはは終了した模様です。腹ごしらえを終えた後も引き続き熱海駅周辺を物見遊山して参ります。
一昨年行った時は単なる駅巡りしかやっていなかったので熱海の市街地を少し散策した程度でしたが、今回は駅及びその周辺地域の理解を深めるために十分な時間を取りました。
せっかく日本屈指の名温泉地に来たものなので、温泉に入りに行きましょう!(温泉に入らないのは)こうして記事を書いている今も入りたいです。
熱海市に施設を構える各ホテル・温泉施設は駅からそこそこ離れているため、無料で乗れる送迎バス(シャトルバス)を出しています(一部は例外あり)。なので気軽に乗って温泉に入りに行くぞ!の精神で行きましょう!最初にシャトルバスに乗った時は「金払わなくていいんか…?」と懐疑的になりました。
今回私がお邪魔させていただいたのは熱海後楽園ホテル付属のオーシャンスパ「Fuua」様です。
入ってきました、入浴代は約3230円と少々お高めですが、ソシャゲでの有料アイテム単体への課金よりかは遥かにマシです。下に添付済みの写真でどのくらいの絶景を眺められる浴場なのかが分かるでしょう……!
引用元:熱海温泉お宿ナビ様
果てなき蒼穹と大海、その境界線は絵の具でかき混ぜられたかのように不明瞭な程溶け合っていた……
南方には初島、北方には熱海の市街地、現世という地獄からの解放感を感じ取り(我が心の中の猫が絶〇しました)、改めて熱海が「東洋のモナコ」「東洋のハワイ」と呼ばれる理由が手に取るようにわかりました……!まるで妖精國の幻覚を見ていたかのよう……
それは海のすぐそばに山が迫っており、その丘陵に市街地・商業施設が形成されているのが熱海とモナコの共通点です。ハワイとも似ていますね。
これは余談ですが、今年夏に上映予定の国産特撮サメ映画「温泉シャーク」は熱海市を舞台にしており、制作陣はクラファンで1000円投じる毎に作中に登場するサメを1匹ずつ増やしていったようですが、最終的に登場するサメは432匹になったそうです…!作品自体の上映時間はまだ不明ですが、終始サメが出続ける光景になりそうです。そんな作中では「S県暑海市」と表記されます。真名を隠す気が0ですね。
あと、入浴中にこの動画が頭の中をよぎりました。そう……
主はたまにマスター(FGO)だったりトレーナー(ウマ娘)だったり開拓者(スターレイル)でもあるので時々このようなゲームネタを捩じ込みますが、これは非鉄な方々にも理解していただけるようにユーモアを交えています。
映像に登場する無料で配布される男Dr.レイシオというキャラクターはHoyoverseの作品「崩壊:スターレイル」に登場し、「真理の医者」と呼ばれる"愚鈍"や誤謬と言う病を根絶するのを原動力に動く人物で、彼曰く「僕は本とバスタブから離れられない、特に前者だ。人は頭の中に汚らわしいものが詰まっていると、体も綺麗にならないからな」と云い、頭が汚れてると体も穢れるらしいのが彼の「趣味」です。
事前に用意していた自前の風呂用具等と荷物が多かったためにロッカーが開かなかったりと多少のトラブルはありましたが、15時50分発のバスで熱海駅に辿り着き、もう少しだけ駅周辺の散策を行いました。
道中に咲く熱海桜、完全なる開花までには至ってはいませんでしたが見応えは多寡なものでした。
長いようで短い熱海日帰り旅行もそろそろ終わりの第4コーナーに差し掛かって参りましたので、ここで「熱海」という地名の由来について軽く紐解いて参りましょう…其れは遥か古代にまで遡る寓話なり……
よく「名は体をあらわす」と言われますが、熱海も例に漏れずの模範を示します。まさに正論…それが……
遥か昔、熱海の海はまさに「熱い海」だった……
其れは灼熱地獄を彷彿とさせる煮え滾る海で、海水は絶えず沸騰し、煙が天に登る…およそこの世のものとは思えぬ光景が広がっていました。余りにも海水が熱すぎるので魚が焼けシんでしまい、人々(主に漁師)は困り果てていました。
その原因こそ海底火山の苛烈なまでの活動で、現在もその堆積物の一部は熱海に残っています。火山活動がある程度落ち着いた後も海底に残った熱源により、高温の熱水が海中より噴き出していた……ある聖書で描かれた地獄<ゲヘナ>のように…
大昔の熱海はまだ温泉地ではなく、文字通りの「熱い海」がある場所で、そこから、「熱海」という名前…地名がつけられました。また、「あたみ」の名前は「熱い海がある場所」という意味を持つ「あつうみが崎」が転じて「あたみ」になったという説もあります。
奈良時代の749年には、海中に湧いていた熱源から湧きい出る熱湯により魚類が焼けシぬ被害を被り狼狽していた漁民の訴えを聞いた、箱根の万巻(まんがん)上人の長い断食の末の祈祷により陸に移動しました。それが今の熱海温泉の源泉・大湯間歇泉です。
……時は流れて1602年、徳川家康は熱海に湯治目的で訪れ、2年後(1604年)にも徳川義直、徳川頼宣という2人の息子を連れて7日間滞在、同年9月には京都で療養中だった吉川広家の見舞いに、この熱海の湯を運ばせたという…。
江戸幕府3代将軍である徳川家光は大湯に近い場所に湯治用の御殿を作り、第4代将軍・徳川家綱以降に始まったのは大湯の温泉を檜の湯樽に入れて江戸城まで運ばせる「御汲湯」で、第8代将軍・徳川吉宗の時には8年間で3643個の湯桶を江戸城まで運ばせる等……熱海の湯は徳川将軍家に愛されていました。
また、熱海と言えば尾崎紅葉による大ヒット長編小説「金色夜叉」でも有名で、「来年の今月今夜、この月を僕の涙で曇らせてみせる」の台詞が象徴的な恋愛小説です。詳しくはGoogle先生に尋ねてみてください。
午後4時台になったのでそろそろ帰りの列車に乗ろうかと模索を始めます…観光地を去る前に買うものはお土産だ……!
当初はそのお土産として熱海プリンを買おうと思いましたが、販売店の前には所要2~3時間の大行列が形成されており、このまま行列に並んでプリンを買っていたら日没時間を過ぎてしまうので諦めて、駅前商店街でお土産のカスタード焼きを購入しました。全く、妖精(人間)たちはつくづく度し難い…
16時46分発の高崎行き1920E列車で東京へと帰ります。ホームに着いた頃には既に当該列車が発車の時間を待っており、多くの乗客が着席していました。
なんとかグリーン車に座れたもののグリーン券売機が6号車の位置にあったせいか乗車したのが発車1分前と計画性の無さを露呈してしまいました。それでも座れたので勝ちは勝ちです!(と言っても湯河原から隣にサラリーマンらしき人が座ってきたのでその時は睨む猫になりました。)
道中の平塚駅で特急「湘南」の通過待ちのために4分停車、戸塚駅では数少なくなったE217系の姿を拝む事が出来ました……!
18時30分 東京駅到着~レールヤード秋葉原~帰宅