ナイジェリアで「わけありタルゴ」運行開始 ラゴスの都市鉄道に導入



ナイジェリアの最大都市ラゴスで都市鉄道「レッドライン」が2月29日、開業した。現地の国営ラジオなどが伝えた。当初は米国の高速列車向けに製造された車両もレッドラインで運行を開始した。

レッドラインのイケジャ駅を発車する列車。ディーゼル機関車が「タルゴ」を牽引している。【画像:中国土木工程集団】

ラゴスの都市鉄道計画は2008年ごろ浮上。ブルーライン(27km・13駅)とレッドライン(37km・10駅)、レッドラインの空港支線が計画された。軌間は1435mmの標準軌。ブルーラインが直流750V・第三軌条集電方式なのに対し、レッドラインは直流1500V・架空線集電方式を採用した。資金不足などの影響で計画は大幅に遅れ、ブルーラインの一部(13km・5駅)が2023年9月に開業したばかりだ。

今回開業したのは、レッドラインの第1期区間でアグバド~オインボの約26km・8駅。標準軌に改軌されたナイジェリア鉄道公社の路線とルートを共用する。1日37往復で50万人の利用を見込む。車両はスペイン・タルゴ社の高速車両「タルゴ」や米国NRE社のディーゼル機関車などが導入された。

タルゴ車両は2009年、米国のシカゴ~ミルウォーキーハイアワサの138kmを結ぶ高速列車としてウィスコンシン州が発注したもの。州知事が民主党から共和党に代わったのに伴い高速列車の計画が中止され、完成した車両は宙に浮いた状態になっていた。

秋にはレッドライン・オインボ~マリーナの約11kmが延伸開業し、マリーナ駅でブルーラインとの連絡が図られる予定だ。

※追記:一部修正しました。(2024年3月4日19時09分)

《関連記事》
ナイジェリアの都市鉄道に「タルゴ」導入 もとは米高速鉄道「宙に浮いた車両」
デンマーク国鉄「新型タルゴ」公開 コペンハーゲン~ハンブルクなど運行