みなさんこんにちは。前回からの続きです。

来月16日の「北陸新幹線 敦賀〜金沢間開業」と入れ替わり、長年親しまれた在来線特急が姿を消す、敦賀から先の「北陸本線」。


全国的にも稀少な「特急街道」を最後に味わいたいと、大阪発「特急サンダーバード」に乗り、昨年11月に石川・金沢周辺をさまざま日帰り乗り鉄した際の道中記をお送りしています。



大阪から始発の「特急サンダーバード1号」に乗りようやく、終着の「金沢駅」に到着しました。9時13分、定刻でした。


曇天の幽幻なびわ湖に、滋賀・福井の山々を越えると眩しいくらいの快晴。天候の移ろいをも楽しめた、3時間弱のサンダーバードでした。

しかし、そのような旅情たっぷりの沿線に、激しく移ろう車窓からの風景たるや。


関西とびわ湖、北陸それぞれの風土の違いを、ひと列車で、それも3時間弱という間に堪能出来るという稀有なもの。それが来月から、本当になくなってしまうのだとは。もちろん、新幹線も楽しみなのですが。複雑な心境になります。

さて、到着した列車をあれこれカメラに収めているうちに、乗客の姿はすでにホームからはなくなってしまっていました。


決まっているのは、帰路に大阪ゆきの「サンダーバード44号」に乗ることだけ。急ぐ旅ではありませんので、久々に降り立った金沢駅の構内を、ゆっくり探索してみることにします。


こちらも、ちょうど到着したばかりでしょうか。先の「北陸新幹線 長野〜金沢間開業(2015年3月)」でその並行在来線となった、富山県内の「北陸本線」を引き継いだ「あいの風とやま鉄道」の普通列車。「521系」という車系です。

踊るような緑の帯がさわやかな印象ですが、どこかで見たことのあるような顔つきです。


いつも「大阪環状線」で見かける、これらの列車。特に右側のがそっくりです。京橋にて。


「関空・紀州路快速」でおなじみの「225系」。

新快速でも同形式が活躍しているのですが、先ほどの「521系」とは編成両数や電圧方式、ワンマン設備などの点が異なるものの、車内の設えも外観同様によく似ています。天王寺にて。


そして、オレンジ帯で環状線専用の「323系」。

近年のJR西では、通勤型や近郊型の電車はこのようなデザインで統一が図られているのでした。同。



それは、新幹線開業によって「並行在来線」として第三セクターに転換される今回の「IRいしかわ鉄道」でも同様。こちらも「521系」。


事業主体がJR西日本から第三セクターに変更されても、もともとが長大な「北陸本線」をぶつ切って分社化しているため、互いの会社間で直通する列車も多数残されることもあるためでしょう。このあたり、興味深いものがあります。


ところで、またも手元のアルバムをひっくり返していますと、新幹線が開業するはるか以前、つまり「北陸本線」がそのままの姿で存在していた頃の車両を、あれこれ捉えたものが出て来ました。岩瀬浜(富山市)にて。

かつて、その北陸本線を急行列車として活躍していたものの、特急列車の増発で余剰となり、普通列車専用に改造されたという「471系」。


北陸本線で活躍していた車両は、塗装にさまざまな変遷があったものの、白地に青帯というさわやかなカラーリングに落ち着きました。

かつては「急行」などの表示がされていた表示機が塞がれていたのが特徴でした。2002(平成14)年4月、社会人なりたてのブログ主撮影。



ところで、この車両は「581・583系」という車系。世界初の寝台電車として、昼は座席車・夜は寝台車と、車内設備を組み替えることで昼夜問わず運用出来ることから、全国的に活躍した名車両と言われていました。

ただし、これも昭和50年代半ばから、グレードアップした車両の登場で余剰が次々に発生してしまいます。出典①。


それを、北陸本線のような幹線の普通列車に活かそうと、大改造の上で転用が図られます。見た目はそのまま。「419系」と命名されました。

1994(平成6)年3月、中学校を卒業したばかりの春休みに「青春18きっぷ」でした、はじめての乗り鉄の旅。ブログ主撮影。敦賀にて。


「青春18」で日帰りや、夜行快速列車などを活用してあちこち乗り鉄の旅をしだした頃でしたが、この「419系」だけは、群を抜いた乗り心地の素晴らしいことといったら!

さすが元特急車両だと感じるものでした。いまでもはっきり覚えているほど。同、米原にて。


そのかつての急行や寝台電車が走る北陸本線では「サンダーバード」の前身「雷鳥」が看板列車だった頃。JR東日本車両が充当。敦賀にて。

車両のバラエティも実に多様でしたし、なにより乗っていても、駅で眺めているだけでも飽きもしなかったこと。まさに、まもなく姿を消す「北陸特急街道」のいい思い出です。


いまから30年あまり前のことで、恐縮なのですが(汗)思い出を回顧出来たところで、先へ進むことにしたいと思います。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「フリー百科事典Wikipedia#国鉄583系電車」)