どこ鉄165 〜手の中の海外で迷子 | 菅野貴夫の野球電鉄

菅野貴夫の野球電鉄

俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

お久しぶりです。どこ野鉄夫です。



10日間にわたったJACROWの『宵闇、街に登る』北海道演劇鑑賞会ツアーから東京に戻ってきました。


釧路・札幌・旭川・函館と、現地の演劇鑑賞会の皆さまがとても暖かく迎えてくださって、たいへん楽しい旅公演となりました。えんかんの皆様ならびに今回関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。


忙しい中ではありましたが、もちろん各地で最低限の鉄分補給は忘れず。

(札幌駅は何度か行ったことがあるので今回は見送り。新幹線駅ができたらまた行きたいものです)



それでは休養十分でやっていきましょう。




まずは日下さんからの1枚。

いつもながら端正な画角。


拡大開始。

あっ……右側の駅名標が見えそう……


実はもらった直後にこれが目に入ったので「駅名標を消してもらえませんか」と送ったのですが、修正してもらえたのは左側のほうでした。



まあいいか、あんまり見ないように気をつけよう。



他の要素だけで充分いける。

まず目に入ってしまった駅名標のデザインからJR東日本確定。


そして、

緑色のシンプルな架線柱、ホームの下にチラリと光る一筋の溝=融雪溝。新潟の匂いがプンプン。



ホームの柱の色を確認、同じラインカラーの路線をチェック。

(乗換路線図アプリより)

新潟地区で緑色の電化路線は越後線。



捜索開始。

残像として残った2文字の駅名だろうという情報は、申し訳ありませんが利用させていただきます。



新潟側から2文字の駅名だけを調べていき、分水駅。

架線柱も良い感じ…というかここだな。



では元の写真↓


さらに探し出した写真↓

越後線・分水駅、5分かからず確保。



見事な桜並木。シーズンに訪れたらまた最高でしょうね!



----------------------



続きまして、コンクリートのまさつぐ師匠からの1枚。

美しい光線。夕暮れというよりは日の出かな。

何となく、これから明るくなっていきそうな空に見える。



写真左側の架線柱にオレンジ色の表記を確認、JR東海っぽい。線路は立派な幹線クラス。



まさつぐ師匠の地元・伊豆からほど近い幹線といえば東海道本線。


日の出に向かって撮っている=線路は東西方向に走っている。


このへんだろう。


なだらかな山の稜線がやや左から右へ傾いているのも、この地域でよく見る風景。

少し先には駅があるか…?



さらにもう一つ気になる要素。

線路脇の、柱の間から見えるこの物体。

神社などによくある塀ではないだろうか?



まずは沿線の適当な踏切に接近。

ここではなかったけど、奥に見える山の稜線も似た感じがする。



捜索継続。

線路脇に神社発見!



では元の写真↓


目を付けた神社付近の写真↓

完璧。

JR東海道本線・原〜東田子の浦間の踏切、安定の確保。



いい捜索ができた!


--------------------


さあ続いては、一緒に北海道ツアーを廻った髭さんからの海外編・残り2枚。

1枚目のほうが車両の文字が見やすいので、1枚目から行こう。


左端に見える車両の文字はユーロスターで決まり。


ユーロスターは、イギリスのロンドンからフランスのパリ・ブリュッセル(ベルギー)・アムステルダム(オランダ)を結ぶヨーロッパの国際高速列車。


写真の雰囲気から、上記どこかの都市のターミナル駅だろう。


写真奥にはアーチ屋根と時計。これは大きな特徴。



以前に解いた海外編がパリの写真だったので、まずはパリのターミナル駅を探してみよう。

ヨーロッパの、というか日本以外の多くの国では、大都市には巨大な頭端式(行き止まり)ターミナル駅がいくつも点在しています。地下鉄やトラム(路面電車)が各ターミナル間を結ぶ役割をしているんですね。


ここなんか、巨大な駅が2つ並んでいる。


日本じゃ考えられん!



いくつかの駅を巡り、Gare du Nord駅(パリ北駅)がユーロスターの発着駅だと判明。



駅構内へ。

直線的な屋根の画像ばかりの中で、

あっ!

↓↓

アーチ屋根と時計、、まさにここじゃないか?


しかし時計の下に文字が書いてある。

問題写真では文字は見えなかった↓

これはどういう事だろう…よく似てるけど違う駅なのかな?ヨーロッパのターミナルはアーチ屋根が多いし、そこに時計が掛かっている事も、よくあるのかも知れない。



これだけで安直に答えるのは危険だ、ロンドンの駅も調べてみよう。

こっちも巨大駅が2つ並んで!ヨーロッパ凄いな!



調べの中でセント・パンクラス駅というのがユーロスターの発着駅と判明。いざ構内へ。

↓↓

来たあっ!


……というかさっきパリ北駅で見たのと同じじゃない?



ここから捜査は混乱を極めることに。



再びパリに戻って見つけた画像↓

やっぱり同じじゃないの?



パリに絞って画像検索。

やはりアーチ屋根の写真が出てくる。


セント・パンクラス駅は?

こっちの方がアーチ屋根の写真が多い、、



ここで屋根の明るさに注目してサイトで両駅比較。

パリは閉まっててロンドンは開いてる!


しかしこちらのサイト比較では、

パリは開いててロンドンが閉まってる!というか時計下の文字からして同じ駅じゃないの?どういう事だよマジで!!!



念のためブリュッセルやアムステルダムの駅を確認してみたところ違ったので、やはりフランスのパリ北駅かロンドンのセントパンクラス駅のどちらか。



わずかな疑いがあるとすれば、これらのサイトは日本人のための旅行案内で、大事なのは電車の乗り方や治安であって、トップ写真はイメージに過ぎないのではないかという事。



しかし↑様々な写真を見ていると、アーチ屋根手前のホームがフラットな写真や、階段があって2層構造の写真もあって、非常によく似た別の駅のような気もしてくる。



混乱は収まらず。

どうにか他の方法で判別できないか?


Googleアースで外観を確認。

パリ北駅。屋根が三角。

確かに画像を調べても直線的なものが多かった。



ロンドンのセント・パンクラス駅。

屋根がアーチ!


やはり、こっちが正解なのか?



しかしここまで頭が存分に混乱している私には、まだ怖くて回答ができない状態。




よし、もう1枚の写真を解いてみよう!

これがもしフランスの駅だったらフランスの疑いが濃くなるし、イギリスの駅だったら、、、その時はその時だ。


まずは車両に書いてあるエンブレムを確認。

この添付画像では見づらいかも知れませんが、KURANDA…と読める感じ。



KURANDA RAILWAYで検索。

これだっ!



ファー・ノース・クイーンズランド……クイーンズランドって聞いたことあるけど、どこの国の州だろう?


試しにGoogle翻訳。



鞍田駅と茶室。唐突なパワーワード。

風光明媚鉄道ってのも凄いな!



さておき、改めて日本人向けのサイトを検索。

↓↓

ケアンズ……聞いたことある都市だな……

オーストラリア!


フランスでもイギリスでもない、遠くオセアニアの写真だったのか……!

うーむ、髭さん恐るべし。



とは言え、ここまで分かればもう時間の問題。

観光鉄道にも関わらず路線のあぶり出しに成功。

↑写真では始発駅のような風情。

拠点のケアンズから見てみよう。

まさにここだっ!!



では元の写真↓


探し出した写真↓

完璧!


オーストラリア・キュランダ観光鉄道のケアンズ駅、思わぬ場所だったものの順当に確保!




さて、問題の駅。

パリ北駅か、セント・パンクラス駅か。



やはり、

この屋根の形を信じるとしよう。



ロンドンのセント・パンクラス駅だっ!!!




髭さんからのお返事↓↓↓

やったーっ!!!




というわけでロンドンのセント・パンクラス駅、観光サイトの写真に悩みながらも何とか確保!!



ちなみに北海道ツアー中に回答したのですが、髭さんも「あれ?どっちの駅だったっけ?」と↑位置情報付きの写真を見つけるまで迷っておられました(笑)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



しばらくの間は東京で、またコツコツと取り組んでいきたいと思います。




ではまた!