B列車で行こう

3Dプリンターで作成したBトレインショーティーサイズの鉄道模型を紹介しています。

【Bトレサイズ】スーパーレールカーゴ キットの紹介と塗装方法

 この記事は、【Bトレ サイズ】M250系スーパーレールカーゴ」キットと塗装方法を紹介しています。

スーパーレールカーゴ キットについて

実車の情報

 2002年に登場した、JR貨物のコンテナ運搬用の電車です。

by photoAC

登場の背景

 東京-大阪間の貨物輸送において、宅配貨物などの小口積み合わせ貨物で鉄道はあまり選択されていませんでした。当時、機関車牽引の貨物列車は東京-大阪間で最短でも6時間40分を要しており、さらに発着地の貨物駅でトラックとの乗せ換えが必要となる分、所要時間でトラックに及ばないことが原因でした。

一方、各企業ではCO2削減をはじめとする環境対策の取り組みが本格化しており、運送事業者でもトラック輸送からCO2排出量の少ない船舶・鉄道輸送へのシフトが検討されていました。

JR貨物はこれらの市場の要請にこたえるため、小口積み合わせ貨物に特化した中距離高速輸送について検討を開始しました。

 

 これにあたり、JR貨物は所要時間を短縮するため電車形貨物列車による高速輸送を行う方針を打ち出しました。

動力分散方式とすることで加減速性能の向上と軸重の軽減を図るだけでなく、すでに旅客用電車で採用実績のある機構を使用することで安全性と信頼性を高めるよう設計されました。

そうして開発されたのが、この250形です。

車両について

 電動車の車体は両端部の台車上に乗務員室と機器室を配置し、中央部をコンテナが積載できる構造とすることで編成の積載量増加が図られています。

宅配貨物は、容積に対して質量が小さいという特徴があります。積載するコンテナの内容積を可能な限り拡大するため、コンテナの天地寸法を高くする方針となりました。そのため、コンテナを積載する台枠高さはレール面から1,000 mmに抑える必要があった一方、走行関係機器においては採用実績がある機器を使用するため、その構成から台枠上面をある程度の高さに保つ必要がありました。

このため、電動車両端部の台枠高さはレール面から1,103 mmであるものの、車体中央部を落とし込む構造とすることでコンテナ積載部分の台枠高さをレール面から1,000 mmとしています。

付随車については、台車体全長に渡って床面高さはレール面から1,000 mmとなっています。

付随車のうち、T260形の後位側車端部には昇降用のステップと手すりがあります。

電動車の連結面間には貫通路があり、機器室からコンテナ積載への中央部にも出入り口があります。対してM251形の付随車連結面側の貫通扉は必要性が低いことから設けていません。

車体は、電動車では青色2色の濃淡をベースとした曲線的な塗装デザインとなっています。

U54Aコンテナについて

 U54Aコンテナは、JR貨物輸送用の30ft・31ft私有コンテナ(有蓋コンテナ)です。

「54」はコンテナ容積の立方メートル、「A」は普通品の輸送を示しています。

総重量11.5t。全高2,641mm(規格外)、全長9,410mm(規格外)。全高が規格外のため、コキ50000系列へのは積載禁止されています。

この30001から30060は佐川急便の所有で、専用の佐川ギャラクシーの模様が施されていました。スーパーレールカーゴ用として東京貨物ターミナル駅 - 安治川口駅間のみで運用され、積み込み口は片妻側開き仕様でした。

 現在スーパーレールカーゴ用のコンテナは後継機種として新たに配備されたU50A-30000~に置き換わり、U54Aコンテナはすべて廃止されています。

運用について

 佐川急便による1列車貸切輸送で運行され、東京貨物ターミナル - 大阪・安治川口間を6時間11-12分で結んでいます。これは東海道本線在来線のうち東京都 - 大阪府を走破した全ての列車の中で歴代最速だそうです。

運行時は先頭車のMc250形車両にヘッドマークを掲出していましたが、2010年以降に検査入場して塗装が更新された車両は、ヘッドマークと取付金具が撤去され、車体に直接佐川マークのシールが貼付されました。

専用のU54Aコンテナは見映え向上のため、カラーリングに合わせて一方向に揃えた満積載で運行されています。

 

キットの情報

キット外観について

 編成は電動車のMc250とM251、付随車のT260とT261の4種類の車両で構成されており、それぞれについてモデリングしました。

Mc250形は両端の先頭車です。

全長は65mmで設計しました。先頭車は動力化を想定せず、台車は直接取り付けできる構造でコンテナを別パーツとしました。

前面に解放てこカバーがついた後期型の姿でナンバーは3,4と5,6を選べます。

ショーティー化のせいで、パンタグラフのスペースがかなり限られたため、パンタグラフもそれに合わせて描き下ろしました。

M251形は2両目の動力車です。

全長は60mmです。この車両に動力を組み込む設計とし、動力を隠すためにコンテナと一体でモデリングしました。動力のおすすめはKATOのチビ客車用動力(要加工)ですが、小型車両用動力(加工不用)も取り付けできます。

T260は手すり付きコンテナ車です。手すりは別パーツです。T261は手すりなしコンテナ車です。

どちらもU54Aコンテナ2個が載るように設計しています。

U54Aコンテナは長さ27mmにデフォルメしました。側面は様々な模様に対応できるよう、印刷紙を貼り付ける設計です。妻面の両開き戸は立体的に表現しています。

Bトレサイズコキに積載する場合は、3つあるつめの内、真ん中のつめが干渉するので切り取る必要があります。

造形のため、内側にサポート材が付いていますが、ついたままだとあそびがないので、積載する前にニッパーなどで切り取ってください。

 

 実車はコンテナの向きが全て揃うように積載します。そのため、M251形については、2号車と15号車で車両の向きに対してコンテナの向きが異なります。

これに対応するため、M251形はそれぞれ別に2パターンモデリングしました。

コンテナの開き戸の向き(パンタ側かそうでないか)という外観上の違いの他、裏面の刻印ではM251とM251'(ダッシュ)で判別可能です。

対応シャーシについて

 準備中

塗装例の紹介

 以下に塗装方法を紹介します。塗装例ですので、塗料や塗装方法などはあくまで参考としてご覧ください。

使用した塗料

 塗装例に使用した塗料は以下の通りです。

使用塗料

塗装工程について

電動車の塗装

1.全体を灰色サーフェイサーで塗装します。

2.車体上側をスカイブルーで塗装します。(画像はライトブルーです。スカイブルーとライトブルーを1:1で混ぜても良いと思います。)

3.車体上側をガイドラインに沿ってマスキングします。

 マスキングの方法ですが、まず通常のマスキングテープを手すり部分で分割して大きめに貼り、つめでこすってガイドラインを浮き出させます。そのあと新品の刃を使用したデザインナイフを垂直に当ててガイドラインに沿って優しく切り出しました。

乗務員扉部分は別に切り出して貼り付け、最後に手すり部分をマスキングしています。

4.車体下側と妻面をフタロシアニンブルーで塗装します。

5.マスキングを外します。(ここで上部をスカイブルーに塗り替えました)

6.屋根と車体下部以外をマスキングします。

7.エアクラフトグレーで塗装します。

8.マスキングを外します。

8.Mc250(先頭車)のライト周り以外とM251(中間車)のコンテナ以外をマスキングします。


9.Mc250のライト周りにベースホワイトを、M251のコンテナにシルバーを塗装します。

10.マスキングを外します。

11.先頭車の正面窓枠以外をマスキングして、ブラックを塗装します。

 (塗装例では塗装を忘れています)

12.マスキングを外します。

13.ヘッドマークを切り取り、水性のりなどで貼り付けます。

付随車の塗装

1.全体を灰色サーフェイサーで塗装します。

2.全体をエアクラフトグレーで塗装します。

コンテナの塗装

1.灰色サーフェイサーを塗装します。

2.シルバーを塗装します。

3.側面印刷紙を切り出し、水性のりなどで貼り付けます。

 今回は比較的大きく、四角いのでテープのりを使用しました。

パンタグラフの塗装

1.灰色サーフェイサーを塗装します。

2.シルバーを塗装します。

 

 組み合わせて完成です。

編成表

 上図が、スーパーレールカーゴの編成図です。

 キットは電動車4両と付随車4両の基本編成、付随車8両の増結編成を用意しています。日本で唯一の電車形貨物列車を、ぜひBトレサイズでも再現してみてください。

 

キットの購入はこちら