東葉高速鉄道「海老川新駅」船橋市内予定地の都市計画変更が決定へ



千葉県船橋市は2月13日に開会した市議会定例会に来年度2024年度の当初予算案を提出した。鉄道関係では東葉高速鉄道の東葉高速線に設ける「海老川新駅」の整備費として2億317万7000円を計上。千葉県は新駅の整備に向け、近いうちに都市計画の変更を決定するとみられる。

東葉高速線の海老川新駅が設けられる場所。【撮影:草町義和】

海老川新駅は土地区画整理事業が実施されている東葉高速線・東海神~飯山満のほぼ中間に設けられる新駅。千葉県都市計画審議会は今年2024年2月1日、新駅の整備で必要な都市高速鉄道の区域変更を原案通り可決した。3月には都市計画の変更が決定されるとみられる。

船橋市は「ふなばしメディカルタウン(仮称)」と題し、海老川上流地区で医療と健康をテーマにしたまちづくりに取り組む考え。施設の老朽化が進む船橋市立医療センターを同地区に移転させるほか、自動車の流入抑制や歩行者・自転車優先の道路整備、公共交通の利用環境の向上を図るなどして健康増進を目指す。

海老川新駅は公共交通の利用環境向上策の一環。事業費は約65億円で、このうち約10億円を国が補助し、残りは船橋市が全額負担する。船橋市は以前は2026年度末の開業を目指していたが、土地区画整理事業の遅れや時間外労働の上限規制など建設業を取り巻く社会情勢の変化もあり、2023年10月には開業予定時期を2028年度末に変更して2年先延ばしした。

海老川新駅の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】
船橋市の都市高速鉄道第5号線(東葉高速線の都市計画上の名称)の区域変更部分(赤)。【画像:千葉県】

海老川上流地区は低湿地帯で洪水・浸水被害の危険性があるほか、区画整理や医療センターの移転などを含む総費用は2023年5月時点で531億円が見込まれており、海老川新駅も含めメディカルタウンの計画に反対する声も根強い。

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