2月24日(土)、2024年ダイヤ改正後の普通列車の時刻が公開されました。これを受け、いくつかの地域について詳細を深堀していきたいと思います。第1弾はJR東日本千葉エリアについて、普通列車を中心に詳細を解説します。
12月に公開したダイヤ改正分析の記事↓↓
https://www.jreast.co.jp/press/2023/chiba/20231215_c01.pdf
https://www.jreast.co.jp/press/2023/chiba/20240116_c01.pdf
1.総武快速線 朝ラッシュ時増発
平日朝6時台に、千葉発東京行き快速列車が増発されます。改正前後の時刻は以下の通りです。
※松本行き特急「あずさ」は、河口湖行き特急「富士回遊」を併結(改正前後同様)
千葉6:21発の快速が増発され、改正前の千葉6:23発の快速は6:26発に変更となります。増発は嬉しいのですが、個人的には東京着7:11~7:24と、ピーク直前ながら13分運転間隔が空いているところを次回是正してほしいと思っています。特急が2本挟まる区間なので、調整しづらいとは思うのですが…
2.総武快速線 夜時間帯減便
平日20時台(東京発)の総武快速線は、東京発千葉行き下り列車が1本減便となります。
減便されるのは東京20:47発の快速千葉行きです。これは予想が当たりました。というのも、以前の記事で触れた通り、この快速千葉行きは幕張の車庫から東京まで回送列車で送り込み、千葉到着後は幕張へ回送列車で戻すという、手間のかかる列車になっており、それが原因で減便対象にされたとみられます。
また、改正前のダイヤでは、20時台前半に「成田エクスプレス」「しおさい」「あずさ」と特急が3本集中している一方、錦糸町20:28発の特急「あずさ」以降は、東京21:43発(錦糸町21:49発)の特急「しおさい」まで1時間20分ほど特急列車の設定がなく、特急列車の運転間隔がとても不均等になっています。
これを是正するため、快速を減便し、新たに東京20:45発の特急「しおさい」を設定したと考えられます。
3.外房線 朝夜時間帯増発
外房線で朝夜時間帯に普通列車が1本ずつ増発されます。(水色:ワンマン普通列車2両編成、以下同様)
朝7時台の外房線下り列車は、運転間隔が40分ほど空いている時間帯がありますが、これが増発により是正されます。また、19時台に茂原19:41発普通千葉行きが増発されます。既に設定のある上総一ノ宮19:38発普通千葉行きをどうするのかと思っていましたが、発車時刻を20分程度前倒しさせるようです。こちらも、運転間隔が30~40分空いている時間帯があり、その部分を穴埋めするために増発したとみられます。
4.外房線 夜時間帯減便及び上り列車接続改善
上総一ノ宮~勝浦間で減便される一方、千葉方面への上り普通列車の接続が改善されます。
<下り 改正前(現行)>
※京葉快速 平日は通勤快速
<下り 改正後>
※蘇我19:36発特急「わかしお」は、勝浦~安房鴨川間は普通列車(改正前後同様)
上総一ノ宮→大原間で2本、大原→勝浦間で1本減便されています。また、上総一ノ宮から安房鴨川方面へ向かう列車については、1本がワンマン2両編成の列車に変更されています(事実上の減車)。
また、上総一ノ宮から勝浦方面へ向かう列車は、特急及び京葉線・総武快速線からの直通列車から乗り継げるように設定されていることが分かります。この方針はよいと思います。
<上り 改正前(現行)>
<上り 改正後>
上り列車においても、勝浦→上総一ノ宮間で1本減便となっています。ただ、減便をしつつ運転間隔を調整し、平準化していることが分かります。
また、上総一ノ宮での接続も改善されます(図の肌色部分)。改正前の上総一ノ宮21:34発の普通千葉行きの発車時刻を15分繰り下げて対応するようです。この普通千葉行き、蘇我で10分も停車するダイヤになっており、その停車時間を削ることで次列車への影響が出ない形に収めたとみられます。
5.内房線 夕方時間帯減便
内房線では、君津~上総湊間で減便となります。
以前の記事でも触れましたが、木更津17:30発のワンマン普通上総一ノ宮行き(2両、館山・安房鴨川経由)は非常に混雑しており、JRも直後の木更津17:39発の上総湊行き(8両)もあわせて利用するよう促す事態になっているようでした。
改正前ダイヤの場合、千葉16:43発の普通列車(8両)からの乗換客と、木更津から南へ向かう乗客が全て17:30発の2両の普通列車に集中します。
そこで、木更津17:30発のワンマン普通(2両)や前後列車の時刻を変更し、千葉16:59発普通君津行きから接続を受ける形に変更しました。内房線の木更津より南の駅では、君津駅が突出して利用者が多いので、君津までの乗客を8両編成の普通列車に誘導すれば混雑緩和が図れると判断したとみられます。ただ、それで減便までして大丈夫なのか?というところについては、不安も残ります。
また、上り千葉方面の列車に着いても、上総湊~君津間で減便となり、上総湊17:39発普通千葉行きは君津始発に短縮されます。ただし、上総湊18:15発の普通千葉行きの発車時刻を早め、運転間隔の調整が図られるとともに、君津で総武快速に乗換ができるようになります。上り列車については、減便しつつも利便性低下はある程度食い止められているといえるのではないでしょうか。
6.総武本線 夕夜間運転本数変更
総武本線(千葉~佐倉間)で、運転本数が変更されます。
<下り>
<上り>
千葉~四街道においては、17時台に千葉~四街道間で1往復増発されています。対照的に、四街道~佐倉間で20時台に1往復減便となっています。特に18時台の千葉方面行き上りについては、運転間隔が20分ほど空いていましたが、増発により是正されていることが分かります。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。細かく見ていくと、普通列車においても改善しているところはあるというのが正直な感想です。一方で、減便も目立つダイヤ変更であることは否めず、じりじりと本数が減っていることは非常に気がかりです。
今後他のいくつかの地域においても、改正前後のダイヤを比較して解説する記事をアップしようと考えておりますので、お楽しみに