井関駅【三重県】(名松線。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


今回の【駅】シリーズは、
三重県津市南部、雲出川の支流である波瀬川沿いに広がる山あい田園風景の中に位置する名松線の駅で、駅舎がなくホーム1面のみのローカル駅であり、三重県内で最も利用客が少ない駅で同じ名松線内山岳区間の各駅にも及ばず、そして、ほとんどの人が読み間違えるであろう難読駅名である、
井関駅 (いせぎえき。Isegi Station) です。
  
  
駅名  
井関駅 (駅番号なし) 
 
所在地  
三重県津市 (旧・一志郡一志町)   
 
乗車可能路線  
JR東海:名松線  
 
隣の駅  
松阪方…………一志駅  
伊勢奥津方……伊勢大井駅  
  
訪問・撮影時  
2022年10月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1930年開業)。
駅舎………………なし(ホーム上に待合所があります)。
出入口……………南側のみ。北からは約700m東または約350m西の踏切を渡って南側へ回る必要あり。
バリアフリー……○(段差はありませんが、車両側が非対応です。ご利用時は事前にJR東海へ連絡を)。
点字ブロック……ホーム出入口~ホームに設置。
駅前広場…………△(乗用車は転回可能ですが、西側の工場への進入路を兼ねているため駐車不可)。
バス停留所………駅すぐ近く、名松線と並走する県道43号線沿いに設けられています。
 
 

 

出入口です。北を望む。
南側を名松線と並行する県道43号線から北へ入った奥に出入口があります。
県道との交差点部分にはバス停留所が設けられています。
坂を上がると駅出入口に到達します。
駅舎がなく、直接ホームに出入りする形です。出入口に段差はありません。
出入口前には未舗装の広いスペースがあります。自動車での送迎も可能ですが、左手に工場があり、その進入路に当たるため、駐車は難しいです。
左奥の小さな建屋はホームの待合所です。井関駅にはトイレがありませんので要注意です。訪問時は事前に車内で済ませておいて下さい。
 
 

駅前です。ホーム出入口前より南を望む。
写真前方で駅前道路は左右方向の県道43号線に突き当たります。
駅周辺には民家が点在していますが、商店はおろか、飲料自動販売機すら見られません。訪問時は飲料も事前に用意して下さい。
また、写真奥、県道43号の裏手を雲出川の支流である波瀬川が左(東)へ流れています。駅周辺は波瀬川の谷で山地に囲まれています。駅周辺の谷には田畑が広がっています。
 
 

駅前です。駅出入口前より東を望む。左が井関駅です。
奥に延びるのは県道43号線ですが、道幅が狭いです。
県道を道なりに2kmほど東~東北東へ進むと谷が広がり、旧・一志町の中心部西端部へと出られますが、そこまで来ると隣の一志駅からの方が近いです。
 
  

駅前です。駅出入口前より西を望む。右が井関駅です。
奥に延びるのは県道43号線ですが、こちらも道幅が狭いです。西側は段々と山深くなります。
県道を道なりに1.4kmほど南西へ進むと、お菓子「ベビースターラーメン」で有名な企業「おやつカンパニー(旧・松田食品)」の井関工場があります。
そのため、この県道43号線は「おやつカンパニー」に出入りするトラックが頻繁に行き来します。道幅が狭く、自動車運転時はトラックとのすれ違いに気を遣うことと思いますし、トラックの運転手も神経を使います。特に平日に訪問の際はトラックに注意して下さい。
「おやつカンパニー」井関工場前からさらに1.4kmほど南西へ進むと、波瀬川沿いに形成されている波瀬の集落に到達します。比較的大きな集落ですが、マイカー社会が浸透していると思われ、井関駅を利用する人は少ないと思われます。
 
 

ホームより北を望む。
手前には廃止された対向ホーム跡の一部が草むらから顔を出しています。
駅北側は民家が無く、田園風景が広がっています。前方の丘を越えた先を雲出川が東へ流れています。川沿いには集落があり、一志学園高等学校もありますが(ともに駅から約1km北)、井関駅の利用に結びついていません。この集落から雲出川を渡って1.5kmほど北上した地点には近鉄大阪線・伊勢石橋駅があり、集落や高校の鉄道利用者は利便性に勝る近鉄線に流れている可能性があります(鉄道利用者自体が少ないかもしれませんが)。
 
 

ホーム出入口です。北を望む。左手に駅名看板があります。
フェンスのない部分が出入口で、その先がホームです。段差なく移動可能で、車いすも通行可能な幅です。
左手にはコンクリートで固められた場所が見られますが、もしかしたら昔はそこに駅舎があったと思われます(1960年代の空中写真には駅舎らしき建物が写っています)。
 
駅員配置………なし(おそらく国鉄時代より無人駅)。
自動改札機……なし(無人駅なのでそのまま入場して下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。ICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
出札窓口………なし(駅舎すらありません)。
自動券売機……なし(車内で整理券を取り、下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい)。
トイレ…………なし(駅周辺に一切ありません。ご訪問の場合は往路の列車内で済ませて下さい)。 
売店……………なし(駅周辺に飲料自動販売機すらありません)。  
コンビニ………なし(1km圏内に店舗がありません)。
 
 

こちらはホームより出入口を望む。南を向いて撮影。
出入口のホーム側にはきっぷ回収箱があります。簡易的なものではありません。
点字ブロックはホーム内のみに設置されています。
 
 

 

こちらはホーム中ほど伊勢奥津寄りにある待合室です。いずれも伊勢奥津方を望む。
開業前の昭和4年(1929年)12月完成で、90年以上使用され続けています。
扉はなく、冷暖房もありません。
中にはベンチがあり、壁面には時刻表と名松線内の運賃表などが掲示されています。
 
 

建植式駅名標です。電照式ではありません。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
元々は一志郡一志町でしたが、平成の大合併で津市になりました。駅名標は津市になった後に更新されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、名松線では駅ナンバリングが導入されていません。
ちなみに駅名の読みは「いせき」でも「いぜき」でもなく、「いせぎ」です。これは分かりませんね…。
 
 

 

駅構造……地平駅(東北東~西南西方向)。
配線………単式ホーム1面1線(棒線駅)。
 
番線は設定されておらず、下り伊勢奥津方面、上り松阪方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違いに注意が必要です。
また、以前は左側に線路とホームがあり、相対式ホーム2面2線の交換可能駅でした。現在もホーム跡とレールが一部残っており、痕跡が見られます。
 
ホーム有効長……6両弱分(名松線の中間駅では最も長い部類です)。線路有効長は9両ほど。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に広いものの、線路と反対側は草に覆われている箇所が多いです。
上屋(屋根)………なし。待合所でしか雨をしのげません。 
ホーム上設備……待合所(ベンチは待合所内のみ)。
 
ホームの伊勢奥津寄りに待合所が、中ほどに出入口があります。
また、1960年代の空中写真を見ると、ホーム伊勢奥津方(手前)の右側には貨物側線らしき線路が分岐していた可能性があります。現在はそこに大きな工場or倉庫が建っています。
  
写真は2枚とも松阪方を望む。
 
 

 

2枚とも伊勢奥津方を望む。右が交換設備跡です。
左のフェンスの反対側には1線分のスペースがあり、こちらにも貨物側線が存在していたかもしれません。
ホーム中ほどに出入口があり、その先に待合所があります。
それにしてもホーム幅が広いです。
 
 

松阪方を望む。左手には交換設備跡のレールが残っています。
また、前方では線路が不自然なカーブを描いており、そこにかつて両開き分岐器が存在していたことを物語っています。
この先、波瀬川や県道43号線に沿って山あいの田園風景の中を主に東北東方向へ走り、やがて左側車窓には住宅が増えてきます。そして右側に新興住宅地が現れると右へカーブして、一志駅へと至ります。至近距離に近鉄大阪線の川合高岡駅があり、乗り換える客が少なからず見られます。津方面へは一志駅~川合高岡駅乗換が便利です。
 
 

伊勢奥津方を望む。こちらも両開き分岐器が存在していた痕跡が見られます。
この先、波瀬川に沿って山あいの田園風景の中を西南西へ走りますが、やがて右へカーブして波瀬川や並行していた県道43号線と離れ、トンネルに入って山越えをします。トンネルを出ると右手に雲出川を見て断崖区間を西へ走り、やがて右へカーブして雲出川と山並みが離れると、広々とした田園風景の中を一直線に北西へ走り、伊勢大井駅へと至ります。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2022年          

私が伊勢大井駅で下車(乗車)したのは2022年の1度きりです。名松線の全駅を訪問する目的で下車しました。1面1線の棒線駅で、駅舎すらありませんでしたが、土台があったので、かつては駅舎が存在したかもしれません。駅前は県道沿いに民家が点在するのみで、閑散としていました。まぁこれといった見所がない駅ですが、それが却って特徴・個性なのかもしれません…。
  
鉄路のみで  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。東海道新幹線~JR・伊勢鉄道or近鉄で松阪へ。名松線に乗換。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。近鉄で川合高岡or松阪へ。名松線に乗換(川合高岡は近くに一志駅あり)。
 
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし   
飲食チェーン店・・・なし   
 
東京・大阪とも到達難易度はやや高いですが、名松線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は井関駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:JR東海のHP、Google地図、Wikipedia)