NO.2990 1.22「SL人吉」団体臨時列車乗車記録(その3最終回、八代駅→熊本駅間乗車編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 去る1月22日に熊本~八代間で運行されました、8620形蒸気機関車58654号と50系700番台客車で運行されております「SL人吉」団体臨時列車の乗車記録に関しまして、その1よりこれまで2回にわたりましてご紹介しておりますが、前回その2では、乗車駅の八代駅での車内・車外の姿に関しましてご紹介しておりました。

 

 この「SL人吉」の団体臨時列車は、JR九州トラベルデスク主催で運行されていたものでありまして、往路でDE10形ディーゼル機関車が先頭に立ちました、JR九州トラベルデスクの追加募集で参加されていた方向けの熊本→八代間、そして今回ご紹介します復路の八代→熊本間でありまして、もちろん先頭は58654号が務めておりました。

 

 そんな「SL人吉」は、ご紹介しておりますように、本来の運行区間であります熊本~鳥栖間の運行は、3月22日の定期運行を持ちまして運行を終了する事になっておりまして(正確には翌23日の特別運行で運行終了)、この理由も、100年以上に渡りまして運行してきた事に伴う老朽化や部品調達が難しくなっている事が理由との事でありまして、この運行している姿もあと1ヶ月ほどと言う事になっております。

 

 さて、今回は令和2年の「熊本豪雨」前までの本来の運行区間でありました熊本~人吉間のうち、鹿児島線区間の熊本~八代間の運行でありましたが、今回「あそBOY」以来約30年ぶりに、ペアを組みます50系700番台客車に乗車する事ができておりましたが、ウエスタンスタイルでありました「あそBOY」時代としますと、レトロ調に変わっておりましたので、まさに大きく様変わりした事が伺える所でもありました。

 

 (3号車車内)

 
 (1号車、黒色の革シート)
 
 (同、茶色の布シート)
 
 こちらが3号車のフリースペースでもあります、展望ラウンジでありますが、ここから58654号の雄姿が見る事ができていたのが良かったでしょうか。尚、前回もご紹介しましたように、奥にあります小さい椅子はキッズチェアでありまして、子供さんにも展望できるようになっていたのがわかるのではないでしょうか。
 
 
 さて、ここまで前回の模様をご紹介しましたが、最終回となります今回は、この八代駅から熊本駅までの乗車の模様を皆様にご紹介してまいります。
 
 
 発車直前、3番ホームでは煙が充満しておりました。そのため、画像の姿からもよりそうなっている事がわかるのではないかと思います。私自身も、SLが定期運行していた頃は存じませんが、この姿からも、昔このような姿が実際に各駅で見られていたのかなと思う所ではありました。 
 
 
 15時14分頃に車内に戻りまして、その2分後の15時16分に「SL人吉」の熊本駅への団体臨時列車は八代駅を発ちました。煙が充満する中ではありましたが、ホームには人吉温泉の女将さん方がお見送りをされておりました。女将さんも、正直人吉に元気な姿で戻ってきてほしいと思われた方もいらっしゃるのではないかと思われますが、残念ながらその思いが叶う事ができなかった事に関しましては残念でならなかったでしょうか・・・。
 
 
 さて、引き続き車内探検を運行中にも行っておりましたが、各車内にはショーケースがありまして、そのショーケース内にはSLの模型が展示されておりました。この九州では、かつてこの8620形蒸気機関車以外にも、「キューロク」こと9600形蒸気機関車や、「デゴイチ」ことD51形蒸気機関車などが運行されておりましたが、こうした車両の模型も見られております。
 
 (1号車・ミニSLミュージアム内)
 
 (2号車車内)
 
 
 3号車には、「SL文庫」と呼ばれますSLや鉄道に関しました書籍も置かれております。特に絵本は子供さんが喜ばれておりまして、乗車中に読むために、何冊か借りて行く姿も見られておりました。
 
 
 また、この「SL人吉」ではフリーWi-Fiも導入されております。やはり車内でインターネットを楽しまれる方のために導入されておりますが、この場合でもSL人吉の牽引機であります58654号、50系客車、そして熊本→八代間・鳥栖→熊本間で先頭を務めますDE10形ディーゼル機関車に関します事をこのWi-Fiを使いまして調べられている方もいらっしゃるのではないかとも思う所でしょうか。
 
 
 さらに、こちらの電照パネルは1号車の「ミニSLミュージアム」下にあります沿線観光図であります。ここでは本来の運行区間でもあります肥薩線を中心とした観光図が見られておりますが、これまでもご紹介しておりますように、ほとんどの区間が「熊本豪雨」で被害を受けているだけに、先述の女将さんの時にも述べましたように、肥薩線に元気な姿で帰って来る事ができない事が正直悔やまれる所ではないかと思ってならない所ではあります・・・。
 
 (八代~球泉洞間)
 
 (球泉洞~人吉間)
 
 
 こちらは、2号車でありますが、この2号車内にはビュッフェが置かれておりまして、この運行時にも営業が行われておりました。ここでは、ジュースやコーヒー・ビール・お菓子などの軽食物、キーホルダーなどのオリジナルグッズも販売されておりまして、この時には10名ほど並んでいる姿も見られておりました(そのため、今回は土産類は購入しませんでした)
 
 (メニュー)
 
 
 また、ビュッフェ向かいのカウンターにはスタンプ台がありまして、スタンプを押す姿も見られておりまして、私も以下画像のようにスタンプを押しておりました。まさにスタンプも乗車しないともらえないものですので、乗車の記念になってよかったのではないかと思っております。
 
 そのスタンプ台の上には、「SL人吉」の牽引機58654号に関しますイラストや、58654号の歩みも見られておりましたが、その1でもご紹介しましたように、所属先も転々としておりましたが(新製配置浦上→名古屋→若松→吉松→鹿児島→豊後森→鳥栖→西唐津→若松→人吉(いずれも当時の所属所で記載)、ここでは旧鳥栖機関区・旧人吉機関区に所属していた事は記されておりまして、双方にこれまでも縁があった事を周知させている事が伺わせておりました。
 
 (58654号に関しますイラスト)~蒸気機関車ならではな事が描かれています
 
 (58654号の歩み)~旧鳥栖機関区・旧人吉機関区に所属していた事は記されています
 
 (矢岳駅保存→「SLあそBOY」→「SL人吉」の変化)
 
 
 上の画像でもありましたが、前回は3号車のフリースペースをご紹介しましたが、こちらは1号車のフリースペースであります。この時熊本行き先頭が3号車となっておりまして、先頭に58654号が付くのとは対照的に、以下画像からもわかりますようにDE10形ディーゼル機関車の姿が見られている事がお分かりいただけるのではないかと思います。この1号車のシートモケットを見ましても、この「SL人吉」のデザインを担当されました水戸岡鋭治氏ならではのシート柄の姿が見てわかるのではないかとも思います。
 
 (シート柄からも水戸岡氏らしいところが見られます)
 
 こちらは、1号車の非常口であります。この下には「86」と書かれましたデザインの姿が見られております。このデザインも、やはり水戸岡鋭治氏デザインのようですが、8620型蒸気機関車が「ハチロク」と呼ばれていただけあるのではないかとも思います。
 
 また、別に「86」のプレートの展示がみられておりました。こちらはどこに掲げられていたかはわかりませんが、少々年季が入ったプレートにも感じさせられます。
 
 そして、DE10形ディーゼル機関車が見られる最後部です。現在はこの機関車が最後部になりましても補機的な役目を果たしておりますので、プッシュプル運転も見られておりますが、この姿からも堂々としている印象である事には間違いないのではないかと思います。尚、この日の熊本→八代間先頭、八代→熊本間最後部では1207号機が担当しておりました。
 
 (DE10 1207プレート・ヘッドライト部分)
 
 
 さて、車窓も時々拝見しておりましたが、画像のように沿線では撮影される方の姿が見られておりました。やはり、この熊本駅以南の運行自体が久しぶりでもありましたので、この日の運行日が平日であれどもより注目されていたのではないかとも思う所でもありましょうか。
 
 
 こちらは、熊本車両センター付近を通過した時の動画画像であります。この時は汽笛は出ておりませんでしたが、センター内で職員が手を振る姿がありましたリ、留置車両もかわせみ やませみ用のキハ47形気動車や、今春引退が予想されますマヤ34形検測車の姿も見られておりまして、代表的な車両基地としての姿も見られておりました。

 
 
 そして、16時08分に「SL人吉」の団体臨時列車は熊本駅に到着しました。この間は往路と同様、ゆっくりながらノンストップで運行されておりまして、そういう事から54分もの時間はかかっておりましたが、それでも勇姿はしっかりと拝見する事ができた事は正直よかったのではないかと思っております。
 
 熊本駅到着直後も、時々蒸気が出ておりまして、それほど火室内が熱かった事を伺わせております。やはり、熊本駅に到着しまして、まだ数分しか経っておりませんでしたので、そのような姿が出てもわからなくはないでしょうか。
 
 (写りこみ防止のため縦向きで撮影)
 
 「58654」プレート他
 
 こちらは58654号の動輪と連結棒であります。この大きな車輪、そして赤の連結棒によって動いていた訳ではありますが、この大きなものがあってこそ堂々としている印象さえも感じさせられる所ではありましょうか。
 
 
 そして、「SL人吉」の編成は熊本駅から熊本車両センター向けて回送されます。発車時はその下にありますように動画がありますのでご覧いただければとも思いますが、バックして戻る姿は仕事を終えて家に帰ると言う感じにも見えていいのではないでしょうか。
 
 (熊本車両センターへ戻ります)
 
 
 今回まで3回に分けまして、「SL人吉」の団体臨時列車の乗車の模様をご紹介しましたが、やはり何と言いましても、学生時代に乗車しました豊肥線の「あそBOY」以来約30年ぶりに乗車できた事が正直嬉しかったです。やはり、もう熊本~鳥栖間の定期列車に乗車できないのでは?と思っていた中でのこの「SL人吉」の団体臨時列車でありましたし、そして熊本駅以南のかつての運行区間の一部で利用できた事は私にとりましていい思い出です。今後は、私自身も後日ご紹介しますように以下画像のように先日収める事ができておりましたが、とにかく、皆様にも最期まで元気な姿を見せて有終の美を飾っていただければとも思っております。