特急の枚方市停車に伴う混雑緩和と輸送力増強のため、1997年に8両×5編成が登場しました。朝ラッシュ時の特急運用とデータイムには他の一般車と同様に運用出来るように片側3扉としながら、座席配置はセミクロスシートとして製造されています。
車体やデザインは1995年に登場した7200系をベースとしつつ、座席配置をセミクロスシートとしたことから車端寄りの側扉が100㎜ずれており、側窓寸法も変更しています。登場時のカラーリングは一般車と同じ緑色で腰部に水色ラインが入りました。
機器類も7200系と同じGTOサイリスタ式のVVVFインバータ制御装置(ATR-H4200-RG622B形)と主電動機200KWの出力を誇るTDK-6151-A形を搭載しています。
2002年には特急の混雑が激しかったため、9005編成の付随車4両にたいしてロングシート化改造が行われています。
2008年には中之島線開業に伴い、快速急行用車両として転換クロスシートを備えた2代目3000系が製造されることとなり、9000系は一般車(シティー・コミューター」扱いとなり、全車がバケットタイプのロングシートの客室に改造されました。併せて新塗装化も実施され、2010年に完了しています。
2015年からは9001・9002編成から7両化が行われ、付随車の9600形を抜き取ると同時に中間電動車の9100形が電装解除となり付随車の9700形に改番されています。余剰となった9600形は10000系に編入されています。2016年度にも9003・9004編成が同内容で改造され、現在では7両×4編成、8両×1編成で京阪線で活躍しています。
9000系の中で唯一8両編成で残る9005編成です。6000系8両運用と共通で使用されています。
7両化が施工された9003編成です。
京都向き先頭車の9000形制御電動車です。VVVFインバータ装置、パンタグラフを搭載しています。
京都寄りから2両目に連結される9500形付随車です。床下にはSIVを搭載します。
元中間電動車の9100形を電装解除して登場した付随車の9700形です。VVVFインバータ制御装置とパンタグラフを降ろしています。床下にはCPを搭載します。大阪寄りは編成分割位置となっているため、構内入換に必要な機器が備わります。
京都寄りから4両目に連結される中間電動車の9150形です。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載します。京都寄りが編成分割位置のため、妻面に構内入換用の標識灯が備わります。
京都寄りから5両目に連結される付随車の9550形です。床下にはSIVを搭載します。
京都寄りから6両目に連結される付随車の9650形です。床下にはCPを搭載しています。
大阪向き制御電動車の9050形です。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載します。
9005編成の京都寄りから3両目に連結される付随車の9600形です。床下にはCPを搭載します。
9005編成の京都寄りから4両目に連結される中間電動車の9100形です。VVVFインバータ装置、パンタグラフ、CPを搭載します。大阪寄りは編成分割位置のため、妻部に構内入換時の標識灯が装備されています。
ここからは車内のご案内です。まずは新製時の客室で、朝ラッシュ時の特急運用とデータイムの一般運用を兼ねれるように、3扉セミクロスシートの客室で登場しました。
朝ラッシュ時の特急運用の混雑が激しくなり、9005編成の中間車4両はロングシート改造を受けました。座席モケットは当時の新車10000系と同じものになっています。
中之島線開業に伴い、一般車として全車に対してロングシート改造が行われました。
扉間は8人掛けのバケットシートで、1人あたり470㎜の座面を確保しています。座席モケットは13000系から採用されている柄に変更されています。
6000系以降に採用されているスタンションポール併用の袖仕切りです。
乗務員室仕切り部です。仕切り形状は7200系と同じ形状で、前面展望を考慮しています。
バリアフリースペースと3人掛け座席の組み合わせです。セミクロスシート時代からバリアフリースペースは有していましたが、この改造でスペースが拡大されています。
京都寄りから2両目に連結される9500形京都寄りの車端部は一般区画となっています。写真は9505号車のため、貫通扉に女性専用車の標記があります。
ここからは収録が変わり7両編成のご紹介です。京都寄りから3両目に連結される9700形の京都寄り車端部です。9005編成の9105号車も同仕様となっています。
9700形の大阪寄り車端部は優先座席区画です。編成分割位置のため、貫通戸ガラスが小さくなっており、構内入換用の可搬式運転台が装備出来るようになっています。
京都寄りから4両目に連結される9150形の京都寄り車端部です。9100形・9700形の大阪寄り車端部同様に編成分割が出来る設備を有します。
京都寄りから5両目に連結される9550形京都寄りの車端部です。
京都寄りから6両目に連結される9650形の京都寄り車端部です。
9050形の乗務員室仕切り部は優先座席区画です。
優先座席は3人掛けです。
バリアフリースペースと1人掛け優先座席の組み合わせです。
客室天井です。基本的な構成は6000系以降の車両と同じです。セミクロスシート時代は車椅子スペース部分の吊手は跳ね上げ式でしたが、ロングシート改造時に短い吊手に交換されています。
蛍光灯はカバー付きで、近年では灯具がLEDに交換されています。
荷棚はパイプ構成です。
側窓は下降式となっています。
登場時はパワーウィンドウが装備されていました。
ロングシート改造時にパワーウィンドウ機構は撤去されています。
側扉周辺です。側扉は1300㎜の両開きとなっており、1人当たりの座席面積拡大と着席定員確保を優先したため、扉周辺の立ち席スペースはありません。
登場時の鴨居はマップ式で、停車駅はLEDで点灯していました。
中之島線開業に備えスクロール式に交換されました。
京都方面を向いて右側の鴨居は路線図のみとなっています。
貫通引戸は7200系に続き、ガラスサイズが拡大されています。
編成分割位置のみ貫通引戸のガラスサイズが小さくなっています。
貫通引戸横には非常通話装置が設置されています。
7両化に伴い電装解除を受けた7900形は京都寄りにパンタグラフや屋根上機器の取付台が残ります。
電動車に装備される軸梁式のKW-77C形台車です。
付随車に装備されるSUミンデン式のFS-517C形台車です。