東武鉄道は昨年12月15日、2024年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。今回はこれについて分析します。

https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20240117110129Ra13Bfb0EcCciK2EblexBg.pdf

※記事中の図は、東武鉄道プレスリリースから引用しています。

 

1.特急「スペーシアX」追加投入

 新型車両「スペーシアX」が新たに2編成投入され、毎日6往復が「スペーシアX」での運行となります。鬼怒川温泉発着の「スペーシアX」は1往復増発となり、2往復運転されます。

 

2.特急列車増発・増車

 春日部6:55発「スカイツリー8号」浅草行きが増発されます。この「スカイツリー8号」は、2023年のダイヤ改正でしれっと減便されていましたが、今回再度設定されることとなり、増発というよりは復活という言い方が正しいでしょう。

 また、浅草8:30発特急「リバティきぬ109号」及び鬼怒川温泉11:10発特急「リバティきぬ124号」は、土休日運転から毎日運転に変更され、平日は1往復増発となります。

 さらに、浅草~東武日光・鬼怒川温泉間を結ぶ特急各1往復は、3両から6両に増車となります。

3.竹ノ塚駅改良工事に伴う変更

 竹ノ塚駅の大規模改良工事に伴い、竹ノ塚発着の普通列車の一部が草加まで延長運転されます。

 平日朝時間帯に草加行きに延長される3本は、草加到着後に北越谷もしくは竹ノ塚へ回送されるものと思われます。(土休日夕方の1本も同様)

 夕方時間帯は草加始発の上り列車も設定されます。折り返し線が1本あるので、これを活用して折り返すものとみられます。

 

4.アーバンパークライナー全廃

 特急「アーバンパークライナー」は全廃となります。代替列車として、平日のみ浅草18:49発特急「スカイツリーライナー」1号春日部行きが設定されます。このスカイツリーライナーは、現行のアーバンパークライナーとほぼ同じダイヤで浅草~春日部間を走行します。

 また、東武野田線(東武アーバンパークライン)の大宮発野田市行き普通列車が平日2本、土休日1本増発されます。平日に関しては、アーバンパークライナーが全廃となる関係で3~4本減っているため、実質的には減便となります。

 特急「アーバンパークライナー」は、 年に登場した比較的新しい特急ですが、 年で全廃ということになりました。1本を除いて都心直結でない列車なだけに、利用者が少なかったのかと考えていましたが、どうやら乗車率とは別の要因で全廃することにしたようです。

 

https://trafficnews.jp/post/129999

 

 上記「乗りものニュース」の記事によると、アーバンパークライナー全廃の理由は、「春日部駅の高架化工事の進捗のため」としています。工事期間中は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)~東武野田線間の転線ができなくなるため、ということのようです。

 「アーバンパークライナー」2~7号は、東武野田線内で完結する列車となっているので、一見運行を継続することができるようにも思えますが、使用車両の500系リバティは伊勢崎線側の車両基地に配属されているため、どこかのタイミングで伊勢崎線側と行き来しなければならないということから、やむなく全廃することとしたようです。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。前回東上線を中心に大きな変更を行ったこともあり、今回は小規模な改正となりました。特急列車の増発(復便)や増車がメインであり、利用が回復基調にあることをうかがわせます。また、駅の大規模工事に伴うダイヤ変更も目立ちました。より安心安全な鉄道づくりのための変更といえそうです。

 明るい材料はありながら、私が気になったのは午前中の運行ダイヤです。現在の東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の春日部発9時、10時台の東京方面行き上り列車は、平日2本、土休日1本を除き、急行列車を準急列車に格下げし、それにより普通列車の運行区間も短縮して減便を図るという変更を、コロナ禍に実施しました。

 旅客需要が回復基調にある今、急行と普通の2本立てによる運行が復活するのか?というところが気になっていましたが、変更はないようです。以前より中長距離利用者が減り、近距離利用者の利用が増えているのかもしれません。

 スペーシアXの投入も進むなど、変わりゆく東武線の今後に注目です。