普通列車グリーン車について
首都圏を走るJR東日本の普通列車は様々な線区を跨いで長時間運行することから昔からグリーン車が連結されてきました。
その歴史は古く1950年代に登場した2等車まで遡ることになりますが、2階建て車両が登場したのはJRへの民営化後の1989年となります。
また現在のSuicaを使ったシステムが導入されたのは2004年となります。
当初は東海道線と横須賀・総武快速線で連結されていましたが、湘南新宿ラインや上野東京ライン、宇都宮線・高崎線、常磐線と幅広くサービスが展開されており、中央線でもサービスが提供される予定です。
2階建て車両は4・5号車に連結されており、階段やエスカレーターに近い駅が多いのはありがたいです。
(順次、細かい情報更新を行い、手直しをして再アップ)
車内
今回は最もポピュラーなE231・E233系を主に取り扱っています。
座席は2+2配置、シートピッチは970mmとなっています。
2階席はブルー系、1階席はピンク系のリクライニングシートとなり、特急普通車並の車内設備です。
主な装備としては背面テーブルやドリンクホルダー、網ポケットに小物掛けがあり、座席の中心に支柱があるため、足が伸ばせます。
また、1階席限定の装備として読書灯が設置されています。
なお、コンセントはありません。
E257系普通席の座席がベースとなっているため、リクライニングのボタン周辺に座面スライドの分のスペースがありますが、そういった機能はなく、流用した名残です
2階席の目線は高い位置にあり、観光や景色を楽しみたい人にとってはうってつけで、まずは2階から席が埋まっていきます。
1階席はホームの床と同じ高さにあり、男性の方は特に目線に注意しましょう(苦笑)
特急普通車と同等のサービスが展開されていますが、注意点があります。
それは頭上に荷物棚がなく、大きな荷物は座席の下か前に置かなければいけないところです。
通勤での着席サービス向上を1番の目的で2階建て車両は導入されたため、大きな荷物を持ち歩く人は多くないだろうという想定で作られているのがその理由です。
またデッキとの仕切り扉がありません。
ドアの開閉音や発車チャイムが車両中心部に座っていても割りとはっきり聞こえますし、ドア付近は風も吹き込んでくるのでどこに座るかを考える場合には参考にしてください。
台車の関係上、平屋席が存在します。
平屋席は2列か3列になっていて、車両の両端部にあることから台車からの騒音が聞こえてくる空間ではありますが、ミニマムな車内空間から隠れた人気スポットとなっています。
この空間には頭上に荷物棚があり、階段を上り下りする必要が無いので、キャリーケースや大きな荷物がある人がここを使うのが良いと思います。
自由席という扱いのため、青春18きっぷ使用時でもグリーン料金を支払うことで乗車することが可能です。
ただし、着席保証は無いので、どこから乗るのかはよく考えたほうが良いでしょう。
E217系グリーン車は少し世代が古いせいか構造が異なります。
足元部分は片足式の台座になっているため、窓側だと足を伸ばせるスペースがありません。
E235系のグリーン車についてはこちらに。
Suicaを使ったグリーン車の乗り方について
通常、特急自由席では車掌による検札が実施されますが、普通列車グリーン車はあらかじめSuicaを利用してグリーン券を購入することで車内検札を省略することが出来ます。
購入方法は主に2つあり、
・ホームに設置されている券売機で購入
・スマホのモバイルSuicaアプリから購入
その後、情報を読み込ませたSuicaを座席上にあるリーダーにタッチすれば完了です。
なお、紙の切符の場合は車内検札を受けることとなります。
空席の座席は赤、Suicaをリーダーに読み取らせると緑のランプへ切り替わります。
(緑が空席に見えるかもしれませんのでお気をつけください)
ちょっとした小技
ケース1
グリーン券は乗車駅から下車駅まで有効なので、複数回乗り換える場合でも有効です。
例えば、小田原から乗車して千葉へ向かう場合、直通の列車が無いので東海道線と横須賀・総武快速線の2つに跨ってグリーン車を利用できるので長距離利用者にはありがたいシステムです。
なお、乗り換える前にはもう一度タッチして緑から赤ランプへ切り替えないと次の列車でランプが切り替わらないので忘れずに…。
ケース2
2階席に座りたかったのに1階席にしか空きが無かった場合に以下のような手段も取れます。
まずは1階席へ座って、読み取りリーダーへタッチ(赤→緑ランプ)
↓
何駅か過ぎて2階席を見てみたら空席が出来ていた
↓
2階席に同じSuicaを読み取りリーダーへタッチ(2階席ランプ赤→緑)
↓
1階席ランプは自動的に緑→赤ランプに変化
アテンダントへわざわざ申し出なくても気軽に座席を移動できます。