まもなく北陸新幹線敦賀延伸
2024年3月16日、北陸新幹線金沢~敦賀間が開業します。
それに伴い北陸本線敦賀~大聖寺間がハピラインふくいに、大聖寺~金沢間がIRいしかわ鉄道にそれぞれ移管され、サンダーバード・しらさぎなどの特急列車はこの区間を走らなくなります。
「特急街道」と言われた北陸本線が消える前に。
最後にその光景をもう一度見ておきたいと思い、旅の計画を立てました。
今回の旅行では新幹線開業前の最後の北陸特急に乗車し、さらに高岡を起点に万葉線や氷見線の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)」に乗車するなど観光列車の旅を楽しみ、さらに氷見の寒ぶりや金沢の香箱ガニなど北陸の冬の味覚を味わいたいと思います!
美しい北陸の旅へ、いざ出発!
車内販売の裏メニュー?
2023年12月24日。
クリスマスイブのこの日、博多駅から出発です!

新幹線改札内にはクリスマスツリーが飾ってありました。

乗車するのはいつもののぞみ2号。

6:00、まだ真っ暗な博多の街並みを見ながら発車していきます。

東海道新幹線では無くなった車販ですが、この旅行のときはまだ山陽新幹線では残っていたので何か頼んでみることに…!
お弁当やサンドイッチは無いということなので、他になにかないか聞いてみると…
スープがある、とのこと。
スープ…?山陽新幹線車内販売メニュー表には載ってなかったけど…
気になって頼んでみることに。

すると登場したのがこちら…!
なんと、伊万里名物ドライブイン鳥のフリーズドライの鳥スープ!
ドライブイン鳥といえば、ゾンビランドサガでも出てきた有名なお店。
そのお店のスープをここで味わえるなんて…!

販売員の方がくれた熱湯に溶かすと…

できました…!

鶏の旨味が身体に染み渡ります。
裏メニューということでしょうか、とっても美味しい車販でした…!

広島に近づいていくとだんだん夜明けが近づいてきました。

岡山に着く頃には完全に夜が明けていて…

新しい観光列車の「SAKU美SAKU楽」が停まっている姿も見えました。

列車は兵庫県に入り、姫路城を建物の間に見ながら東へと走ります。

新神戸に停車。

伊丹空港に降り立つ飛行機が見えてくると、まもなく新大阪。

今回はここで下車します。
最小停車駅のサンダーバード
在来線ホームへ移動します。
次に乗るのは特急サンダーバード9号です。
関西と北陸を結ぶ特急サンダーバードは、停車パターンが多岐に渡りますが、基本停車駅、つまり全列車が停車する途中駅は新大阪・京都・福井の3駅です。
この3駅しか停車しないサンダーバードは1日に6本(9・10・30・37・40・43号)。
今回はこの最小停車駅の速達サンダーバードにたまたま時間が合ったので乗車してみます。
発車標に示された停車駅は京都・福井。
あまりにもシンプルすぎる停車駅です(笑)
やがて、大阪より683系9両+3両、堂々の12両編成の特急サンダーバード9号が入線してきました!
長編成の特急列車、やっぱりかっこいいですね~
停車時間は1分しかないのでさっそく乗り込みます。
2列+2列シートの車内。予約した座席に座ります。
発車すると複々線区間の外側線を飛ばしていきます。
京都府内に入り、車窓右手には吹田総合車両所京都支所が見えました。
やがて、桂川を渡り、左側に京都鉄道博物館が見えてくるとまもなく京都。
日本一長いホームとして知られる0番ホームに停車しました。
湖西線を通って
京都を発車した列車はお隣の山科を通過すると湖西線に入ります。
湖西線はその名の通り、琵琶湖の西側を通る路線。
車窓右手に日本一の湖、琵琶湖の姿が現れました。
湖の対岸には白く雪をかぶった山が見えます。
伊吹山です。
ヤマトタケルノミコトが神と戦って敗れた伝説で知られており、また1927年2月14日に世界最深積雪量である1182cmを観測したという記録を持つ山でもあります。
そんな滋賀県を代表する山を眺めつつ、列車は北上していきます。
琵琶湖が見えなくなったころ、車窓には雪が積もりだしました。
北陸本線と合流する近江塩津に差し掛かった頃には線路まで真っ白。
完全に銀色の世界になってしまいました。
貴重!敦賀駅を通過する列車
滋賀~福井県境を越えた列車は敦賀駅に近づきました。
おや?
少し離れた場所に停まっているのは…W7系新幹線!
ここは白山総合車両所敦賀支所。
旅行前の2023年12月11日には施設管理権がJR西日本に引き渡されており、旅行時にはW7系による試運転が繰り返されているところでした。
ついに関西のすぐ近くまでJR東日本タイプの新幹線がやってくる時代になったんですね…
ちょうど車掌さんの放送が入り、北陸新幹線敦賀延伸の案内がされていました。
白山総合車両所敦賀支所への回送線が高度を上げていくのが見えると、まもなく敦賀です。
普通列車は全てこの駅で折り返し、ほとんどの特急は停車する駅ですが、最小停車駅のサンダーバード9号は通過。
北陸新幹線開業後は特急も敦賀止まりとなり、また敦賀以東が第三セクターに経営分離されるため、旅客列車が敦賀を通過することはほぼあり得なくなると思われます。
もうすぐ見られなくなる敦賀通過。
今後貴重になるその光景をしっかりと目に焼き付けました。
在来線ホームを通過すると、横にある新幹線ホームの建物が近づいてきました。
要塞と表現できるほど巨大な駅舎。
普通の新幹線駅よりもホームが高い位置にあり、在来線特急とは対面乗り換えではなく、エレベーター等を介した上下乗り換えになる予定です。
敦賀駅の近くの地形の関係で高架線をどうしても高くせざるを得なかった…という話がいつかのブラタモリでされていましたね。
特急街道をゆく
敦賀を過ぎると、3月のダイヤ改正でJR西日本から第三セクター「ハピラインふくい」に経営分離される区間。
サンダーバードがここを走るのもあと少しです。
すぐに列車は北陸トンネルに入ります。
全長13870m、在来線では青函トンネルについで日本で2番目の長さです。
以前、トワイライトエクスプレスに乗ったとき、日本で2番目に長いトンネルと日本一のトンネルの2つを通っていく…なんて車内放送で聞いた記憶がありますね。
携帯電話の電波が繋がらないという放送が入る前に流れるのも北陸トンネル通過のお約束。
トンネル内で米原方面の特急しらさぎとすれ違いました。
トンネルを抜け、列車は嶺北エリアへ。
ついに北陸にやってきました!
新北陸トンネルを抜けてきた北陸新幹線と交差します。
列車は武生を通過。
新幹線の越前たけふ駅はここから3km離れた場所に設置される予定です。
続いてお隣の鯖江を通過。
この駅は特急停車駅ですが、新幹線の駅は設置されず、鯖江市内自体にも駅が設けられることはありません。
新幹線ができることで大きな影響を受ける駅のひとつと言えますね…
鯖江を過ぎ、北鯖江の近くで山に大きく「SABAE」の文字とメガネが描かれた看板を発見。
鯖江はメガネの街。メガネフレームの国内シェア96%を誇るそうです。
看板を過ぎたところで山裾を覆う霧が近づいてきて…
車窓に覆いかぶさってきました。
景色が…みえない…
幸いなことに霧はすぐに晴れ、北陸新幹線の高架が再び近づいてきました。
新幹線とともに九頭竜川を渡ると、まもなく福井です。
福井に停車。
えちぜん鉄道の高架に圧迫されたため、新幹線ホームはなんと1面2線。
県庁所在地では一番小さな新幹線駅となるようです。
福井を出ると、再び雪の積もった平野の中を走っていきます。
お米の倉庫がありました。
「いちほまれ」。日本一美味しいお米だそうです。
新幹線の高架が近づいてくると、芦原温泉を通過。
続いて、大聖寺を通過。
今はほとんどの特急が通過する駅ですが、第三セクター移管後は「ハピラインふくい」と「IRいしかわ鉄道」との境界駅となる予定です。
加賀温泉を通過。
この駅も新幹線駅併設です。
列車は小松市内へ。
高架区間に入ります。
小松駅を通過。
高架の立派な駅ですが、容赦なく通過します。
しばらくすると、右側に車両基地が見えてきました。
白山総合車両所、北陸新幹線のJR西日本側の拠点基地です。
白山総合車両所を過ぎた辺りで小さな駅を通過。
ここは西松任。
まだ開業しておらず、北陸新幹線敦賀開業、つまりIRいしかわ鉄道移管と同日に開業予定です。
JR西日本の駅としては1日も営業することのないこの駅は、すでにIRいしかわ鉄道の駅名標を掲げ、開業するときを待っていました。
金沢市内に入り、再び高架線へ。
北陸新幹線の線路と並走しながら、列車は金沢に入線していきました。
2時間30分の旅。
最小停車駅のサンダーバードが開業予定の新幹線駅を次々と通過する体験はとても爽快感がありましたね〜
まもなく新幹線に役目を引き継ぐサンダーバード。その俊足ぶりはこれからも語り継がれることでしょう。
続きます。
★乗車データ
4009M 特急サンダーバード9号 金沢行き 新大阪(8:44)④→金沢(11:14)⑦ 683系B42編成+V31編成
※2023年12月24日乗車
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