令和5年11月21日(東京駅にて)


 この写真を撮った時には北陸新幹線金沢〜敦賀延伸開業まで「あと116日」でした。

 瞬く間に時間は過ぎてあとひと月ちょっとでその日を迎えます。


 過去には東京と福井を直結する列車は存在していました。

 古くは敦賀〜ウラジオストクに開設された航路を介してシベリア鉄道へ乗り継いでヨーロッパへ達する欧亜国際連絡列車が明治45年(1912年)に東京(新橋)〜敦賀(金ヶ崎)間に設定されたことに遡ります。

 その後は信越本線や北陸本線の開通により東京と北陸を結ぶ列車は多くが上野駅から信越本線や上越線をゆく経路に変わり、東海道本線•米原経由の列車は少なくなりましたが、昭和50年(1975年)3月の山陽新幹線博多開業を中心としたダイヤ改正までの間は東京駅から米原経由で金沢を結ぶ夜行急行列車「能登」が運転されていました。

 他には上野駅から信越本線(長野)経由で福井駅までを結ぶ夜行急行列車「越前」が運転されていました。

 この時のダイヤ改正で上越線(長岡)経由で上野駅と金沢駅を結んでいた夜行急行列車「北陸」2往復のうち1往復が特急列車に格上げされて寝台特急列車「北陸」となり、残る1往復が能登を名乗るようになって米原経由で東京と北陸を結ぶ列車は消滅しました。


 その後、上越新幹線開業など東京と北陸を結ぶ列車にも変換の風が吹くようになり、「越前」が上野〜金沢間に短縮され「能登」を名乗るようになり廃止され、「能登」上野駅から信越本線長野経由で金沢駅までを結ぶ列車となります。

 一旦は東京と福井を結ぶ列車は姿を消したわけですが、「能登」は一時的に福井まで運転区間が延長されていた時期もありました。

 北陸新幹線が長野まで暫定開業すると「能登」は再び上越線経由となりますが、夜行列車削減の波を受けて廃止されました。


 来月の北陸新幹線敦賀開業により東京と石川県加賀地域や福井県への移動は便利になります。

 京阪神や中京方面からでは敦賀駅で在来線特急列車からの乗り換えを要するために時短効果は少ないですが、北陸新幹線には今回の能登地方を中心とした大地震で大きな災害に見舞われた北陸地方に元気を与える存在となってほしいものです。