東成田駅【千葉県】(京成東成田線、芝山鉄道線。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
千葉県成田市南東部、成田国際空港の敷地内、第2ターミナル西側のエリア地下に位置する京成東成田線と芝山鉄道芝山鉄道線の境界駅で、かつては「成田空港駅」として空港輸送を担っていたものの、現在は他の駅にその任を譲り、その後の寂れっぷりが半端ない、
東成田駅 (ひがしなりたえき。Higashi-Narita Station) です。
 
 
駅名  
東成田駅 (京成の管理駅。KS 44)  
 
所在地  
千葉県成田市   
 
乗車可能路線  
京成電鉄:東成田線  
芝山鉄道:芝山鉄道線    
 
隣の駅  
京成東成田線  
京成成田方………京成成田駅  
  
芝山鉄道線  
芝山千代田方……芝山千代田駅   
  
 
訪問・撮影時  
2020年9月  
 
 
駅概要 (2020年9月時点)   
駅形態……………地下駅(1978年に成田空港駅として開業、1991年に現駅名へと改称)。
駅舎………………地下1階。ホームは地下2階。
出入口……………東口(正面口)、北口(第5ゲート)、第2ターミナル連絡口。
バリアフリー……×(エレベーター未設置。車いすでご利用の場合は事前に京成へご連絡を)。
点字ブロック……東口出入口・北口地下~改札~ホームに設置。
駅前広場…………△(東口前に停車スペース設置。

          バス停は北口の約150m南東、空港東通り上)。
  
尚、当記事では便宜上、東側にあるメインの出入口を「東口」、北側にある旧第5ゲートの出入口を「北口」として、説明させていただきます。ご了承下さい。
 
 

メインの出入口である東口です。北を望む。
出入口とその周りには屋根があります。かつての成田空港駅時代は右側の道路にターミナルビル(現・第1ターミナル)とを結ぶシャトルバスが頻繁に着発していたと思われます。
東口は開口部が広く、地下1階コンコースとの間は広い階段と上りエスカレーターが設置されています。下りエスカレーターは使用停止となっています。
エレベーターは開業時より未設置で、東成田駅はバリアフリー非対応です。
また、出入口の前方には検問所(セキュリティエリア)の跡があります。以前は検問が行われていましたが、おそらく2015年頃に廃止されたと思われます。当時は出場時に検問所を通る必要がありました。建屋は今も残っていて、扉には「成田空港直轄警備犬」と書かれていました。
 
 

東口の東側には交通広場と言えるスペースがあり、分離帯を境に左(出入口側)にバス停留所とタクシー乗り場がありましたが、現在、ここに発着するバスは無く、また駅利用客が少ないことからタクシーの需要もなくなり、許可車両の駐車場と化しています。分離帯の右は一般車乗降場ですが、こちらも需要がほとんど無いでしょうね…。
交通広場の右側には空港東通りが南北方向に延びており、成田国際空港敷地内をパスして成田市街と芝山町方面を結ぶ高架のバイパス道路が並行しています。
高架道路の東側、空港東通り北行車線にバス停留所が設けられていますが、東成田駅からですと北口からしか行けません。逆に東口から徒歩で行けるのは、高架道路に登って空港用地北側または芝山町方面のみです。
また、空港東通りの東側には立体と平面の駐車場があり、さらに東には第2ターミナルがあります。
 
 

東口駅前です。南を望む。右手に東口があります。
右前方にも地下への出入口がありますが、閉鎖されています。東成田駅改札内コンコースに通じていますが、その経路上に改札口は見当たりませんでした。非常用の通路なのか、臨時出入口だったのか……。
駅南側は駐車場になっています。また、空港用地内の各道路が複雑に入り組んでいます。
尚、第1ターミナルは南側にありますが、やはり徒歩ですと後述の北口からしか行けません。
 
 

(Googleストリートビューの画像を使用)
こちらは北口出入口です。南を望む。
駅北側、空港東通りと空港西通りを結ぶ東西方向の幹線道路南側に設けられていますが、出入口前には「第5ゲート」(検問所跡)があります。現在は無人で、そのまま通過可能です。
尚、駅周辺各施設へ行くにはこの北口を利用する必要があります。
左が第2ターミナル・第3ターミナルおよび空港第2ビル駅方面、右が第1ターミナルおよび成田空港駅方面ですが、第2・第3ターミナルへは後述の地下道の方が便利です。
 
 

(Googleストリートビューの画像を使用)
北口駅前です。西を望む。左に第5ゲート跡と北口があります。
正面には新空港自動車道の高架橋があり、それをくぐって西側に出ると、空港西通り沿いに各公共施設や物流施設など、空港関係の施設が建ち並んでいます。商店は見られませんが、ホテルが1軒あります。この一角に成田空港警察署もあります。
それらの各施設の先には第1ターミナル・北ウイングがあり、そのさらに先には滑走路があります。
第1ターミナル出入口へは東関道をくぐった先の交差点を渡ってから左折し、空港西通りを南下すればたどり着けます。約800mの道のりです。
 
 

こちらは第5ゲート跡を通り抜けた先にある北口出入口です。南を望む。
出入口の手前に第5ゲートがあります。
北口は階段しかありません。
地下に入って少し進むとコンコースに到達します。
 
 

北口出入口より第5ゲートを望む。北を向いて撮影。
以前は北口から出る際、この第5ゲートで検問を受けていました。
検問廃止後も設備は残されています。
現在は検問なしで駅外へ出ることは可能ですが、貨物エリアに入構する際は成田国際空港IDカードが必要となり、不所持の場合は貨物ゲートにおいて臨時入構手続きが必要となりますのでご注意下さい。
 
 

地下1階コンコースです。北口側より南東を望む。
成田空港駅時代を彷彿とさせる広さですが、それでも一部は仮柵により閉鎖されています(右奥方向)。
支柱を取り囲むようにベンチがあり、仮柵沿いには飲料自動販売機があります。
右側の壁には陶板壁画「曲水の宴」があります。
左前方に東口の階段があり、奥に進んで右が改札口、左が第2ターミナル方面への地下通路です。
 
 

こちらが「曲水の宴」です。西を望む。 
日本へ来た外国人に披露する目的で設置されたと思われる「和」の作品です。
本来の役目を終えた今もちゃんと残されています。
 
 

こちらは地下1階、空港第2ビル駅・第2ターミナル(第3ターミナル)への地下連絡通路(連絡口)の出入口です。東を望む。
クランク状の通路で、直進して左折し、しばらく進んで右折すると京成線・空港第2ビル駅出口改札前にたどり着けます。
そこから空港第2ビル駅改札外コンコースを通ると第2ターミナルのビルへと行けます。
但し、この通路は全長500mほどで、結構長いです。
右が改札口、左後方がコンコース及び東口・北口です。
 
 

地下1階にある改札口です。南を望む。
左が第2・第3ターミナルおよび空港第2ビル駅への連絡口、右後方がコンコース及び東口・北口方面です。
 
駅員配置…………あり(有人駅)。
自動改札機………あり(3通路)。  
ICカード…………京成線内は『PASMO』のエリア内ですが、

                        芝山鉄道線は利用不可! ご注意下さい。
有人通路…………あり(右端。点字ブロック設置。車いす通行不能)。
幅広通路…………なし(左端の柵が開閉式で、車いすは駅員に申告の上、

                              そこを通る形になります)。
窓口………………あり(改札窓口のみ。出札窓口は閉鎖されています)。
自動券売機………あり(改札口の右手前)。
自動精算機………なし(乗越時やIC残額不足の場合は改札窓口に申し出て下さい)。
トイレ……………改札内(多機能トイレなし)。改札外にはありません。
売店………………なし。  
コンビニ…………なし(最寄店舗は約500m東の

                               空港第2ビル駅構内にある「ファミリーマート」)。
 
地下2階にあるホームとは階段・上りエスカレーターで結ばれています。開業時よりエレベーターはありません。
また、改札内コンコースも右半分(西半分)は不要普及の設備として閉鎖されています。
 
 

基本的にイベント時などを除き、コンコースやホームの閉鎖部分へは立入できませんが、柵が低いので柵の上から改札内コンコース(特急・スカイライナーが発着していたホームの上層)の閉鎖部分を撮影できました。
照明がなく暗かったので上手く撮影できませんでしたが、基本的に設備は解体されず、放置状態です。
 
 

喫茶店の跡も残っていました。
 
 

また、改札内コンコース東側からは地上への階段が出ていますが、立入禁止となっています。
おそらく前述の、東口南側にある出入口に通じていると思われます。
改札口の設備は見当たらず、非常用だったのか団体用だったのか、不明です。
写真は東を望む。左が改札口です。
 
 

2番線側壁に設置されている駅名標です。電照式で、バックライトはLEDかと思われます。
東成田駅は京成電鉄の管理駅なので、京成デザインです。
駅ナンバリングは「KS 44」で、京成の駅番号が芝山鉄道でも適用されています。
ちなみに芝山鉄道線のトップナンバー「SR 01」は、芝山鉄道が管理する唯一の駅である芝山千代田駅に適用されています。
 
 

使用停止となった西側の旧1番線・旧2番線には当時の駅名標が残されています。
駅名は当時の「成田空港」のままです。要は放置状態です。
 
 

 

駅構造……地下駅(地下2階)。北北西~南南東方向。
配線………島式ホーム2面4線ですが、定期旅客列車が使用するのは東側の1面2線のみ。
 
左(西)が1番線で京成東成田線上り京成成田・京成上野方面、右(東)が2番線で芝山鉄道線下り芝山千代田方面です。
1番線の左にはかつての特急・スカイライナー用ホームがあり、使用停止状態で残されていますが、現在は定期旅客列車の発着がなく、留置線として使用されています。このホームにはイベント列車が入線する事があり、その際にホームへ降りることが可能な場合もあるようです。
そして、2面4線時代は左から1番線~4番線の順で、今の1番線が当時の3番線、今の2番線が当時の4番線でした。旧1・2番線に特急とスカイライナーが発着し、旧3・4番線に普通列車が発着していました。
  
ホーム有効長……8両分(現在も本線直通8両編成列車の運転があります)。
ホームドア………なし(2020年9月時点)。
ホーム幅…………成田空港駅として開業した経緯から、全体的にやや広いです。
ホーム上設備……ベンチ。飲料自動販売機、冷水器、係員詰所。
 
終端方の端近くには詰所が設置されていますが、現状は倉庫として使用されていると思われます。
  
上写真は2番線より、下写真は1番線より、2枚とも京成東成田線・京成成田方を望む。
 
 

 

上写真は2番線より、下写真は1番線より、2枚とも芝山鉄道線・芝山千代田方を望む。
左が2番線、右が1番線で、1番線の右には旧特急ホームがあります。
また、私の訪問時は上からの漏水が見られましたが(上写真のカラーコーンの部分)、利用客が少なく、端の方ですし、安全性に問題が無ければ補修が遅れるでしょうね…。
 
 

ホーム中ほどにはコンコース階とを結ぶエスカレーターがありますが、現在は1基を上り専用として使用しています。
成田空港駅時代は左の1基も運用して上下方向で利用できたと思われますが、利用客減により左側を使用停止にして蓋を被せています。
左のエスカレーターが撤去されたかどうかは不明です。
 
 

1番線より京成東成田線・京成成田方を望む。
すぐ先で右の2番線が合流した後、左の特急用ホームからの線路(2本→1本)との両渡り線を経由して、その先は複線になります。2面4線時代は完全な複線でしたが、実質1面2線となった今は、1・2番線の合流地点から両渡り線までのわずかな区間が事実上の単線区間になってしまっており、京成成田方面列車の発車と芝山千代田方面列車の同時発着が不可能です。
 
この先、空港用地内の地下を北北西へ走り、やがて左へカーブして進路を西北西に変えると空港用地を出て、同時に地上区間になります。その直後に右から寄り添ってきた成田空港駅・空港第2ビル駅からの本線と平面交差で合流しますが、現・東成田線が先に建設された歴史的経緯から東成田線が直線で、本線右へカーブしてが東成田線に合流する形になっています。この地点が駒井野信号場です。駒井野信号場から先は本線との重複区間になり、短いトンネルも潜りつつ下総台地の山林の中を西へ走りますが、線形は良好でスピードが上がります。やがて東関東自動車道をくぐると右手に平地(田園)が現れ、しばらくすると台地を出て高架区間になって、住宅地の中を走るようになります。そして左手にイオンタウン成田富里を見ながら大きく左へカーブしますが、右手に少しだけ成田山新勝寺が見えます。最後は進路を南西に変え、市街地に入ると京成成田駅へと至ります。 
 
 

 

 

上1枚は2番線より、下2枚は1番線より、いずれも芝山鉄道線・芝山千代田方を望む。
ホーム端に係員詰所がありますが、現在は詰所として使用されていないようです。
また、芝山鉄道線は全線単線で、1・2番線のみが芝山鉄道線に通じています。ホーム端の先で2線が合流し、以降は単線になります。

尚、右の旧・特急用ホームの2線はホーム端付近に車止めがあり、昔も今も当駅止まりです。
 
この先は地下トンネルのまま空港用地内を南南東へ走り、途中で京成本線・京成成田スカイアクセス線とJR成田線空港支線の地下トンネルと地下同士で立体交差しますが、おそらく芝山鉄道線の方が上層で交差していると思われます。その後は右へカーブして空港用地をくぐる道路トンネルと並行して南南東へ走ります。そして空港用地を抜けると地上に出て高架区間になり、成田国際空港の駐機場(右)と雑木林(左)の間を走るようになると芝山町へと変わります。その後は左へカーブして進路を南東に変え、左側が開けてきて空港関係の物流倉庫を見て高架区間走ると、ほどなく終点の芝山千代田駅へと至ります。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2002年(踏破の為)、2010年(車窓風景撮影の為)、2020年(駅訪問の為)。          
 
京成電鉄と芝山鉄道線の共同使用駅ですが、京成の管理駅です。地下駅です。元々は成田空港駅で、2面4線を有するターミナル駅でしたが、現・成田空港駅の開業により空港輸送の任を解かれ、現在は空港関係者が主な乗降客だそうです。設備は1面2線へと縮小されましたが、地下駅なので簡単には余剰設備を撤去できず、立入禁止にしただけで現在も廃墟同然の状況で残っています。地上は駐車場や警察署など公共機関があるエリアで、成田国際空港の各ターミナルへは少々距離があり、やはり中途半端な位置です。現在は外の撮影も可能ですが、私が初めて訪問した2002年は警察官が至る所にいて、撮影はできませんでした。
  
鉄路のみで  
新宿から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能。JR線~京成本線~京成東成田線。成田スカイアクセス線は不可。 
大阪から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能。東京まで新幹線、京成へは船橋乗換が最速。
 
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし (最寄り店舗は第2ターミナル内)  
飲食チェーン店・・・なし (最寄り店舗は第2ターミナル内)  
 
大阪からの到達難易度はやや高いですが、京成東成田線、芝山鉄道線を乗り鉄の際は、東成田駅をスルーせず、ぜひ一度は駅も観察してみて下さい!
 
(参考:京成電鉄のHP、芝山鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)