NO.2979 長崎線「上下分離区間」非電化区間となった駅探訪(その3、土井崎信号場~湯江駅編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 

 その1のNO.2976より、長崎線の「上下分離区間」の非電化区間となりました各駅の探訪に関しましてご紹介しておりますが、その2になります前回NO.2978では佐賀県内の肥前飯田駅・多良駅・肥前大浦駅、そして里信号場に関しましてご紹介しておりました。

 

 長崎線の「有明線」とも称します江北~諫早間は、武雄温泉駅~長崎駅間の西九州新幹線が開業しました令和4年9月23日より佐賀県・長崎県が線路を保有する「上下分離区間」となりまして、それとともに肥前浜駅から南の区間であります長崎駅までの区間が非電化となっております。したがって、定期列車では気動車のみが運行する路線となっておりまして、新幹線開業の代償がこのような形で見られております。

 

 主な使用車両には、製造から40年以上が経過しますキハ47形気動車がこの区間で運行されております。これらも、九州内各地から転属しまして、佐世保車両センターに所属しながら運行されておりますが、当初一色で小倉総合車両センターを出場しました際には何の用途で使用されるのだろうか?と思っておりましたら「上下分離区間」で使用する事を知った時には正直驚いていた事を覚えております・・・。

 

 さて、この話題では使用停止となりました多良駅3番ホームに関しましてもご紹介しましたが、この多良駅3番ホームでは電化時は車両の留置も行われていた事がある駅でもありました。しかし、非電化となりましてからは滞泊は肥前浜駅に集約する事になった事から車両の留置も行わなくなりまして、現在は画像のように線路も錆びまして雑草も見られるようになっております・・・。尚、今後は3番ホームがあります駅西側にも出入口を設けるようにもなっております。

 

 (右側が3番ホームです)

 

 また、里信号場も現在は行き合い列車はなく、全ての列車が通過する信号場となっております。そんなこの信号場も今後廃止が予定されておりまして、画像のカーブの中に2線あります線路も1線が廃止する事にもなるようでもあります。

 

 

 さて、今回その3からは長崎県に入ってまいりますが(いずれも諌早市に属します)、今回は小長井駅~湯江駅間、そして肥前大浦駅~小長井駅間にあります土井崎信号場に関しましても皆様にご紹介してまいります。尚、訪問時は昼から南側の東諌早駅から撮影しておりまして、今回ご紹介します場所はいずれも夕刻に差し掛かっていた時でもありました事をご了承いただきたいと思います。

 

 

 まずは、長崎県に入りまして最初にあります土井崎信号場からご紹介します。ここは里信号場とは違いまして緩やかなカーブ上の所にある信号場であります。こちらは国道207号線沿いにありまして、信号場沿いにはそう多くはありませんが住宅地もある所でもあります(画像は安全な所からアップで撮影しております)

 

 この信号場では、以下画像のように信号機が両側にある所からもわかりますように、単線スルー式で退避も可能になっているのが特徴でありまして、鳥栖方左側(上の画像・以下画像では手前側)の線路を退避用に、鳥栖方右側(上の画像・以下画像では奥側)を通過用に主に使用されておりまして、特急列車が運行されていた頃には長崎線の普通列車がこの信号場に停車、そして特急列車が追い抜くと言った例も見られておりましたし、現在も後述の小長井駅発着の列車もこの信号場で折り返しておりまして、駅ではない所で珍しい姿も見せております。

 

 (道路沿いから撮影しています)

 

 実際に、こちらは過去に撮影しておりました博多行きの787系電車「かもめ」がこの信号場奥側の通過線を通過して行くシーンでありますが、画像奥の線路を通過時には使用されている事がわかります。ちなみに、この列車は8両編成でありまして、ちょうど撮影時が多客期であった事から見られていた姿でもありました。

 

 この信号場は、昭和51年の長崎線全線電化に伴いまして設けられた信号場であります。そのため、この年に設けられました事を表す銘板も見られております。現在はこの信号場周辺は架線は撤去されておりますが、電化する事がきっかけで設けられた信号場でもあっただけに正直寂しくなったなとも思わせる所でもありましょうか。

 

 (昭和51年(1976年))に竣工した事を表す銘板)~第2築切橋梁の上が土井崎信号場にあたります

 

 

 次は、長崎線では長崎県最北端にあたります小長井駅であります。

 

 この駅は島式ホーム1面2線でありまして、長崎線のそれ以外でも肥前鹿島・肥前飯田・肥前大浦・長里・小江・市布の各駅でしか見られないつくりでもあります。尚、この駅発着列車も存在しますが、折り返し設備がなく、折り返しは先述の土井崎信号場で折り返すようになっております。

 

 そんなこの駅の愛称は「ハートフルこながい」とも称されておりまして、地元の方のコミュニティスペースとしての姿も見られておりますが、そんなこの駅は無人駅でありますし、駅舎内には駅窓口と言ったものもなく、待合室・トイレが存在する程度であります。

 

 尚、以前は以下画像の場所に自動券売機も存在しておりましたが、現在は撤去されておりまして、車内で購入・収受する形へと変わっております。

 

 (過去撮影、自動券売機設置時)

 

 停車列車は、この駅から肥前浜方面はわずか8本、諫早・長崎方面も10本しか停車がありません(うちこの駅始発で長崎行きが2本)。実際に普通列車で9時台~12時台は駅に停車する列車はなく、特に長崎方面はこの駅始発でもあります最終列車が19時51分発と早いのも特徴でもあります。

 

 (黄色は2両ワンマンを表します)

 

 そんなこの駅の分離方式は「Y字分岐」となっておりまして、特急列車が高速で通過を可能にしている単線スルーではない事がお分かりいただけます。また、この駅で折り返しはできない証としまして、出発信号機が片側しかないのがわかるのではないかと思います。

 

 (過去撮影)

 

 そんなこの駅ではありますが、ホームのそばには有明海も見られております。この海も普段荒天時以外は穏やかな姿が見られておりますが、この日もそう言った姿が見られておりましたし、奥には雲仙普賢岳の姿も見られておりました。そんな海沿いでもある2番ホームでは「ふたつ星4047」も停車しておりまして、停車時間も数分の停車でもありますので、その分有明海を眺望・撮影する事も可能でもあります。

 

 (「ふたつ星4047」1号車乗車位置)

 

 ちょうどこの訪問時には、キハ47-4509を先頭にしました諫早行きが入ってきておりました。ちなみに、上の画像・以下画像からもわかりますように、このホームの上にありました架線は撤去されておりまして、まさに気動車が運行される区間になってしまっている事が伺わせております。

 

 (発車時)~架線がないのもわかります

 

 

 次は、長里駅であります。長里駅は平成2年に新設された駅でありまして、「有明線」・「上下分離区間」では最も新しい駅でもあります。

 

 この駅の構造は、先述の小長井駅と同様、島式ホーム1面2線となっておりますが、その下の画像からもわかりますように単線スルーの形で島式ホームの駅が設けられている事がわかります。したがって、これまでは特急「かもめ」、現在はこの区間唯一の特急列車であります「ふたつ星4047」と言った通過列車をはじめ、ほとんどの列車は1番ホームを停車・通過しております。

 

 (1番ホーム)

 

 (1番ホームが単線スルーである事がわかる姿)~長崎方

 

 (同)~鳥栖方

 

 また、現在この駅周辺では架線が撤去されておりまして、画像のようにすっきりとした姿が見られております。この路線・この駅も、以前は架線が見られていた訳ではありますが、見られなくなりますとスッキリとした姿が見られている事がわかるのではないでしょうか。

 

 ここで、ホームに隣接します駅舎もご紹介します。駅舎内には待合室が設けられておりますが、元々が無人駅として開設していた事もありまして、出札窓口と言ったものは設けられていないのが特徴でもあります。

 

 また、駅舎の南側にはトイレ(もちろん水洗です)も設けられておりますが、電話ボックスや以前は見られておりました自動券売機は撤去されておりました。やはり、普段の利用が50名前後とも言われておりますので、そうしたものが撤去されてしまうのも仕方がないのではないでしょうか。

 

 (トイレ入口)

 

 (撤去された電話ボックス跡)

 

 さて、この時には肥前浜行きの列車がに入線しておりまして、学生さんの降車が見られておりました。ただ、その数もまばら程度でありまして、普段多くはない事を伺わせておりましたが、それでも利用者にとっては重要な足でもあれば大事な駅である事には間違いないのではないでしょうか。

 

 (肥前浜行き発車)

 

 

 そして、最後にご紹介しますのは湯江駅であります。この湯江駅は「有明線」の長崎県内区間では最も大きな駅でもあります。

 

 そんなこの駅は、長崎県内区間では最も大きな駅ではありますが、無人駅でもあります。それでも、構内はトイレを含めきれいな姿も見られておりますし、手作りの座布団や暖簾まで見られてもいますし、掲示板も更新されてもいまして、そう言った所からも地元の方によりまして管理がなされているようであります。

 

 それでも、かつてこの駅は特急「かもめ」も停車していた駅でもありましたが、ここに駅員が常駐しまして、乗車券の販売も行われていたようでしたが、無人化された現在は乗車券売機が画像のように置かれております。やはり、利用者も減少しているとは言えども、学生さんを中心に多くの利用者はあっているようではありますので、この券売機の存在は無人化された今としては大きいのではないかと思います。

 

 この駅の発車時刻表です。10時~12時は停車しない時間がありまして、やはり本数が少ない事がわかります。それでも、この湯江駅発着列車も存在している事もありまして、下り最終列車は諫早行き(21時33分発)が最終列車となっておりまして、ここまで来ますと小長井駅とは対照的に1時間半ほどではありますが遅くまで運行されている事がお分かりいただけます。

 

 

 湯江駅のホーム全体であります。この駅のホームは2面3線となっておりまして、肥前浜・江北方面は1・3番ホームから、諫早・長崎方面は2・3番ホームからそれぞれ発着しております。ちなみに、訪問時時点では架線は残されておりましたが、今後撤去される事になるようではあります。

 

 (過去撮影、駅ホーム全体)

 

 尚、この駅は「単線スルー」ではありませんので、特急列車は現在も「ふたつ星4047」が運行されております長崎方面は2番ホーム、鳥栖方面は1番ホームから通過しておりました。

 

 (過去撮影、885系電車「かもめ」長崎行きが2番ホームを通過)

 

 (同、787系電車「かもめ」博多行きが1番ホームを通過)

 

 

 今回は、非電化区間となりました長崎線「上下分離区間」の駅探訪の3回目として、土井崎信号場から湯江駅間をご紹介しましたが、この紹介した区間では、既に架線も撤去されておりまして、まさに非電化に戻った所が見られていた事がわかります。それほど西九州新幹線開業の代償も見られている事がわかりますが、JR九州ではなく第3セクター鉄道に移管されていればさらにどうであったかともいう所でもありましょうか。今後は未撤去の所も撤去されて行く事にはなりますが、どんな感じに変わって行くかも思う所でもあります。次回最終回は、諫早駅までをご紹介する予定ですので、次回もご覧になっていただきたいと思います。