TOMIXのキハ181系で新旧製品に構造上の差異があることを承知の上で、旧製品のキサシ180に対して、下回りだけ現行製品を装着する加工を試みました。

 

前回記述した加工方法の③「床板だけを現行製品に交換することに拘った方法」を試しています。

3-1.現行製品の床板側面に細長い溝状の勘合溝(6ヶ所)を彫ります。

 

下側が旧製品の床板で、側面にボディ固定用の勘合溝があります。上側の今回使用する現行製品の床板に、この勘合溝を作る(彫る)ことから始めました。

 

勘合溝は、マスキングを貼ってない箇所(両側面で計6ヶ所)に彫ります。

 

勘合溝の寸法は縦1mm×横6mm×深さ0.6mmで、上辺から0.5mm・下辺から0.6mmの位置に彫ります。下準備としてドリルでφ0.8mmの穴を深さ0.3mm位(貫通させない)で5ヶ所横並びに

開けました。更にφ1mmで穴を拡張してカッターナイフで横長穴になるよう軽く加工しておきます。

 

先端にφ1mmのヤスリが付いたルーターで、勘合溝を深さ0.6mm位になるように仕上げました。最初は削り加減が判らず、ブレが大きくて上下寸法が少し大きくなってしまった感があります。

 

削り方に慣れてくると、それなりの寸法で仕上がるようになりました。両端でTNカプラー取付部に隣り合う勘合溝は、TNカプラー取付部側に0.5mm位の壁を残して仕上げています。そのため、両端の勘合溝の横幅は5.5mmと小振りになっていますが、ボディ側の固定爪の横幅が4.2mm位ですので、実用上は問題ありません。

 

両側面に計6ヶ所の勘合溝が出来上がりました。

 

本来であれば、上側の様にウエイト2枚を床板に貼り付けるのですが、現時点では未入手ですので、取り敢えずはウエイトなしの状態で次に進みます。

 

旧製品のボディに、勘合溝の加工が済んだ床板を嵌めてみました。パチン・パチンと小気味よい音と共に、きっちり固定することが出来ました。

 

3-2.現行製品の床板を加工して台車をネジ止め出来るようにします。

当初は旧製品の座席パーツを加工する心算でしたが、この座席パーツには台車中心部にφ4.8のネジ逃げ穴が開けてあり、これを埋めるのに適した部材(丸棒)が見つからなかったので、現行製品の床板に台車をネジ止め出来るように加工することにしました。

ネジ止め用ボスは、TOMIXの座席パーツに手持ちがなく、廃材から調達しました。以前に智頭急行のスーパーはくとの半室グリーン車を作った際に、KATOのサロ183-1000番台の座席板からグリーン座席を切り出した(→こちら)時に発生した残材(廃材)です。

 

ネジ止め用ボスを糸鋸で切り出しました。

 

現行製品の床板に、台車センターピンの箇所にネジ止め用ボスを上側から挿し込んで、瞬間接着剤で接着しました。ボスの切断面は僅かでも斜め切断されていると、ボスが垂直に立たないで、切断面を上側にして接着してあります。ボスの外周には隙間が殆どない位のお誂え向きでした。

 

一晩放置しボスが確実に固着してから台車を止ネジで装着しました。ネジ締め時には、ボスに回転方向の力が加わるので、一気に締め上げようとするとボスの接着が外れてしまう恐れがあり、力加減をしながら慎重に締めました。台車の着脱を繰り返す場合には、ボスに回転阻止のために何らかの対策が必要かも知れません。

 

 

キサシ180の旧製品で、奥側がオリジナル製品、手前が床下/台車に現行製品を装着した今回の加工品です。

 

2両ともキサシ180-10で、下回りの加工有無の違いは走れば差はありません。

 

旧製品の上回りには一斉手を加えずに、現行製品の下回り(床板・台車)を装着することができました。今回の加工により密自連形BMTNカプラーも装着可能になりましたが、実は手持ちのキハ181系編成の他車両が全てアーノルドカプラーのままですので、台車のカプラー取付部の切断加工はしていません。これで長年の懸案事項が1件解消しました。(完)

(追記) 2024.2.6 パーツ不足で未処置を失念しており、追加加工を行いました。

 

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