2006年3月のダイヤ改正で姿を消した寝台特急「出雲」。晩年は山陰本線経由で1往復がブルートレインとして走っていました。機関車を交換する真夜中の京都駅ホームでは、東京に向かう上り列車をけん引するEF65 1000番台(PF形)が待機していて、起動から出発までを眺めることができました。

 

 

上り「出雲」の到着前に京都駅で出発準備をするEF65 1114=2004年

 

 

 

上り「出雲」は京都駅に0時27分に到着。8分間の停車中に機関車を交換します。東京駅までの東海道区間をけん引するEF65PF形は山科方であらかじめ待機しています。

 

私は新幹線などを乗り継いで京都駅に到着しましたが、22時58分発の上り急行「銀河」を見送る頃には、既にパンタグラフを下げて留置されていました。この間、EF65PF形に動きは見られず、時々横を通り過ぎる米原方面への列車のライトが照らしていたくらいだったと記憶しています。

 

 

パンタグラフを下げて留置されていたEF65 1112。暗闇の中、静かに佇んでいました=2005年

 

 

 

その後、詳しい時間は覚えていないのですが、0時過ぎに新潟行き急行「きたぐに」が来る頃までにはEF65PF形の運転台に明かりがともり、運転士さんが出発準備を行っていました。パンタグラフが上がって機関車が起動すると、コンプレッサーやホイッスルなどの音が周囲に響き渡りました。その後いったん姿を消し、上り「出雲」が到着すると、DD51形ディーゼル機関車と入れ替わってオハネフ25形に連結されました。

 

 

「出雲」到着後に連結されるEF65 1112=2005年

 

 

 

2000年代の前半、私は上京する際には京都駅から、国鉄時代のブルトレの面影を残す「出雲」を好んで利用していました。真夜中の0時35分発でしたが、子どもの頃から大好きな元東京機関区のEF65PF形が静かに佇んでいるのを眺め、さらに出発準備中のいろいろな音が聞けるのは大きな楽しみでした。

 

 

 

※このあと京都駅から乗車した上り「出雲」は以下に書いています