スーパーはくと増発と京都乗り入れ縮小へ! 智頭急行・JR西日本ダイヤ改正(2024年3月16日)

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スーパーはくと増発と京都乗り入れ縮小へ! 智頭急行・JR西日本ダイヤ改正(2024年3月16日)

智頭急行は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。

1. 特急「スーパーはくと」8往復に増発と大阪発着に短縮へ!

今回の2024年3月16日智頭急行ダイヤ改正では、大阪と鳥取を結ぶ特急「スーパーはくと」を増発する。

大阪~鳥取間で1往復増発する。また1往復の金土日運転列車が2024年3月1日から毎日運転化することから、定期列車6往復と臨時列車1往復の7往復から定期列車8往復に増発することとなった。

一方運用調整のため京都~大阪間は7往復から2往復に減便する。紀勢本線特急「くろしお」の京都乗り入れは1往復しかない(2018年3月16日JR西日本ダイヤ改正で2往復から減っている)ことを考えれば、特急「スーパーはくと」の京都乗り入れは2往復でも十分だろう。

そもそも京都発着「あさしお」は鳥取まで行く列車は1日3往復しかなかったし、特急「スーパーはくと」「はくと」は当初大阪~鳥取~米子間運転の特急「はまかぜ」1日3往復の経路変更から始まったので1994年12月3日の運行当初は1日4往復(毎日運転の1往復を含む)しかなかった。が、大阪~鳥取間で3時間を切ったことで航空機からの利用取り込みに成功、1996年3月16日ダイヤ改正で京都~鳥取~米子間運転の特急「あさしお」3往復を廃止し特急「スーパーはくと」「はくと」合わせて6往復に増発、1997年内に特急「いなば」運転開始に伴う列車走行距離調整が可能となったことからJR西日本キハ181形による「はくと」の運行を終了し大阪方面全列車を智頭急行車両「スーパーはくと」に変更、2003年10月1日ダイヤ改正で「スーパーはくと」は7往復にまで増発することとなった。そのすべてが京都始発である必要はなかろう。

この特急「スーパーはくと」の大阪への短縮により特急「スーパーはくと」から京都へ行くにはこれまで直通で行けたところ大阪で新快速乗り換えまたは姫路で東海道山陽新幹線「のぞみ」乗り換えとなる。

もっとも大阪で新快速乗り換えであれば特急料金自体がそこまで変わらないので大きく減収はしないし、姫路で東海道山陽新幹線「のぞみ」に乗り換えてくれるのなら乗継割引が廃止となったため特急料金のほかに新幹線特急料金が別途発生する。もっとも姫路~京都の新幹線特急券はJR西日本とJR東海をまたぐためJR西日本取り分は多少目減りするが(とはいっても自由席利用で1,500円は取れることは確実)、在来線特急料金の乗り継ぎ割引が廃止となり在来線特急料金半額分の1,000円程度の目減りすることはなくなったのでJR西日本としても収入を目減りさせることなく新幹線乗り換えへ誘導することができる。

そう考えると今回の2024年3月16日智頭急行線特急「スーパーはくと」のダイヤ改正でJR西日本の収入増加効果が見込めそうだ。

なお今回のダイヤ改正で智頭急行線特急「スーパーはくと」の京都乗り入れは朝の京都発鳥取・倉吉行き2本と夜の倉吉発京都行きの2本のみとなる。救済として平日朝夕のみ運転のJR神戸線通勤特急「らくラクはりま」の運転区間を新大阪~姫路間から京都~網干間に拡大、平日朝の京都行きと平日夕方の京都始発の列車を確保することとした




2. 特急「スーパーはくと」最終列車繰り下げへ!

また今回の2024年3月16日智頭急行ダイヤ改正では、智頭急行線特急「スーパーはくと」増発に伴い最終列車を繰り下げる。

これまで鳥取行き最終は大阪20時06分発特急「スーパーはくと13号」鳥取行きだったが、今回のダイヤ改正より大阪20時36分発特急「スーパーはくと15号」鳥取行きに30分繰り下がる。

これに伴い姫路で鳥取行き最終「スーパーはくと」に接続する東海道山陽新幹線「のぞみ」も東京17時48分発「のぞみ79号」広島行きから東京18時30分発「のぞみ81号」広島行きに42分繰り下がることとなった。

なお東京から鳥取への航空便の最終は羽田空港19時15分発ANA299便で、羽田空港までの移動時間や搭乗手続きの時間を考えればほぼ東京発で互角の時間となる。東京から鳥取まで鉄道で4時間41分かかるため勝ち目はないが、航空機とほぼ同じ時刻に東京を出ればその日のうちに鳥取に到着できるようになるという意味ではメリットだろう。




3. 特急「スーパーはくと」と東海道山陽新幹線「のぞみ」の姫路接続大幅改善へ!

また今回の2024年3月16日智頭急行ダイヤ改正では、姫路での東海道山陽新幹線「のぞみ」と智頭急行線特急「スーパーはくと」の接続を大きく改善し、到達時間を大きく短縮する。

東海道山陽新幹線の最速達列車「のぞみ」が毎時1本しか停車しない姫路で35分~40分乗り換えだったため、「のぞみ」が最低でも毎時4本、多客時は毎時12本もやってくる新大阪で乗り換えても名古屋・東京到着が10分程度しか変わらない合ったこともあった。

そこで今回のダイヤ改正で東海道山陽新幹線「のぞみ」と智頭急行線特急「スーパーはくと」の姫路で7分~8分乗り換えに大きく短縮し、東京・名古屋から姫路への所要時間が約30分短縮することとなった。

これは特急「スーパーはくと」が昼間に京都乗り入れをやめたことで京都~大阪間の北陸連絡特急「サンダーバード」毎時2本や関空特急「はるか」毎時2本の合間をぬって運転する必要がなくなったことからかなり自由度が上がったことによる。

これにより東京~鳥取間は最短4時間36分で結ぶこととなる。




4. 走行距離精算はどうなる

また今回の2024年3月16日智頭急行ダイヤ改正では、

JR旅客各社は列車走行キロで走行距離精算を行っていることから、おそらくJR西日本と智頭急行の間でも列車走行距離により距離精算と車両使用料の支払いが発生している。

1日あたり智頭急行車両HOT7000形がJR西日本線内を3,241.2km運行している。

一方JR西日本キハ187形特急「スーパーいなば」6往復が毎日智頭急行線内を673.2km運行するため、差し引き毎日2,568.0km分智頭急行車両の列車走行キロが多いことになり、その分車両使用料をJR西日本が支払っている。

が、JR西日本も2020年からの旅客大幅減により2023年4月1日に大阪電車特定区間内の特定運賃区間の一部で値上げ、2025年ごろにさらなる値上げを図ろうとしている。智頭急行への車両使用料を少しでも抑えたのだ。

そのため2022年3月12日JR西日本ダイヤ改正より智頭急行線特急「スーパーはくと」7往復中1往復を臨時化、金土日曜と多客期のみの運転とした。これにより智頭急行車両のJR西日本内走行距離が1日平均3,019.0kmに減少した。

今回のダイヤ改正では1日あたり智頭急行車両HOT7000形がJR西日本線内運行距離を3,082.6kmとした。このため1往復が週3日運転となった2022年3月12日ダイヤ改正以降と同じ車両使用料を確保できる見通しだ。

これにより鳥取県内からの大阪アクセスを向上しつつもJR西日本の車両使用料支出を抑え続けることに成功したようだ。

ただ、智頭急行線内で1往復増発となるためその分乗務員行路が増える。この補填と新型特急車両投入への資金として全車指定化するほか、智頭急行線内特急料金も300円値上げすることとした。WEB早特がないため回避策がなく、ほとんどの利用者が影響を受けるようだ。

この新型車両導入に合わせ特急「スーパーはくと」の米子・松江・出雲市乗り入れで大阪から山陰方面の利用を特急「スーパーはくと」に一本化して山陰都市間でも利用しやすくした方がよさそうだが。リニア中央新幹線の新大阪乗り入れで岡山乗り換え山陽新幹線利用より新大阪乗り換えリニア中央新幹線利用の方が名古屋・東京へも早く到達できるようになるわけだし。




5. 特急「スーパーいなば」終列車繰り下げへ!

また今回の2024年3月16日智頭急行ダイヤ改正では、岡山と鳥取を結ぶ特急「スーパーいなば」の最終列車を繰り下げる。

岡山発鳥取行き最終は岡山19時46分発から20時19分発に33分繰り下げる。これにより岡山での山陽新幹線から接続する列車が鹿児島中央16時17分発「さくら568号」新大阪行きから鹿児島中央17時04分発「みずほ608号」新大阪行きに繰り下げ、博多基準で37分遅く出発する新幹線から連絡できるようになる。

また、鳥取発岡山行き最終は鳥取20時35分発から20時39分発に4分繰り下げる。この列車は智頭急行線内で所要時間を短縮し岡山到着は2分繰り下げの22時24分着で済んでいる。

このほか鳥取発岡山行き初列車は鳥取7時00分発から7時02分発に2分繰り下げることとしたが、鳥取→智頭間のJR西日本因美線区間内で所要時間を2分短縮したことから岡山8時57分着のまま変わらない。

このほか今回のダイヤ改正では智頭急行線特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」の時刻変更により列車交換待ちの関係で普通列車も一部で時刻変更を行なっている。


6. 結び

今回の2024年3月16日智頭急行ダイヤ改正では、特急「スーパーはくと」の京都乗り入れを大きく縮小した一方で、特急「スーパーはくと」を1往復増発し1日8往復の運転とするほか特急「スーパーはくと」と特急「スーパーいなば」で最終列車を繰り下げることとした。

さらに、姫路での東海道山陽新幹線「のぞみ」との接続も大きく改善し、東京・名古屋から鳥取への所要時間を大きく短縮することとなった。

今後特急型車両HOT7000形の車両更新を行う中、智頭急行でどのようなダイヤ改正を粉うのか、そして関西から鳥取・島根への移動は特急「スーパーはくと」に統一することになるのか、見守ってゆきたい。

2024年3月鉄道ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:2024年春ダイヤ改正について – 智頭急行

関連情報:2024年3月16日(土) ダイヤ改正を実施します – JR西日本米子支社

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