2023年 晩冬の山形・仙台とりっぷ⑥極寒の蔵王山樹氷原 | 風かおる 鉄の路

風かおる 鉄の路

主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

蔵王のふところへ 

今日は山形泊!

でもまだ時間があるので遊びに行きたいと思います!

やってきたのは駅前のバス乗り場。

仙台・鶴岡・新潟方面の長距離バス、山形市内やその周辺の路線バスが発着しています。

 

その中で…

 

 

1番のりばから出る、こちらのバスに乗車します!

行き先は蔵王温泉。

高速バスタイプでの運転です。

 

山形駅前を発車したバスはまずは市街地を走り、次第に郊外へと向かっていきます。

 

 

やがて行く手に「蔵王温泉」の文字が書かれた青看板が。

ここから山形県道21号線に入ります。

 

山形県道21号線は蔵王山の懐へと入っていく道。

県道53号を介して蔵王エコーライン、蔵王ハイライン方面とつながる、蔵王観光には欠かせない道路の1つです。

 

だんだんと雪山が近づいてきました。

 

それとともにどんどん標高が上がっていき、

 

山形の市街地が見下ろせるようになってきました。

 

バスは除雪された山道を登っていきます。

 

 

山道を登り終えたところで終点の蔵王温泉バスターミナルに到着しました。

 

 

樹氷鑑賞!

蔵王温泉にやってきました!

標高は880m。

高原にあるリゾート地です。

 

さて、この時期の蔵王温泉といえば、温泉の他にスキー、そして樹氷鑑賞が楽しめます!

 

九州では雲仙岳のものが知られていますが、ここ蔵王の樹氷は全国的に有名。

今から見に行きたいと思います!

 

樹氷原に向かうのに乗るのは「蔵王ロープウェイ」。

少し離れているので歩いて向かいます。

 

その途中には「蔵王中央ロープウェイ」という別のロープウェイもありますが、こちらは樹氷原には行かないので注意!

紛らわしい…

 

こちらが蔵王ロープウェイの乗り場、蔵王山麓駅です。

 

 

 

 

入口に気象状況が書いてありました。

ここ蔵王山麓駅の気温は2℃ですが、最上部、地蔵山頂駅付近は-5.1℃…!

極寒です。

 

そんな極寒の地へ向かうべく、まずは乗車券を購入します。

全区間の往復で3500円。

 

スキー客もこのロープウェイを利用するため、乗り場は大混雑!

外国人も多く、蔵王のスキー場としての人気ぶりをうかがわせます。

まずは最初のロープウェイに乗って途中駅、標高1331mの樹氷高原駅を目指します。

 

満員のゴンドラは白く染まった山のほうへと登っていきます。

 

左側を見ると、先ほど紛らわしいといった蔵王中央ロープウェイの路線が見えました。

 

対向のゴンドラとすれ違います。

 

およそ7分、樹氷高原駅に到着しました。

どっと乗客が吐き出されます。

 

 

 

 

次に乗るロープウェイまでは少しだけ離れています。

向かう途中で横の木々を見ると…

 

白い氷で枝がびっしりと覆われています!

これが樹氷。

過冷却された濃霧の水滴が木々など地上の物体に触れて凍結したもののことをいいます。

すっかり葉を落とした木々が氷で白く装飾されてとっても綺麗…!

 

でも、これはまだ蔵王の樹氷の本当の姿ではありません。

ここからさらに600m登った先、地蔵山頂駅では全く違った姿を見せてくれるはずです。

 

 

極寒の冬山のモンスターたち

地蔵山頂駅へ向かう乗り場はスキー客で大混雑していましたが、私たちのように樹氷観光だけする客は別レーンに案内され、スムーズに乗車することができました。

今度乗るのは複式単線自動循環式ゴンドラ、通称「フニテル」というタイプ。

山岳地の厳しい自然環境の中でも安定した運行ができるのが特徴で、日本では箱根ロープウェイに続いて2番目に導入されたそうです。

 

↑箱根ロープウェイにも乗ったことがあります!乗車記はこちら

 

出発! 周辺の山々を見下ろしながらさらに高みへと登っていきます。

 

足元には樹氷に覆われた林が広がっています。

真っ白できれいな林の上を飛んでいくゴンドラ。

眺め最高です! 

 

植生が変わって針葉樹林に。

樹氷をまとった姿はなんだかクリスマスツリーみたいですね。

 

そして…

 

ある地点を過ぎてから様相が一変。

地面は真っ白、そして木々は樹氷が付きすぎてもはや原型がよくわからなくなってきました…

 

真っ白の世界を飛び続け…

 

ついに終点・地蔵山頂駅に到着しました!

 

標高は1661m。麓から800mほど登ってきました。

 

 

まずは展望台へ。

恋人の聖地らしいです。

 

ここからは山形市内とその向こうにそびえる朝日連峰が見えるのですが…

 

さむっ…いたっ!?痛い痛いっ!!

 

凍りついているかのような強い向かい風は雪混じりで、容赦なく私の顔面に突き刺さってきます。

 

 

恋人の聖地というにはあまりに恐ろしすぎる環境でした…

 

いくらロープウェイですぐ来れるとはいえ、そこは冬の高山。

自然が私たちに容赦なく牙を剥いてきます。

 

一旦屋内で暖まったあと、再び外へ。

 

 

外に出ると異様な光景が広がっていました。

白く雪に覆われた山に立ち並ぶ白い柱のような物体たち…

 

これが蔵王が誇る冬の風物詩、スノーモンスターです!

 

樹氷が完全に木を覆い尽くしてまるで怪物みたいな姿に変わったもののことをいいます。

 

樹氷が見られるところは数多くあれど、スノーモンスターになるのはなかなか珍しいようです。

 

青空のもと、真っ白な山に立ち並ぶ大量のスノーモンスターたち。

それはとっても美しく、そしてこの地の自然環境の過酷さを如実に示していることからどこか恐ろしさも感じます。

美しく、恐ろしい。2つの相反した気持ちを抱かせる光景でした。

 

樹氷原の中に賽銭箱があり、その前にお地蔵様が首まで雪に埋もれた状態で佇んでいました。

 

これが地蔵山の名の由来、蔵王地蔵尊。

夏のときの写真を見るとかなり大きく、ここまで積もる積雪量にびっくりです。

 

樹氷に接近! 

 

 

これがスノーモンスター。

見ると、杉の葉のような構造が一方向にできています。

「えびのしっぽ」と呼ばれる樹氷特有の構造だそうです。

 

 

そろそろ寒さに耐えられなくなってきました…

戻ります。

 

 

 建物の中に戻ったところでこんなものを発見。

東北大学GPS観測点のデータ送信装置らしいです。

地殻変動の変化を読み取って噴火の予測に役立てるのでしょうか…

 

 帰りもゴンドラに乗って帰ります。

 

スノーモンスターたちを眺めながら徐々に下っていきます。

 

 ゴンドラには他に誰もおらず、真っ白な銀世界をひとりじめできました…!

 

標高が下がるとスノーモンスターたちはいなくなり、木々の姿がわかる通常の樹氷に。

 

 

真っ白な景色に360度囲まれながらゆっくりおりていきます。

 

中間点の樹氷高原駅に到着しました。

 

 山麓線に乗り換えます。

 

駅舎の中には昔使ったという馬橇が展示されていました。

表蔵王口から蔵王温泉までこのソリで2時間30分も掛かったのだとか。

当時は温泉に行くのも一苦労だったようですね…

 

 

逆向きはスキー客が少なく、そこそこ空いていました。

 

温泉街に向け、一気に下っていきます。

 

反対側のゴンドラとすれ違い。

 

下を見るとスキーリフトが見えてきました。

 

スキーを楽しむ人々の姿も見えます。

 

 

 

ゆっくりと駅が近づいてきて…

蔵王山麓駅に到着です。

 

連絡運輸の名残り

温泉街を歩き、再び蔵王温泉バスターミナルへ。

 

バス乗り場へ行くと、「蔵王温泉駅」の札が掛かっていました。

駅…?

 

実は、ここ蔵王温泉バスターミナルはその昔「蔵王温泉駅」という名前の「自動車駅」でした。

「駅」と名が付いている通り、ここでは乗車券の発行業務も行っており、その昔はJRとの連絡乗車券も発売されていました。

↑山形交通蔵王温泉駅発行東京都区内行きの連絡乗車券を上げているサイトがありました!

 

現在ではJRとの連絡運輸はありませんが、バス乗車券の発売は行っているようです。

せっかくなので帰りの乗車券を買ってみました。

 

帰りはちょうど臨時直行バスがあるようなのでそれに乗車します。

 

バスは山を下っていきます。

 

街なかに入り、山形駅に近づくと…

あれ?あれは…

 

 

山形駅に到着。

 

1本だけ?銀つば!

先ほどバスで見えたものを確かめに山形駅新幹線ホームに移動します。

 

そこにいたのは…

 

やっぱり銀つば…!

銀つばとは、山形新幹線E3系の登場時の塗色(銀色の車体に緑ライン)のこと。

 

現在の塗色(白にパープル・レッドのライン)は山形県の吉村知事の強い要望により変更されたもの。

2014年から塗色変更が行われ、全編成が塗り替えられました。

 

この塗色、とにかく鉄道ファンからは不評で…

県知事の要請により変わったという点もそれに拍車をかけていた気がします。

 

…現塗色への私の感想ですか?
ええと………ノーコメントで()

 

 

そんな山形新幹線E3系ですが、後継のE8系登場が迫っていることもあり、「魅力向上のため」2023年2月、L65編成が6年半ぶりに登場時のシルバー塗色(銀つば)に戻されることとなりました。

 

鉄道ファンにも好評な今回の塗色復刻。

基本的に銀つばの時刻は公表されていないため、見られるかどうかは運次第です。

 

今回はちょうど山形駅へ向かうバスの中からこの車両が見えたので来てみました!

会えてラッキーですね~

 

 

ロゴも復刻。

つばさマークがかっこいいです。

 

駅名標と一緒に。

 

先頭へ行くと、ちょうど夕日を浴びた車体がギラリと輝いていました。

 

先頭は銀つばを見に来た親子連れや鉄道ファンが数人カメラを向けていました。

私も混ざって写真を撮ります。

 

やがて、軽く警笛を鳴らして銀つばは東京へ向け走り去っていきました。

1編成だけしかない銀つばですが、復刻塗色とは思えないほど山形駅に馴染んでいましたね~

 

 

改札内には復刻記念の展示が。

 

そのお隣のオブジェも現行色&銀つばの2種が…!

 

今回の復刻塗色に合わせて塗り替えられたものだそうで、JR東日本の今回の施策に対する熱意を感じました。

 

山形泊まり

ごはんタイム!

山形駅改札口の外にあった「平田牧場」というお店に行ってみました。

 

 

山形県庄内地方を本拠地とする牧場の直営店で、「金華豚」を使ったとんかつを提供しているそうです。

 

ということでその金華豚を使った金華豚ロースかつ膳にしてみました!

 

金華豚は中国浙江省金華地区が原産で、世界三大ハムのひとつ、「金華ハム」の原料にもなるという希少品種だそうです。

柔らかくて甘い、美味しいとんかつでした…!

 

 

夕食タイムのあとはスタバでのんびり。

 

期間限定のフラペチーノを飲んでゆっくりしました。

 

明日のために買い物したあと、今日泊まるホテルに向かいます。

 

今日泊まるのは駅からすぐの「ダイワロイネットホテル山形」。

 

2021年にオープンしたまだ新しいホテルです。

 

ホテルのロビーに桜の生け花が飾ってありました。

 

桜の時期にはまだ早いですが、これは啓翁桜という早咲きの桜だそう。

「お正月に楽しめる桜」として人気が高く、山形県が日本一の出荷量を誇るのだとか。

可憐なピンクの花に旅の疲れが癒やされました。

 

お部屋に入ります。

けっこう広め。

 

窓からは少しだけ山形市内の夜景が見えました。

 

お部屋でのんびりしつつ、デザートに買ってきた「だだちゃ豆のじんだんプリン」を…!

 

 

だだちゃ豆の風味が感じられるプリンの上には牛乳プリン。2つの味が楽しめるプリンでした。

今回の旅でもぷりぷりプリン、しちゃいました…!

 

2日目はこれで終わり。

明日はこの旅の目的の列車に乗車します!

 

 

★乗車データ

山交バス Z90 蔵王温泉バスターミナル行き 山形駅前(12:22)→蔵王温泉バスターミナル(13:02)
蔵王ロープウェイ山麓線 樹氷高原行き 蔵王山麓(13:40)→樹氷高原(13:47) 搬器1
蔵王ロープウェイ山頂線 地蔵山頂行き 樹氷高原(13:56頃)→地蔵山頂(14:06頃) 搬器15
蔵王ロープウェイ山頂線 樹氷高原行き 地蔵山頂(14:57頃)→樹氷高原(15:07頃) 搬器11
蔵王ロープウェイ山麓線 蔵王山麓行き 樹氷高原(15:15)→蔵王山麓(15:22) 搬器2
山交バス 臨時直行 山形駅前行き 蔵王温泉バスターミナル(16:18)→山形駅前(16:54)

※2023年3月4日乗車

 

 

次回

 

前回

 

最初から

 

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