この記事では、近鉄特急の運行形態や各車両の特徴などを、僕が乗った経験を踏まえてまとめていきます。
近鉄特急の車両
まず近鉄特急の車両について解説します。
・ひのとり
2020年に登場した新型の名阪特急です。「くつろぎのアップグレード」をコンセプトにしていて、とても快適です。
車内の設備
一番前と一番うしろの車両がプレミアムカーで、それ以外がレギュラーカー。ほぼ各車両のデッキに無料のロッカーがあり、誰でも腰掛けて気分転換しながら景色が見られる「ベンチスペース」が3箇所にあります。また、一番前と一番うしろのプレミアムカーには「カフェスポット」があり、コーヒーやお菓子、ひのとりグッズなどを自動販売機で販売しています。3号車には飲み物のペットボトルの自動販売機もあります。
座席について
プレミアムシート
電動リクライニング・座席ヒーター付きの本皮製のシートを採用し、シートピッチ(座席の間隔)は新幹線のグランクラス並の130cmを確保しました。バックシェルがついていて、気兼ねなくリクライニングが楽しめます。ハイデッカーになっていて、運転席越しの前面展望が楽しめます。
レギュラーシート
シートピッチは新幹線のグリーン車並みの116cm。こちらにもバックシェルがついていてリクライニングがしやすいです。
2013年に登場した伊勢志摩方面に向かうとても豪華な観光特急。
車内の設備
全車両がプレミアムカーで、和風個室・洋風個室・サロン席・カフェテリアがあります。また、各車両のデッキにはロッカーがあります。カフェテリアではスイーツセット・松阪牛カレー・伊勢志摩産の海産物を使ったピラフなどが食べられます。
プレミアムシート
本皮製で電動リクライニング・マッサージ機能があります。バックシェルはないものの、とても広いシートピッチを確保しています。
洋風個室
和風個室
あおによし
従来の一般型特急を改造して作られた豪華観光特急です。
4両のうち1両はグループ席とカフェでその他の3両にはツイン席が並んでいます。
・アーバンライナー
1988年に名阪特急のグレードアップのため登場した。その後アーバンライナーnextも加わり、リニュアール工事が行われアーバンライナーplusとなりました。
6両または8両で運転し、そのうち一両がデラックスカー。飲み物の自動販売機がある。ちなみにネット予約サイトの座席表で見て4号車の座席が13列ならnext、14列ならplusで運転されます。plusのほうが物を置けるスペースが多いです。
・伊勢志摩ライナー
1994年に志摩スペイン村の開業に合わせて登場した伊勢志摩向けのリゾート特急です。6両編成のなかにデラックスカーとサロンカーが1両ずつあります。また、サロンカーにはシーサイドカフェという売店があったが現在は閉鎖されています。全体に明るい雰囲気です。2012年にリニューアルが行われ、半数の編成は赤色に塗装変更されました。
ビスタEX
汎用特急車両として1978年に登場しました。4両のうち2両が2階建てになっています。2階建て車両の一階はグループ専用席で、ソファーのような座席になっていて快適です。2階席は景色が良いですがやや座席は硬いです。
ACE
新しい近鉄の汎用特急です。2両と4両があります。車内は明るく快適です。
近鉄特急の運行路線について
近鉄特急の運行系統は主に
・名古屋〜大阪難波までの名阪特急、
・大阪難波〜伊勢志摩方面の阪伊特急、
・京都〜伊勢志摩方面の京伊特急、
・名古屋〜伊勢志摩方面の名伊特急、
・京都〜奈良・橿原神宮前までの京奈・京橿特急、
・大阪〜奈良までの阪奈特急、
・大阪阿部野橋〜橿原神宮前・吉野までの南大阪線特急
に分けられます。それぞれの使用車両・運行頻度について見ていきます。
〈名阪特急〉
名古屋〜大阪難波間の名阪特急には停車駅の少ない甲特急とこまめに停車する乙特急があります。現在、甲特急は「ひのとり」、乙特急は「アーバンライナー」に統一されています。利用客数も多く、甲・乙それぞれ一時間に1本以上運行されています。
〈阪伊特急〉
大阪難波・上本町〜伊勢市・五十鈴川・鳥羽・賢島方面の阪伊特急は観光特急「しまかぜ」が一往復運行し、また、「伊勢志摩ライナー」が3〜4往復運行されています。その他のビスタカEXやACEなどの汎用特急も一時間に1本ほど運行されています。
〈京伊特急〉
京都〜鳥羽・賢島までの京伊特急は観光特急「しまかぜ」が一往復運行し、また、「伊勢志摩ライナー」が1往復運行されています。その他のビスタカEXやACEなどの汎用特急も数往復運行されています。
〈名伊特急〉
名古屋〜伊勢市・五十鈴川・鳥羽・賢島方面の名伊特急は、観光特急「しまかぜ」が一往復運行し、また、「伊勢志摩ライナー」が6往復運行されています。その他のビスタカEXやACEなどの汎用特急も一時間に1本ほど運行されています。
〈京奈・京橿特急〉
汎用特急車両により京奈特急と京橿特急がそれぞれ一時間に1本ほど運行されています。また観光特急「あおによし」も京都‐奈良間では4往復運行されています。
〈阪奈特急〉
大阪〜奈良間の特急は通勤輸送がメインなので、基本的に朝夕のみにひのとり・伊勢志摩ライナー・汎用特急を使って運行されています。また、観光特急「あおによし」も一往復運行しています。
〈南大阪線特急〉
線路幅が違うため南大阪線・吉野線と特急は他の路線と直通せず独立しています。大阪阿部野橋から吉野までの特急が観光特急「青の交響曲」・「さくらライナー」・汎用特急合わせて一時間に1本ほど運行されています。