JR北海道のH100形「石炭車」「国鉄気動車」に 観光列車の対応車8両に



JR北海道は1月17日、H100形気動車の観光列車対応車を新たに4両追加すると発表した。費用は1両あたり約2億8000万円で、合計約11億4000万円。2022年度に導入した観光列車対応車と同様、国と北海道の助成・補助制度を活用する。

長万部駅に入線するH100形。【撮影:草町義和】

追加導入される4両の車両番号はH100-84~87。各車が運用される線区の特色をアピールするラッピングで装飾した。

H100-84(室蘭線ラッピング)は室蘭本線の長万部~苫小牧と室蘭~東室蘭で運用。室蘭本線が空知で産出された石炭を室蘭港に運ぶことを目的にした建設されたことから、国鉄時代に運用されていた石炭車のデザインで装飾した。H100-85(日高線ラッピング)もH100-84と同じ線区で運用。旧国鉄一般気動車の標準色をベースに、アイヌ文化と馬産地を表現したデザインを採用した。

石炭車をモチーフにした「室蘭線ラッピング」。【画像:JR北海道】
国鉄の一般型気動車の標準色をモチーフにした「日高線ラッピング」。【画像:JR北海道】

H100-86(根室線ラッピング)は宗谷本線・旭川~名寄と石北本線・旭川~網走、釧網本線・網走~緑、富良野線・旭川~富良野で運用。沿線の四季折々の景色や名物を盛り込んだデザインを採用した。H100-87(宗谷線ラッピング)もH100-86と同じ線区で運用。鉄道と天塩川を直線や交わりで表現し、ラインは沿線を表現した幾何学模様をモチーフにした。

「根室線ラッピング」は沿線の景色や名物を盛り込んだ。【画像:JR北海道】
「宗谷線ラッピング」は鉄道や天塩川を表現。【画像:JR北海道】

内装は一般のH100形から変更。タンチョウやエゾマツなど北海道の自然や風景をイメージしたデザインを座席のシート生地に採用した。座席には北海道産のタモ材を使った脱着式のテーブルを設置。つり手も木材を採用している。

2月から順次運用されるが、石北本線・上川~網走と釧網本線・網走~緑は3月のダイヤ改正以降に運行される。定期列車で運用されるが、観光列車としても運行される予定だ。

H100形は国鉄時代に導入したキハ40系気動車の更新用として開発された電気式気動車。2020年にデビューし、現在は約80両が運用に入っている。

2022年度に導入された観光列車対応車の4両(H100-80~83)は、鉄道・運輸機構と北海道による助成・補助制度を活用して導入。各車両は第三セクターの北海道高速鉄道開発が保有し、JR北海道が同社から無償で借り入れて運行している。今回導入されるH100-84~87の4両も同様の形で導入され、合計8両になる。

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