京葉線の全19駅(東京、蘇我、西船橋の3駅を含みます)の中でも、二俣新町は鉄道ファンには興味深い駅です。
二俣新町駅ホームの北側、斜め前の左右両方の位置にそれぞれ、京葉線本線から分岐して武蔵野線西船橋方面へ向かう線路が見えますが、いずれも二俣本町駅のホームはないからです。
北側に向かって左手が市川塩浜-西船橋の京葉線高谷(こうや)支線、右手に南船橋-西船橋の二俣(ふたまた)支線です。
二俣支線、高谷支線とも、京葉線の本線と合流した後、乗り換え駅となる南船橋、市川塩浜までかなり距離があるのが特徴です。
二俣支線は、二俣新町駅の蘇我側を高架橋で超える際にかなり駅に近づいているため、乗り換えホームが造れるのではないかと思わせる距離ですが、駅はありません。
高谷支線は本線の駅から距離がありますが、東京駅でのJR各線ホームと京葉線ホームとの距離を思い浮かべれば長い連絡橋にはなりますが、距離的には同規模です。
線路合流後にすぐ駅があれば、乗り換え効率がよくなりますが、4キロほど走って南船橋、市川塩浜に着きます。
二俣新町から西船橋へ行く人は二俣支線、高谷支線合流後の乗り換え駅まで約4キロの間、同じ光景を約4分、計2回見ることになります。
二俣新町から西船橋へいくとき、どちら側に向かった方がいいのか
高谷支線、二俣支線とも、本線の二俣新町駅の脇をかすめながらも二俣新町駅ホーム自体はないため、二俣新町から西船橋へ行く時、市川塩浜乗り換えにするか、南船橋乗り換えにするか、戸惑います。
今ではスマホで索引すれば、次の列車時刻、乗り換え駅(市川塩浜と南船橋のどちらか)、西船橋早着列車時刻まで瞬時に答えが出るので悩むこともないでしょうが、スマホのない時代はどちら経由にしようか、悩んだものです。
それとも別に悩まず、たまたま早く来た電車に乗って、隣駅で乗り換えるだけのことだったでしょうか。
どちらで乗り換えた方が早いのかを聞かれた時、二俣新町の駅員はどのように答えているのでしょうか。
距離、所要時間を見る
デルタ線の位置に造られた駅であり、地図で見ると西船橋を三角形の上側の頂点として、左下の頂点に市川塩浜、右下の頂点に南船橋が位置します。
底辺の中央に二俣新町があります。
三角形に例えて距離と所要時間を見てみました。
〇 二俣新町-南船橋は3.4キロ、4分(※三角形で見た時の底辺、市川塩浜-南船橋は7.8キロ、8分)
以上の状況から、二俣新町-南船橋-西船橋の方が距離には短いですが、実際には二俣新町-市川塩浜-西船橋との、どちらを選んでも距離、時間的にはほぼ互角です。
南船橋乗り換えの場合、武蔵野線電車が同ホーム向かい側に停まっているかは運次第
市川塩浜と南船橋の乗り換え条件を比べると、一つだけ異なることがあります。
市川塩浜は相対式(対向式)ホームのため、乗り換えには階段等が伴います。
南船橋は島式ホーム2面4線構造で、武蔵野線電車が南船橋止まりの場合、中央の2番線または3番線で折り返します。
1番線が京葉線下り本線、4番線が京葉線上り本線で、1・2番線、3・4番線は同ホームで隣り合っています。
運がよければ南船橋1番線到着後、同ホームの向かい側2番線に武蔵野線電車が停まっていることがあり、その時は乗り換えが楽であり、乗り換え時間短縮になります。
運が悪いと階段等を使って3番線に向かいますが、確率はほぼ半々です。
海浜幕張始発の武蔵野線の場合は4番線発着のため、階段等を使うことになります。
武蔵野線南船橋行きなら3番線に到着すれば、4番線の京葉線東京行きに同ホームで乗り換えられます。
武蔵野線が海浜幕張行きの場合は1番線発着のため、階段等は必須です。
二俣新町側に向かう人と、海浜幕張側を目指す人とは、乗り換え階段の便利さ、億劫さは正反対になります。
2番線と3番線を合体して1線化すれば、この話題もなくなるのですが、その話は聞かれません。
武蔵野線内は10分間隔、西船橋-市川塩浜と西船橋-南船橋はどちらも20分間隔です。
西船橋から南船橋、海浜幕張へ行く際に、たまたま東京行きが来たからそれに乗って、市川塩浜で乗り換えた際に、すぐに京葉線蘇我行きが来るだろうと希望的観測をしても、直前で発車してしまうケースを何度も体験しました。
同一ホームなら乗り換えられたのに、反対側ホームなので乗り換えられなかったケースもあります。
西船橋から京葉線経由で東京に行く時は、南船橋行き、海浜幕張行きには乗らず、次の東京行きを待つ方が早く着きます。
同じく西船橋から海浜幕張方面に行く時は、東京行きには乗らず、南船橋行きまたは海浜幕張行きに乗る方が早く着きます。
勝手なこだわりで、二俣新町→西船橋は南船橋経由、西船橋→二俣新町は市川塩浜経由
以下は、武蔵野線・京葉線通勤者でない筆者の勝手なこだわりです。
二俣新町から西船橋へは、南船橋経由の二俣支線、西船橋から二俣新町へは市川塩浜経由の高谷支線に乗ります。
毎回同じことをまた書いていると言われてしまいますが、高架橋をまたぐ高架橋からの展望が好きだからです。
とくに南船橋から西船橋方向への二俣支線は、京葉本線と高谷支線の両方をまたぐため、二重高架橋になっています。
ちなみに、武蔵野線武蔵浦和から大宮へ向かう短絡線も同じ展望が得られます。
二重高架橋から見える富士山や秩父連山等の、真冬の快晴時の眺望は格別です。
もしも予讃線坂出-宇多津の中央に新駅ができたとしたら
最後に仮想話です。
話は四国へ飛びますが、瀬戸大橋線児島から大橋を渡って宇多津と坂出に分かれる路線構造です。
東京以外では貴重なデルタ線です。
仮に、もしも坂出-宇多津4.6キロ、所要5分の中間位置に新駅ができて、新駅から児島、岡山へ行くとしたら、坂出経由か、宇多津経由か悩みそうです。
坂出経由は快速「マリンライナー」、宇多津経由は特急「しおかぜ」「南風」という料金有無の違いはありますが、二俣新町と同じ心境になるかもしれません。