政治的風刺の鋭いお笑い芸人、本人たちは「社会風刺コント集団」と名乗っている「ザ・ニュースペーパー」の公演が町田市であることを知った。ついでが好きなけんじいは近くにウォーキングの適地はないか探すと、境川沿いに遊歩道がある。

 


 境川は、武蔵と相模の国境。国境は世田谷から多摩川を越えた時に渡ったはずだが、小田急線を降りた東京都町田市が相模の国の中に突き出ているため、もう一度武蔵の国の町田と隣の相模原市との間に境をなす川が現れるわけだ。川の源は何度も登った草戸山。それを知ると親しみが湧く。

 

 

 駅前でランチしてから境川を探す。間にあるJR横浜線の町田駅が邪魔して簡単には川の方に行けない。地下道(上)を見つけて線路をくぐり、「境川ゆっくりロード」とやらを境橋から上鶴間橋まで往復する。その後小田急町田駅を通り過ぎて、会場の町田市民会館に向かった。

 


 満席だがお客は予想通り老人が多い。若い人は政治に関心もないし、ましてやお上に楯突くお笑いでは敬遠するのかもしれない。が、けんじい世代にとっては滅法面白い。

 

 

 まずはキシダ総理の登場。あの肩怒らしたやや斜めになった歩き方から笑えたが、しゃべくりが余りにスムーズだ。もっと文章を不自然に切りながらやらなければ。それにせっかく辻元清美が発見した「さまざま」を使わずに「いろいろ」と言っている。これは要改善点だ。

 

 

 バイデンとトランプのモノマネ。バイデンはよろよろ爺さんと記憶の不確か爺さんで笑いをとる。トランプが「もうむちゃくちゃだ。俺は小室圭君を雇おうと思う。彼ならいろんな苦労を潜り抜けてきたから、きっとやってくれる」みたいなことを言ったのには、笑うと同時に小室さんを応援するけんじいは別の意味で拍手した。

 

 

 アベマリアの音楽とともに、アベがあの世から登場して「あの世からカムバックしてキックバック・・・」と何やらしゃべった。キシダがまた登場し「天城越え」の替え歌を使って「隠し切れないキックバック。・・・何があってももういいの、あなたと超えたいアベ超え」などと歌った。

 

 

 昨年を振り返るということで、大谷翔平、藤井聡、東山紀之なども登場したが、驚いたのは、天皇皇后、上皇上皇后、秋篠宮夫妻などを登場させたこと。それぞれの特徴がバッチリ出ていて見ただけで可笑しい。上皇が天皇に向かって「ひろちゃんの時代になってろくなこと起きてないね。コロナが終わったと思ったら、大地震」とまで言ったのには驚いた(下の写真は今回のものではない、撮影禁止)。

 

 

 市民ホールで公演させた町田市も大したもんだと思ったが、笑いの対象としてタブー視されている皇室一家まで登場させるザ・ニュースペーパーにもあっぱれをあげたいと思う。もろん皇室に対する批判的な言辞は少なかったが、それでも欧米に近い自由度がこんなところにあったのだとその点に感動した。しかしこれがフツーでなくちゃ。

 

 ともかく笑いころげっぱなしの、途中休みなしの2時間ちょっと(4千円、ちなみに3月の坂本冬美は7千円)だった。