清流みはらし列車
山口県岩国市を運行している錦川(にしきがわ)鉄道。
路線は錦川清流線と呼ばれ、岩国駅~錦町(にしきちょう)駅間を運行しています。
※岩国駅~川西駅間は、JR西日本の岩徳線を運行。
そんなローカル私鉄で運行している観光列車が「清流みはらし列車」です。
「清流みはらし列車」のウリは、この列車に乗らないの行くことができない幻の駅こと、「(臨)清流みはらし駅」に行くことができること。
ツアーは往路にお弁当付きの「清流みはらし列車」乗車に、復路の乗車券がセットされ5,000円です。
事前に送付されたきっぷで、岩国駅の改札口を抜けて、錦川清流線が発着する0番線ホームに向かいます。
12:28出発ですが、係員も列車に乗ってやってくるため、ホームには乗客の姿がちらほら。ただ、受付をしている様子はありません。
それもそのはず、係員は12:15に入線する回送列車に乗ってくるから...。
到着後すぐに、受付が始まります。
電話予約した際には、自由席と言われましたが、当日はあらかじめ座席が指定されていました。
座席は予約順で錦川が見られる右側から順に、割り当てられているとのこと。
今日はNT3000形車両
本来はキハ40が充当されるとのことですが、当日は車両故障のため同社の主力車両NT3000形車両で運行されました。
ロングシートでトイレ無しのキハ40に対し、こちらは転換クロスシートでトイレ付なので、観光列車向きだと思いますので、結果オーライです。
指定された座席には、すでにお弁当とお茶がセットされていました。
特にご案内があるわけでもなく、各自食べ始めます。
お料理は、錦帯橋近くの「瀧川(たきがわ)」さんの謹製。
箸袋の裏面に「岩国鵜飼音頭」の歌詞が印刷されているのが旅情を誘います。
アルコール類はないので、持ち込みすることをおすすめします。
ちなみに事前申し込みのオプションに、日本酒とおつまみの「ほろ酔いセット」と、フィナンシェなどの「スイーツセット」があり、各1,000円です。
JR岩徳線から錦川鉄道へ
列車は定刻に岩国駅を出発し、まずはJR岩徳線を進みます。
車内でも案内放送があり、西岩国駅に停車します。
かつての岩国駅であったことから、堂々とした雰囲気の駅舎が健在です。
ここで、岩徳線のキハ40と交換。
キハ40もいつまで活躍してくれるのでしょうか。
ここで列車は、錦川を渡ります。
この先に有名な錦帯橋(きんたいきょう)があります。
小さいですが、山の上には岩国城も確認することができました。
宇野千代さんの生家があるという川西駅を過ぎると、JR岩徳線と錦川鉄道の分岐点に差し掛かります。
前面展望で、左側の線路が岩徳線の徳山方面、右側の線路が錦川鉄道です。
錦川清流線に入り、一つ目の駅が清流新岩国(せいりゅうしんいわくに)駅。
ここは山陽新幹線の新岩国駅との乗換駅で、かつては御庄(みしょう)駅だったものを2013年に改称したものです。意外と最近なんですね。
車掌車を改造した待合室が印象的ですが、反対側の入口には「御庄駅」という表示が残されたままです。
予約時に申し出れば、ここから乗車することもできるとのことです。
守内さか神(しゅうちさかがみ)駅を過ぎると、右手の錦川には沈下橋が1つ見え、その後はのどかな田園風景の中を走ります。
国鉄時代の面影が残る北河内駅
次の北河内(きたごうち)駅は、錦川清流線で列車交換ができる唯一の駅。
上り列車との交換とトイレタイムを兼ねて、12分間停車します。
錦川清流線の全身、国鉄岩日線時代からの駅舎が残されています。
当時から使われているであろうレトロな駅名標も必見です。
行波(ゆかば)駅が仮乗降場として開設されたのが、1971(昭和46)年ですから、それ以前のものに違いありません。
構内には、岩日線開業50周年記念として、転てつ器の標識も残されています。
上り列車がやってきました。
錦川鉄道の車両は、乗車当日現在車両故障中のキハ40を除くと、全部で4両。
うち1両が検査中ということで、運行可能な車両が集結した形になりました。
出発すると、さらにきれいな錦川の川面が見えてきます。
水も透き通っていて、錦川清流線の名前の通りです。
次は、この列車のメインイベントの「(臨)清流みはらし駅」へ停車します。
↓岩国に宿泊して「錦帯橋」などを観光するのもおすすめです!