『とれいん』1月号は「路面電車特集」 | 書斎の汽車・電車

書斎の汽車・電車

インドア派鉄道趣味人のブログです。
鉄道書、鉄道模型の話題等、つれづれに記していきます。

 このところ少しゆるい話が続きましたので、今年一発目の「書評」をやりましょう。

 題材は、現在発売中の雑誌、『とれいん』誌の1月号です。

 

 この雑誌の1月号といえば、毎年「特大号」で、特定の私鉄を大特集するのが常ですが、今年は少々様相が違います。

 今年の特集は「日本の路面電車」と題して、主に現在路面電車を運行中の事業者を対象にしています。

 

 前半は実物記事、カラーグラフで各社の代表車を紹介した後の「MODELERS FILE」は、宇都宮ライトレールのHU300形、広島電鉄の5200形、福井鉄道のF2000形、富山地方鉄道のT100形と、現代日本路面電車の最先端の車輛ばかりが登場します。

 その後の実物記事も、路面電車の最新事情を知る上で有益なものばかりです。「日本の路面電車を考察する」(楠居利彦氏)「日本の路面電車の現在そして未来にむけて」(服部重敬氏)「路面電車 LRT時代の幕開け」(梨森武志氏)といった記事はいずれも読みごたえがあります。

 

 後半の模型記事は、さすがにかなり昔の車輛、現在は廃止された路線の車輛も登場します。

 型紙付きの「紙成模型塾」は阪堺モ121形です。(講師は中川勲氏)市川豊光氏の「路面電車礼賛」は、N、TT9、16番の作例が出てきます。16番では市木春友氏の広島電鉄450形が特に印象に残りました。同じく16番で北野隆雄氏の宇都宮ライトレールHU300形も、あの電車の自作は大変だろうなあと思われます。

 そしておなじみの「Nゲージ作品集」(大島仁知氏、木下貴博氏、小林克也氏、小林慧大氏、冨村直正氏)も、様々な路面電車を模型化してます。今はNゲージでも路面電車の模型化は比較的容易にはなりましたが、それにしても自作、改造はまだまだ大変です。特に大島氏の京都市電と神戸市電は相変わらずの丁寧な工作に感心しました。

 今月号は連載の「モリセン」も、「特別編」として、GMの都電、軌道、停留所キット(かなり古い製品で、ダミーですがまだ現役で模型店に並んでいます)の制作記事です。

 特集の最後の「路面電車模型製品リスト」は、残念ながら現在営業中の事業者が中心で、それでも江の電などは除かれています。スペースの都合もありましょうが、どこかで「完全版」が見たいものです。

 

 135ページに及ぶ大特集は、路面電車ファンとしては大満足でした。車輛模型ばかりでレイアウト関連の記事がないのは少々残念ではありますが、路面電車好きなら必携の1冊です。なお、3ページの「口絵」にも「路面電車Nゲージ作品集」に登場する電車たちが勢ぞろいしていますが、一部本編の記事に登場しない電車があり、来月号以降に掲載されるのか否かが気になります。