快速「スーパードラゴン」 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 正月ネタの定番といえば干支がらみ。今年は辰年だ。辰とか龍のつく駅名は結構思い当たるのだが、列車となるとなかなか手強い。もう過去の列車となってしまったが、快速「スーパードラゴン」の思い出話を。
 東北本線(東北新幹線)の一ノ関駅から盛(さかり)駅に至る大船渡線というローカル線がある。終点の盛駅では三陸鉄道に接続している路線だ。この大船渡線は、うねるような線形が龍を連想させる(いささか強引に感じるが)ということから「ドラゴンレール」という愛称が付いている。そしてかつては「スーパードラゴン」という快速列車が走っていた。
 昔の仕事で取引先が大船渡にあり、月に二回ぐらいのペースで出張していたことがある。だから大船渡線にはずいぶん乗った。当時の快速は一日二往復で、一ノ関駅発が9時台と11時台に設定されていた。
 当時の東北新幹線の速達列車は「やまびこ」だったが、朝7時過ぎに東京駅を出発する一本が一ノ関駅に停まり、9時台の「スーパードラゴン」と接続するダイヤだったので、もっぱらこれを利用。大船渡駅には昼前に到着し、午後からの打ち合わせに間に合った。新幹線に乗っている時間と、大船渡線に乗っている時間はほぼ同じで、感覚的に三陸は遠いと思わされたものだ。
 快速「スーパードラゴン」と列車名は勇ましいが、使用車両は何の変哲もないキハ100形の2両編成(多客時増結あり)で、もちろん指定席などの設定もない。車両側には「快速」の表示しかなく、車内放送でも滅多に「スーパードラゴン」の案内は聞けなかった。
 一ノ関駅からの乗客の多くは観光客で、猊鼻渓駅でかなりの下車があり、気仙沼駅を過ぎるとガラガラになった。快速運転は、速達サービスのためというより、朝夕以外は利用客のいない駅を通過するといった感じのダイヤだったと思う。
 ご存じの通り、大船渡線は東日本大震災で被災し、気仙沼駅から盛駅まではバス(BRT)に転換となっている。快速列車も2013年に運転を終了し、普通列車オンリーとなってしまった。