2023年の関門地区の鉄道は、JR山陽本線のワンマン化やICカード「ICOCA」サービスの開始、115系瀬戸内色の復活など多くの話題がありました。私が接した範囲内ですが、この1年の出来事を振り返ってみました。2回に分けてご紹介します。

 

 

 

旧型国電クモハ11117解体

JR西日本下関総合車両所で旧国鉄幡生工場時代から40年以上にわたって保管されてきた旧型国電クモハ11117が、2月末までに解体されました。鉄道省初の鋼製電車モハ30形の生き残りという貴重な存在で、いろいろな方から惜しむ声が聞かれました。その後台車のみ保管されることになったようで、秋の一般公開で展示されました。もう1両の旧型国電クモハ42001については外観が整備され、きれいな状態になりました。(23.2.25など掲載

 

解体されたクモハ11117

 

 

 

山陽本線ワンマン運転開始

JR山陽本線岩国—下関間のワンマン運転が、3月18日のダイヤ改正から開始されました。車内に運賃箱を置かず全てのドアが開く都市型ワンマン方式のため乗降方法はこれまでと同じですが、車内放送が自動化されたため乗車中の感覚は少し変わりました。(23.4.19掲載

 

ワンマン運転が始まり、ホームに降りて乗降確認を行う運転士

 

 

 

105系+123系 併結列車終了

山口県西部の山陽本線で長年見られた105系通勤形電車と荷物電車改造の123系の併結列車。宇部線・小野田線車両の下関への入出庫を兼ねた運用で、特に本線を高速走行する123系は注目されていましたが、3月のダイヤ改正で消滅しました。同系はその後、単行での回送となりました。(関係記事22.10.1423.5.19

 

見納めになった123系(手前)と105系の併結列車

 

 

 

EF81 452 関門試運転

九州の貨物列車のけん引に活躍するJR貨物門司機関区のEF81 452が、3月に全般検査を終えました。国鉄とJRが折衷したような角形コンビネーションランプが特徴の同機、春休み期間に行われた交流〜直流区間を直通する関門試運転は、多くの鉄道ファンが見送りました。(23.3.29掲載

 

EF510-300番台の量産が迫る中、全検出場したEF81452

 

 

 

ICOCAサービス開始

JR西日本のICカード「ICOCA」のエリアが4月から山口県の県央・県西部の山陽本線に広がり、各駅には新たに自動改札機が設置されました。元々JR九州の「SUGOCA」エリアで自動改札機があった境界の下関駅では、ICカードでの出場時に動線分けされるなど「エリアまたぎ不可」の周知と対応が徹底されました。(23.3.14.16掲載

 

ICOCA、SUGOCAでの出場時、動線が分けられたJR下関駅

 

 

 

広セキから中セキへ

2022年10月に中国地方3支社を統合して発足したJR西日本中国統括本部。下関総合車両所運用検修センターの115系電車の所属表記はその後も広島支社時代の「広セキ」のままでしたが、今春検査出場の編成から「中セキ」に変わりました。ブルートレイン「あさかぜ」でも見られた伝統の「広セキ」は、今後見納めになりそうです。(23.4.28掲載

 

見納めになった115系3000番台の「広セキ」表記

 

 

 

EF65 1120が復活

下関総合車両所運用検修センターに10両が配置されている電気機関車EF65形1000番台(PF形)。今年はそのうち3両が全般検査を受けました。中でも約1年半の休車期間を経て復活した1120号機のきれいになった姿は、多くの鉄道ファンを喜ばせました。(23.5.3掲載

 

全検を終えて構内試運転を行うEF65 1120

 

 

 

※続編「関門地区の鉄道2023総括(下)」は以下のリンクからご覧ください