鉄道模型珍品堂番外編「TMSカタログ」の巻 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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「鉄道」を趣味の対象として、さまざまに楽しむ活動を記録するブログです。


 昨日が仕事納めだった事業所が多く、我が家の周辺には早くも「謹賀新年」の貼り紙が溢れていた。ニュースでは盛んに帰省ラッシュが報じられているが、東京生まれの身には関係ないし、都心は逆に静かになるのでありがたい。
 ニュースといえば、年末に勃発した「京葉線快速論争」がヒートアップしている。このままJRが押し切る気がしているが、どう決着するのだろうか。
 さて、年末はNゲージメーカーのカタログ発売を楽しみにしておられる方も多いことだろう。そこでカタログ本に関する昔話を。
 我が模型鉄道が開業したのは1971年だったが、この頃の16番メーカーの多くは自社のカタログを出していた。カツミ、カワイモデル、天賞堂、鉄道模型社などが有名で、今でもヤフオクを眺めていると時々懐かしい出品物がある。
 しかし、商品アイテム数の増加や16番製品の高級化が始まると、製品供給は次第に多品種少量生産になっていく。一回しか生産しない製品も増えたので、年一回程度発行のカタログは存在意義がなくなってきた。カタログを見て買おうとしても、商品は既に市場から消えているのだから。
 今のようにネットがない時代、鉄道模型の情報は専門誌が頼りで、古くからの「鉄道模型趣味(TMS)」や後発の「とれいん」に掲載される新製品情報は重要な情報源だった。
 1978年(昭和53年)に「TMSカタログ」なるものが出版された。TMS誌上で紹介された日本型製品を網羅したカタログ本で「機関車」編と「電車、ディーゼルカー、客貨車」編の二分冊で構成されていた。スケールはNゲージからOゲージまで幅広く、パーツ類も可能な限り収録されている。
 多くの製品には、製品紹介欄に掲載されたTMSの号数が書かれているから、バックナンバーでより詳細に調べることも可能だ。
 45年前の箱モノ製品群を少しだけ振り返ってみると・・。

 今でも人気の国鉄型がズラリと並ぶ。カツミやエンドウ製品が多くを占めるが、上段の103系は中村精密(ナカセイ)、183系は宮沢製品。中段の101系、151系、157系はカワイ製品。下段のキハ30はカワイ、キハ47は京都模型、キハ55はしなのマイクロ製品だ。
 これらの製品、現在はほぼプラ製品で揃うことに驚かされる。未だに国鉄型は16番の売れ筋なのだ。

 この後、TMSカタログは二冊が発行されている。それが上の画像で、左が86/87年版で右が91年版だ。
 TMSカタログには通常号と同じく広告が掲載されているのだが、86/87年版に注目すべき広告がある。

 KATOの広告で「HO新時代がきた!」というコピーと共に、初の動力車製品だったDD51、ユニトラック、そしてデジタルコントロールシステムが紹介されている。1986年といえばもう37年も前になるが、この頃から日本型16番製品の潮流が大きく変わり始めたのだった。
 当ブログの少し前の記事で、エンドウの江ノ電1500形を話題にしたが、この製品の発売時期や価格を調べようと引っ張り出したのが91年版。ついでに本記事のネタにしたという次第。