今回の【駅】シリーズは、
長野県飯田市南部、天竜川沿いに形成されている住宅地に位置する飯田線の駅で、かつてはもう少し西側に駅がありましたが、天竜川の治水工事により2001年に線路が川沿いに移されたため、駅も川沿いに移転した、
川路駅 (かわじえき。Kawaji Station) です。
  
  
駅名  
川路駅 (駅番号なし) 
 
所在地  
長野県飯田市   
 
乗車可能路線  
JR東海：飯田線  
 
隣の駅  
豊橋方……天竜峡駅  
辰野方……時又駅   
  
訪問・撮影時  
2021年7月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅。
駅舎………………なし(駅舎に見える筒状の建物は待合室です)。
出入口……………西側のみ。東側からは約350m南または約650m北で線路をくぐって西へ回る必要あり。
バリアフリー……対応済(スロープあり)。
点字ブロック……駅前広場～階段・スロープ～ホームに設置。
駅前広場…………あり(北側にロータリーあり。バス停留所併設。タクシー乗り場なし)。
 
 

 

駅正面です。東を望む。
ホームに面した西側に出入口があり、左に階段出入口が、右にスロープ出入口があります。
中央にある円柱状の構造物は待合室で、ホームから出入りできます。
出入口前には郵便ポスト、電話ボックス、飲料自動販売機が設置されています。
左手に駅前広場があります。右側は道路です。
 
 

 

北側にある階段出入口です。
北へ向かって階段を登り(上写真)、踊り場で右(東)へ曲がってさらに登るとホーム辰野方の端に到達します(下写真)。
ホームへ出て右側には、きっぷ回収箱と待合室があります。
 
 

南側にあるスロープ出入口です。
南へ向かってスロープを進み、折り返してさらに登るとホーム中ほどに到達します。
 
 

駅前広場ロータリーです。北を望む。右手に駅出入口があります。
駅の規模の割には立派なロータリーです。端の方は駐車場と化しています。
コミュニティバス「南部公共バス」の停留所があります。温田駅方面への便が発着します。
また、左側には川路3号公園があり、駅前広場と公園の間には公衆トイレがあります(多機能トイレの有無は不明)。
 
 

 

駅前です。上写真は出入口前より、下写真は駅前広場南西端より、いずれも西を望む。
右前方には川路第3公園があります。また左側には歯科医院、コインランドリー、コンビニエンスストア「セブン－イレブン」があります。
駅周辺は過去に複数回の大水害があったことから、天竜川では治水工事が行われました。
駅前は治水工事に関連して区画整理が行われており、整然とした町並みが広がっています。
駅から南北へ離れると線路沿いに複数の工場が見られます。
また、駅から西(前方)へ進むと川路の集落があり、手前が新しい住宅地、山に近い奥が昔からの住宅地です。山麓を国道151号線が飯田線と並行する形で南北方向(左右方向)に延びています。
そして、駅前通りの突き当たり交差点(写真奥)で交差する左右方向の道路は概ね2001年までの旧線跡で、交差点の少し南側に川路駅の旧駅がありました。
 
 

駅東側です。ホームより東を望む。
線路のすぐ東は天竜川の河川敷です。河川敷は飯田市川路多目的広場になっていて、駅前にはサッカーコートがあります。
河川敷の先は天竜川が左から右へ流れていてます。
写真奥には対岸に広がる集落や山地も見えます。
 
 

 

待合室です。ホーム側に出入口があります。
上写真はホームより西を望み(左が豊橋方、右が辰野方)、下写真は室内より南を望む。
空調は設置されておらず、室内にはベンチがあります。時刻表と近距離運賃表も掲示されています。
 
駅員配置………なし(1984年より無人駅)。
自動改札機……なし(無人駅なのでそのまま入場して下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。ICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
出札窓口………なし(現在の駅は無人駅を前提に建設されています)。
自動券売機……なし(車内で車掌から購入を。ワンマンの場合は整理券を取り、下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。事前に車掌または運転士へ申し出て下さい)。
トイレ…………なし(駅構内にありませんが、川路3号公園内に公衆トイレがあります)。 
売店……………なし(駅出入口や駅前広場に飲料自動販売機があります)。  
コンビニ………なし(最寄りの店舗は約120m西にある「セブン－イレブン」です)。
 
小駅ですが、近くにトイレやコンビニがあるだけでも有り難いです。
 
 

吊下式駅名標です。電照式ではありません。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、飯田線において、豊川駅より北(辰野方)の各駅においては駅ナンバリングが導入されていません。
 
 

 

駅構造……地平駅(概ね南北方向)。
配線………単式ホーム1面1線(棒線駅)。
 
番線は設定されておらず、下り辰野方面、上り豊橋方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違いに注意が必要です。
 
ホーム有効長……4両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に狭く、豊橋方(奥)の約2.5両分は結構狭いです。通過列車にご注意下さい。
上屋(屋根)………辰野方(手前側)の約1.5両分。この部分に階段出入口と待合室があります。防風壁設置。 
ホーム上設備……待合室(空調なし。ベンチは待合室内のみ)。
 
ホーム辰野方の端付近に階段出入口があり(上写真右)、きっぷ回収箱が設置されています。階段出入口のすぐ前方右には待合室があります。
また、ホーム中ほどの上屋終端部付近にはスロープ出入口があります(下写真)。
  
写真は2枚とも豊橋方を望む。
 
 

 

こちらは2枚とも辰野方を望む。
駅の設備は辰野方(奥側)に偏って配置されています。
また、用地的に2面2線への拡張は難しいです(まぁ拡張される事はないと思いますが…)。
 
 

豊橋方を望む。
旧線は約130m西(右)を通っていました。
この先、左へカーブしながら、左に天竜川、右に区画整理された工場地帯を見て南下します。やがて右手に住宅地が現れ、旧線跡(痕跡なし)との合流・分岐地点を過ぎて林の中を通ると主要駅である天竜峡駅へと至ります。天竜峡～中部天竜間は天竜川の峡谷沿いを南下しますが、過疎地で道路交通も貧弱であるため数多くの秘境駅が存在します。列車本数も天竜峡駅を境に半減します。
  
 

 

辰野方を望む。
ホーム端に待合室(手前)と階段出入口(奥)があります。
また、ホーム端の先、左側には保線基地があり、引込線が分岐しています。
この先、右へカーブしながら右手に天竜川、左手に区画整理された工場地帯を見て北東へ走ります。その後、左側車窓は住宅地に変わりますが、この辺りで左から来た旧線跡(痕跡なし)との合流・分岐地点を通過します。そして最後は左へカーブして、右手に住宅地を、左手に工場を見て北上すると、時又駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が川路駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。飯田線を乗り鉄した際に下車しました。1面1線の棒線駅で、ホームや待合室などの設備は2001年の移転時に新設されたため新しいです。駅舎はありません。駅前は治水工事に関連して区画整理されていますが、駅前には住宅がなく公園、クリニック、コンビニなどがあります。駅(天竜川)から離れた西側に住宅地(集落)が形成されていますが、周辺人口は多くなさそうです。駅出入口と反対側の東方向は線路に天竜川の河川敷が近接しています。
 
東京からですと東海道新幹線で豊橋駅まで行き、飯田線の普通列車に乗り換えて(天竜峡以遠行きなら乗換なし、天竜峡行きであれば乗換必要)、当駅下車です。豊橋～天竜峡間は特急『伊那路』も利用可能です。あるいは中央本線・岡谷駅経由で辰野駅から飯田線に入っても到達可能です。時間により最速ルートが変わりますが、新幹線利用が可能な豊橋ルートの方が優勢です。飯田線の表定速度が遅いため距離の割にタイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線で豊橋駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。こちらは中央本線を迂回するより豊橋経由の方が圧倒的に速いです。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニがあります。一方、飲食店は点在しているものの、一見客が気軽に入れる店舗はないかもしれません。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京、大阪とも到達難易度がやや高いですが、飯田線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は川路駅でも途中下車してみて下さい！
  
(参考：JR東海のHP、Google地図、Wikipedia)