三瀬谷駅【三重県】(紀勢本線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
三重県中南部、大台町の中央部住宅地に位置する紀勢本線の特急停車駅で、大台町の中心駅かつ世界遺産・熊野古道や大台ケ原の大杉口など奥伊勢観光の拠点駅にもなっているものの(Wikipediaより)、乗降客が少なく、2012年に無人駅になってしまった、
三瀬谷駅 (みせだにえき。Misedani Station) です。
 
  
駅名  
三瀬谷駅 (駅番号なし)  
 
所在地  
三重県多気郡大台町      
 
乗車可能路線  
JR東海:紀勢本線  
 
隣の駅  
津方・亀山方……………川添駅  
新宮方・和歌山市方……滝原駅  
  
訪問・撮影時  
2021年8月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1925年開業)。
駅舎………………北側のみ。南側からは約400m東または約270m西にある踏切を渡って北側へ回る必要あり。
バリアフリー……1番線のみ対応(駅出入口~1番線間に段差なし。但し2・3番線は跨線橋が階段のみ)。
点字ブロック……駅出入口~駅舎内~各ホーム間に設置済み。
駅前広場…………あり(大台町コミュニティバスの停留所とタクシー乗り場を併設)。
 
 

 

 

駅舎です。いずれも南方向を望む。
開業翌年の1926年に建てられた平屋建ての木造駅舎が今も使用されていますが、リニューアルされていて外観はやや新しくも見えます。
出入口には扉があります。段差はありません。出入口前には郵便ポスト(角ポスト)と飲料自動販売機が設置されています。
駅舎手前の駅前広場にはロータリーが未設置です。左側には屋根付きの無料駐輪場があります。
 
 

駅前です。北方向を望む。後方に駅舎があります。
駅北側は旧来からの大台町の中心市街地で、住宅と商店が混在していますが、活気に乏しい印象です。
約350m北には三瀬谷神社が鎮座しています。
 
広域的な観光地は、大台ヶ原(西56.4km。バスは途中の大杉まで)、三瀬谷ダム・奥伊勢湖(南西1.4km。徒歩圏内)、などがあり、滝原駅が最寄駅になりますが滝原宮や大滝峡自然公園へも路線バスでアクセス可能です。大台ヶ原ですが、大杉渓谷の登山口への路線バスはありませんが、シーズンには三瀬谷駅付近から、エスパール交通株式会社が「大杉渓谷登山バス」として募集型企画旅行のツアーバスを運行しているとの事です(Wikipediaの本文を引用)。
 
 

駅裏に相当する駅南側です。跨線橋より南東を望む。
駅南側は国道42号線が通っているものの駅へのアクセスが不便なため住宅が少なかったのですが、それが幸いしてか現在は国道沿いにロードサイド型の店舗が立ち並び、今や国道沿いが大台町の商業の中心地に成り上がっています。
とりわけ駅近くの国道沿いにはスーパー「マックスバリュ」(左側の大きな建物)や「道の駅奥伊勢おおだい」(右側の三角屋根の建物。三重交通の路線バス停留所併設)、大台町役場(写真右外。道の駅の西隣)などがあります。
また、国道42号の向こう側には宮川が西から東へ流れています。宮川の対岸は大紀町(旧・大宮町域)で、集落も形成されています。宮川対岸には紀勢本線の強敵である紀勢自動車道の高架橋が見えます。右側(西)には大宮大台インターチェンジがあります(駅から約1.4km南)。
 
 

駅舎内の様子です。出入口より南方向を望む。
 
駅員配置………なし(無人駅です。インターホン未設置)。
自動改札機……なし(そのまま入場し、乗車時に車掌へ申告。ワンマン列車は車内で整理券をお取り下さい)。
ICカード………エリア外(エリア内から乗り越し乗車の場合、降車時に乗車全区間の運賃が現金精算になります)。
改札口…………なし(ラッチが撤去されて車いすが通行可能になっています。点字ブロック設置済み)。
出札窓口………なし(左側にありましたが、板で塞がれています)。
自動券売機……なし(普通列車は車内で整理券をお取りの上、降車駅などで精算して下さい。特急は車掌へ)。
自動精算機……なし(車内収受方式ゆえ運賃は車掌(ワンマンの場合は運転士)またはきっぷ回収箱へ)。
トイレ…………改札内(多機能トイレなし。無人駅なので実質的に公衆便所と化しています)。 
その他設備……右側に待合所(ベンチ)あり。
売店……………なし(駅出入口に飲料自動販売機があります)。  
コンビニ………なし(最寄り店舗は約550m東、国道42号沿いにある「ファミリーマート」です)。
 
改札口跡を通り抜けると1番線ホームです。ここまでは段差なく移動可能です。
ホームへ出て左側にはトイレがあり、右側には2番線・3番線に通じる跨線橋がありますが、跨線橋は階段しかありませんので2番線・3番線はバリアフリー非対応です。三瀬谷駅をご利用の場合は事前にJR東海へお問い合わせ下さい。
 
 

ホームより駅舎を撮影。北方向を望む。
旧改札口のホーム側には、きっぷ回収箱とベンチがあります。
 
 

2番線に設置の建植式駅名標です。電照式ではありません。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、三瀬谷駅に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

1番線に設置されている、建植式の名所案内です。
大台ヶ原、滝原宮、大滝峡自然公園がリストアップされています。滝原宮と大滝峡自然公園は1駅南の滝原駅が最寄駅ですが、三瀬谷駅が特急停車駅なので書かれていると思われます。滝原駅へは普通列車の本数が少なく、三瀬谷駅から三重交通バスに乗り継いだ方が早い場合もあります(バスも本数は少なく、時刻は要確認。また、三重交通バスは三瀬谷駅前ではなく道の駅奥伊勢おおだい前に発着します)。
大台ヶ原(大台ヶ原山・標高1695.1mとその周囲一帯の高地)へは奈良県側の方がメインルートになりますが、三重県側からも大杉渓谷の登山口経由でアクセス可能です。大台町の町名も大台ケ原(山)が由来と思われます。
 
 

 

 

 

駅構造……地平駅(東北東~西南西方向)。
配線………単式ホーム1面・島式ホーム1面、計2面3線の交換可能駅。
 
左(北)の単式ホームは1番線で上り多気・松阪・津・亀山方面および伊勢鉄道線経由名古屋方面です。
右(南)の島式ホームは左が2番線、右が3番線でいずれも下り尾鷲・新宮・和歌山市方面ですが、ほとんどの列車が2番線に発着し、3番線に発着するのは一部の列車です。
駅舎に面した1番線には上り列車しか停車しません。
1番線から見て2・3番線は亀山方(前方)へずれています。
 
また、3番線の右には側線が1本ありますが、手前の和歌山市方で行き止まりになっています。
 
ホーム有効長……7両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………標準レベル。但しホーム端などは線路と反対側が舗装されておらず、草が生い茂っています。
上屋(屋根)………なし(各ホームに雨よけの屋根はありますが、線路際まで届いていません)。雨天時は要注意です。 
ホーム上設備……ベンチ。
 
特急停車駅にしては貧弱な設備です。
各ホームの和歌山市方(手前側)には屋根なしで階段のみの跨線橋があり、1番線の和歌山市寄りに面して駅舎があります。
  
上2枚は1番線より、下2枚は跨線橋より、いずれも亀山方を望む。
 
 

 

上写真は2番線より、下写真は1番線より、いずれも新宮方・和歌山市方を望む。
 
 

 

1番線北側(駅舎側)の亀山方には側線が2本延びています。
かつての貨物設備跡で、2面2線だったと思われます(南側ホームは1番線の切欠構造)。今もホーム跡が残っています。
線路は1番線側が残っていますが、駅舎側は途中で途切れています。2本とも現在は保線用で使用されていると思われます。
上写真は駅外より亀山方を望む。下写真は1番線より和歌山市方を望む。
 
 

 

上写真は1番線より、下写真は2番線より、いずれも亀山方を望む。
左の保線用側線が1番線に合流後は安全側線を左へ分岐して1番線と2番線が合流、さらに前方で右からの3番線が合流します。
この先、右を通る国道42号と並走しながら住宅と農地が混在した風景の中を概ね東北東へ向けて走りますが、やがて山間部に入り、トンネルもくぐります。その後、紀勢自動車道をくぐってしばらくすると山が少し遠ざかり、茶畑も見られる農村風景の中を東北東へ走ると川添駅へと至ります。
 
 

 

 

上2枚は1番線より、下1枚は跨線橋より、3枚とも新宮方・和歌山市方を望む。
左の3番線が2番線に合流し、安全側線を左へ分岐した後に1番線と合流します。
この先、住宅地の中を西南西へ走りますが、すぐに左へカーブして住宅地が途切れると宮川を渡ります。右側には三瀬谷ダムが見えます。その後も左へカーブして農村風景の中を走りますが、紀勢自動車道をくぐると宮川の支流である大内山川の谷に沿って山間部を南下します。左側には大内山川が流れていますが、森林に阻まれてなかなか見えません…。大内山川の対岸・大紀町域には滝原宮があります。しばらくして谷が広くなって農村風景の中を走るようになると針路を南南西に取り、滝原駅へと至ります。大内山川対岸にある大紀町役場への最寄駅ですが、滝原駅は大台町域に所在します。
 
 
あとがき  
私が三瀬谷駅で下車(乗車)したのは、2002年と2021年の計2度です。2002年は普通列車で紀勢本線を踏破した際、長時間停車したため駅の外に出てみました。そして2021年は紀勢本線を乗り鉄した際に下車しました。2面3線の規模が大きい駅で、北側に古くて立派な駅舎が鎮座していますが、特急停車駅ながら2012年以降は無人駅になってしまっています。駅前は大台町の中心市街地ですが、以前からの中心地である北側よりも、駅裏で国道沿いの南側の方が商店も多く栄えている印象でした。無人化されたので、ぜひとも南口を設置してもらいたいものです。
 
東京からですと東海道新幹線に乗り名古屋駅で下車します。そして紀勢本線特急『南紀』に乗り換えて当駅下車です。または名古屋駅から快速『みえ』で多気駅まで行き、紀勢本線新宮方面の普通列車に乗り換えて当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:9時間強)。
一方、大阪からですと大阪難波駅or大阪上本町駅or鶴橋駅から近鉄の阪伊特急に乗って松阪駅まで行き、紀勢本線の特急『南紀』または下り普通列車を乗り継げば当駅に到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:10時間半程度)。
  
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約550m東、国道42号沿いにある「ファミリーマート」、最寄りのスーパーは駅南側の目の鼻の先にあるものの、出入口がないため迂回しないと行けない「マックスバリュ」(東西どちらから回っても駅から約700m南)になります。「マックスバリュ」の西隣には「道の駅奥伊勢おおだい」があり、そこに「まごころ食堂(8:00~15:30。オーダーストップ15:00)」と売店があります(休業日は事前に要確認)。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、紀勢本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は三瀬谷駅でも途中下車してみて下さい! 
 
(参考:JR東海のHP、道の駅奥伊勢おおだいのHP、Google地図、Yahoo!地図、Wikipedia)