12:24。
このVSEラストランで最後になった唐木田を後にし、友達親子と多摩線でぶらり。
最初は、多摩線内で撮ろうかなとも考えていた。
しかし、案の定というか、各駅先端の賑わいっぷりには早々に見切り。
結局新百合ヶ丘まで走り抜き、そのまま小田原線内もしばらくは逡巡し続けー。
…どれくらい眠ってしまっていたのだろう。
ちょっと充電が切れかけてしまっていたようだ。
たいちょーさん、降りますよ?
そんな声にハタと目を覚まして、意識も混濁したまま急いで荷物を抱えて降りた。
おや、経堂??
降りたのは、経堂駅。
どうやら、ここでのVSE通過を撮るのかな?と最初は思った。
上り通過線を走っていくさまを、今回はホーム中程から撮ろうかなあ…と最初は考えたのだが。
ホームの雰囲気を見て、驚いた。
駅員氏が、お手製のボードを持って立っている。
停車するのかい!
定期列車では無論停車するところを見たことはなく、引込線ツアーの時に4番線を発着するのを
見たことがあっただけで、3番線に停車するなぞレア中のレア、最初で最後のことに。
ならば、下り側から思い切りホームに停車しているところを撮ろうかと構えたが…
13:14。
いざ入線…というところで。
下り急行が来てしまった!
しかも微妙に遅れていたようで、少し気を揉んだが。
この急行も13:16には発車。
…停車中の実質的な撮影時間は、なんと1分も無かった。
周りの動きにまた気を揉みながら、手早くシャッターを切っていく。
それでも、これこそが経堂駅であることを象徴する、王道ながら唯一のカットが撮れた。
もしここでVSEが2編成とも並んだりなぞしたら、とんでもない事になっていただろう…などと
今はもう実現しない事を妄想してみたり、なんてのは撮っている時は考える余裕は無かったが。
撮っている下りホーム側からも、駅員がお手製のボードを掲げてお見送り。
賑々しく、かつ温かく。
このあたりは、実に平和な見送りシーンが見られた。
ふと思い立って降りられたことに、友達親子には感謝である。
なにより、温かく見送ろうとする駅員氏の心配りに感銘。
こうした雰囲気が、いつまでも続きますように…
そう祈りつつ、後続の急行で新宿へ向かったのだが…
…!
VSE到着から少し遅れて13:33に到着すると、そこはもう、興奮の坩堝と化していた。
定期運行最終日と変わらない、いや、それよりも酷い雰囲気。
小田急百貨店解体に伴う構内改良工事によるホームの一部縮小も、混雑に拍車をかけていた。
しんみりしている状況にはまるでなく、撮影場所を確保するのも難行苦行。
ここで新宿に足を伸ばしたことを後悔したが、ここから更に酷い状況を見ることになる。