今度は泉北高速鉄道が! | あさかぜ1号 博多行

今度は泉北高速鉄道が!

約2か月前に関東の大手私鉄京成電鉄が子会社の新京成電鉄を2025年4月に吸収合併するというニュースに衝撃を受けたばかりですが、今度は関西のやはり大手私鉄である南海電鉄と、同社の子会社である泉北高速鉄道が経営統合を行うことで基本合意したという発表がありました。
泉北高速鉄道は、南海高野線の中百舌鳥駅から分岐して大阪府和泉市内の和泉中央駅との間を結ぶ私鉄です。1971年に大阪府などが出資する第3セクターの「大阪府都市開発」という会社の運営する鉄道路線として開業しました。
2014年には南海電鉄が泉北高速鉄道をグループ企業化し、2022年には同社の全株式を取得して完全子会社化しています。
泉北高速線は開業時から南海高野線と相互直通運転を行っており、もともと南海とは深いつながりのある路線ですが、実はこの路線はもともと南海が自社で建設し運営することを想定していたものの、1960年代から1970年代にかけて南海の経営状態が悪化して多額の投資を伴う新線建設を断念したことから、トラックターミナルを運営する「大阪府都市開発」が同線の運営に当たることになったという経緯があります。その意味では、今回の南海と泉北高速の経営統合は、半世紀以上の時を経ての南海の泉北ニュータウンへの路線構想の実現ということになります。
昨日(12月20日)に発表された内容によれば、2025年度早期を目指して南海電鉄を吸収合併存続会社、泉北高速鉄道を吸収合併消滅会社として経営統合を進めるということです。
今回の経営統合の背景には、コロナ禍や人口減少による鉄道の需要減や人材確保難などがあり、南海と泉北高速の両社を統合することによりグループ経営の効率の改善を図るのが目的です。
経営統合により、両社の路線を通し利用する際の初乗り運賃の二重払いを解消したり、定期券の運賃を引き下げたりすることを検討するなど、利用客にとっても経営統合のメリットが及ぶことになりそうです。

泉北高速鉄道は、私は過去2回ほど全線乗車したことがあります。
もともと、ラインカラーなどのなかった南海高野線のステンレス車両に対し、コーポレートカラー(?)のブルーのアクセントがステンレスボディーに入った泉北高速の電車はスタイリッシュに感じ、実際に泉北高速線に乗ってみるといかにもニュータウンという感じの景色の中をスピードを上げて走る光景に関東の北総鉄道との共通点を感じたものでした。
今回の南海と泉北高速の経営統合が、今後どのような効果や影響をもたらすかが注目されますし、鉄道ファン的には現在の泉北高速のオリジナル車両の今後の動向なども注目でしょう。
そして、大手私鉄による子会社の鉄道会社との合併や経営統合の動きが、今後も続くのかどうかも気になるところです。