大人の休日パス3 駅に泊まる | tundraの世界

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倶知安行の列車が行ってしまうと風の音しか聞こえない。
線路の向こう側にキタキツネが1匹歩いていた。




雨が強くなってきたので駅舎の中に入る。
無人駅なので改札はない。
比較的広い待合室にはベンチと除雪機が置かれていた。



そして今日の宿である「駅の宿ひらふ」の入口も待合室の中にある。

インターホンを鳴らすとドアが開いてオーナーがにこやかに出迎えてくれた。


中に入るとウッドストーブが赤々と燃えていた。

山間の駅なので日が陰るのが早い。
そして日が陰ると急に寒くなる。

ホームにいて冷えた体がこのストーブの炎ですぐに暖かくなってきた。


駅事務室が改装されて今はダイニングスペースとなっている。
もちろん窓の外はプラットホームだ。

本日の宿泊者は我々夫婦だけだとの事。
なんと幸運にもこの駅舎を独占できる事になった。

部屋は2階の線路側を予約してある。

列車を眺めながら寝る事が出来きる。
鉄としては最高の宿だ。


部屋に荷物を置くと、さっそくカメラを持ってホームに戻る。
雨が時折強く降ってくる。
今にも雪に変わりそうな冷たい雨だった。


比羅夫に到着してから2時間ちょっと経った。

もうすでにあたりは暗くなっている。
反対列車がやっと来た。

 

この駅にはバスもタクシーも来ていない。

だから列車のアナウンスでは倶知安かニセコで降りる様に外国語でも伝えている。

 

列車から中国人家族が降車してきた。

彼らは待合室でウロウロしている。

宿に戻ろうと待合室に入ると、その家族がタクシーの電話番号を聞いてきた。

ホテルの送迎を予約しているのかと思ったら、間違えて降りたみたいだ。


オーナによるとかつては日本の電話も持っていない強者外国人もいたらしい。

 

 

この駅に停まる列車は上下それぞれ7本づつだ。

下りはこの駅に降りた14時54分から3時間来ない。

その下り列車をパチリカメラ

この列車にも結構な人が乗っていた。
駅舎の中で夕食を前にしている奥さんを見て車内の外国人が笑っている。
奥さんが手を振ってみたら、向こうも振り替えしてきた。

貸切の駅舎なので他の宿泊客に気兼ねがいらない。

列車が来るたびにホームに行ったり部屋から写真を撮ったりしていた。

ただなかなか満足行く写真は撮れない。

特に暗い中でのピント合わせに苦労した。

 

部屋の中からはスローシャッターでパチリカメラ

列車が消えかかっている。

スローすぎたのだろう

予想通り雨は雪に変わった。
風も強い。
寒さに耐えながら本日最終の21時28分小樽行を出迎える。


これで本日の列車はすべて終了。

 


まだ夜は長い。

ウィスキーをチビリチビリやる。

肴はウッドストーブの炎と雪が積もってゆくホームだ。​​​​​​

至福の時間が過ぎてゆく

 

炎 zzz

 


翌朝、駅前にホテルの送迎車が着いて数人のアジア人が降りてきた。
時計を見ると始発まで1時間もあった。
何でこんなに早く駅に来たのだろう??

時間を持て余している彼らは駅の周りをウロウロして、たまに窓から中を覗き込む。
こんなところに宿泊施設があるとは思わないのでなんだろう?って感じで。。。



快速ニセコライナーの回送列車が汽笛を鳴らしながら通過していった。

 

この駅の初発である6時30分長万部行がやってくると彼らは乗り込んだ。


彼らが行ってしまうと再び静寂が訪れた。

ホームに出てみる。

キーンと冷えた空気が頬を刺す。


誰も歩いていないホームに積もった雪と列車を撮ろうと思ってた。
しかしさっきの乗客たちがあちこち歩き回ったので周囲は足跡だらけだ。

でも写真に撮ってみると足跡がわからないからどうでもよかったみたい。

下りの始発はさっき通過していったキハ201系ニセコライナーだ。
ホームで列車の到着を待っていると、駅舎から西洋人が出てきた。

どうも比羅夫駅利用客の外国人比率はとても多いようだ。

(滞在中乗降客 11人 内日本人3人)

 

彼はホームで写真を撮っているのに気が付いて電柱の陰に隠れてくれた。

君さえよければ写ってよかったのだけど。。と思いながらシャッターを押す。


7時半に朝食が準備された。
我々が鉄分多めだと気が付いたオーナーは列車を見ながら食べれるようにセットしてくれている。
ちょうど倶知安行の列車がやって来たのでパチリカメラ


朝食を食べ終えると8時発の蘭越行がやってくる時間が迫っていた。
慌てて外に出てカメラを構える


よく考えたら、この駅に到着してから全列車を写真に収めていた。
他に宿泊客がいたらこんなに騒々しく出たり入ったりできなかっただろう。

ちなみに翌日は満室だとの事だ。

本当に幸運な滞在だった。



今日は富良野に向かいます。