ドリドリっちの鉄道ブログ

おもに駅訪問や券売機など、鉄道関連の話題を記述していくブログ。

JR九州2024年春ダイヤ改正概要

JR九州管内では、2024年3月16日(土)にダイヤ改正が行われます。
JR九州が2023年12月15日に発表した2024年春のダイヤ改正では、福岡、熊本、宮崎の各地区で朝・夕の通勤・通学時間帯に列車の本数や運転区間、両数を見直して混雑緩和を図るほか、利用状況に応じて列車の運転本数・区間の見直しを実施
また、九州新幹線ではみずほ603号が新たに久留米に停車し、本州方面からの利用および熊本・鹿児島方面への利用がしやすくなることが発表されました。
2024年1月24日には、BRTひこぼしライン(日田彦山線BRT)のダイヤ改正に関する概要が発表され、一部便での運行時刻・運行ルートの変更のほか、添田駅でのBRT→鉄道の乗り換え時分拡大が図られます。


今回のダイヤ改正の概要

九州新幹線


みずほ603号が新たに久留米駅に停車(10時08分発)。関西・中国地区と久留米地区および熊本・鹿児島地区への利便性を向上
 ダイヤ改正以降、熊本駅の到着時刻は10時27分→10時28分に、鹿児島中央駅の到着時刻は11時09分→11時11分にそれぞれ変更

ダイヤ改正以降、1日あたりの運行本数は105本で、ダイヤ改正後も変更なし

◎西九州新幹線

大幅な改正は予定されておらず、一部列車の運行時刻を変更。

運行本数は1日あたり47本ダイヤ改正後も変更なし

◎特急・D&S列車

ソニック

夕方のラッシュ時間帯以降に福間駅に停車する「ソニック」の本数を増加
また、大分駅21時43分発の「ソニック60号」は、改正後は発車時刻を13分繰り上げ、21時30分発に変更
博多駅には現行ダイヤ(23時58分)より7分早い23時51分に到着し、福岡市地下鉄空港線筑肥線方面最終列車への乗り換え時分の改善を実施

☆リレーかもめ、みどり、かささぎ

利用客が多い午前の時間帯に「リレーかもめ14号」をダイヤ改正以降増発し、混雑緩和を図る
(2023年10月7日より土休日ダイヤで実施していたものを、平日にも拡大)
 現在、平日ダイヤで「みどり(リレーかもめ)14号」として運転している列車は、運転時刻を変更し、「みどり16号」として運転(現行ダイヤでは土休日に「みどり74号」として運転中)
佐賀始発の「かささぎ204号」はダイヤ改正以降、運転を取りやめ
 運転取りやめに伴い、同時間帯に運転されている肥前鹿島始発の「かささぎ104号」の両数を6両から8両に変更

☆ひゅうが

朝通勤・通学時間帯の延岡発宮崎空港行き「ひゅうが7号」はダイヤ改正以降、運転を取りやめ
 また、「ひゅうが5号」の運転時刻を変更し、行き先を宮崎行きから宮崎空港行きに変更
ダイヤ改正以降、「ひゅうが18号」(宮崎23時19分発)は運転を取りやめ
「ひゅうが16号」は運転時刻を変更(現行宮崎22時26分発→改正宮崎22時42分発)、宮崎駅で終点となる「きりしま18号」からの接続を行う

A列車で行こう

ダイヤ改正以降、運行本数は3往復6本から2往復4本に減少
 また、下りの1号・3号の乗車時間を現行の約50分から約65分に変更。途中停車駅となる網田駅での停車時間を拡大。

☆海幸山幸

ダイヤ改正以降、運行本数は2往復4本から1往復2本に減少
 ほかの特急列車からの接続を改善し、遠方からの乗客利用に配慮
 また、下りの1号の乗車時間を現行の約90分から約105分に変更。おもてなし駅となる飫肥駅での停車時間を拡大。

指宿のたまて箱

ダイヤ改正以降、喜入駅を通過
 所要時間および鹿児島中央駅指宿駅の発着時刻は現行ダイヤと変更なし

在来線特急列車の1日あたりの運行本数は243本で、現行ダイヤと比べて2本減少

◎快速・普通列車

★福岡・佐賀地区

鹿児島本線

日中に運転している区間快速列車の快速運転区間を一部変更
 2本中1本を原則「折尾~羽犬塚間快速」とし、北九州・福岡・筑後地区の速達性、利便性向上を図る
 「福間~二日市間快速」となる区間快速は変更なし
 区間快速ではあるが、久留米駅荒木駅では2022年9月、羽犬塚駅では2018年3月のダイヤ改正以降、日中時間帯に博多まで乗り換えなしで行くことができる快速列車の設定がなかったが、ダイヤ改正で復活
(2018年3月~2022年9月まで設定されていた、荒木始発・終着となる久留米~博多間区間快速列車を含み、羽犬塚始発・終着となる二日市~博多間区間快速列車は含まない)
 羽犬塚駅がある筑後市では、2022年秋および2023年秋に利用客に対しダイヤ改正に関するアンケートを実施した際、快速列車の本数を増やしてほしいという意見が多く寄せられていたため、その点にも配慮か
筑後市ホームページ 「JR九州ダイヤ改正(令和4年9月23日)に関するアンケート調査結果(令和5年度追跡調査)を公表します」
2023年秋アンケート実施分

2022年秋アンケート実施分

日中に運転している普通列車の運転区間を一部変更
 博多方面⇔海老津駅を運転している一部普通列車の運転区間折尾駅まで延長
 上り・下りとも折尾駅福北ゆたか線直通列車との接続を確保し、福岡・宗像方面からの利便性を確保
 遠賀川駅水巻駅ではこれまで停車していた区間快速のうち前述の「折尾~羽犬塚間快速」となる列車がダイヤ改正以降運転されるため、通過列車が増える形となるが、普通列車の運転区間を延長することで日中の停車本数は現行と変わらないものとみられる

朝の通勤・通学時間帯の臨時列車を定期化、運転区間も一部延長
 2023年6月1日から、平日に臨時列車として運転されている福間発南福岡行きの快速列車(9121M、福間7時08分発)と、南福岡発吉塚行きの普通列車(9122M、南福岡8時05分発)の2本を、ダイヤ改正以降は毎日運転する定期列車に変更
 また、南福岡発吉塚行きの普通列車は、ダイヤ改正以降福間行きに変更

夕方の通勤・通学時間帯に筑後地区⇔博多方面の快速列車新設および運転区間延長
 現行ダイヤでは荒尾発海老津行きの区間快速列車(1320M→2186M、大牟田~久留米間快速)に羽犬塚以南の駅から乗車した場合、博多方面に早く到着するためには久留米駅で接続を行う荒木発門司港行きの快速列車(4230M)に乗り換えが必要となっているが、この列車を統合し荒尾発門司港行きの快速列車を新設することで、羽犬塚以南の駅からでも博多方面へ乗り換えなしで行くことができる列車が増加
 さらに、博多駅19時21分発快速羽犬塚行き(4229M)は、ダイヤ改正後荒尾行きに変更(改正後の博多駅の発車時刻は19時26分)
 博多駅20時21分発の快速荒木行き(4231M)は、ダイヤ改正羽犬塚行きに変更(改正後の博多駅の発車時刻は20時22分)

 また、博多駅19時40分発の区間快速荒尾行き(4139M)は、ダイヤ改正後久留米行きに変更されるが、終点の久留米駅で熊本行き普通列車と接続を行うことで、利便性を確保(改正後の博多駅の発車時刻は19時42分)
 いずれも、前述の羽犬塚駅、あるいはそれ以南の利用客に対する配慮とみられる

博多駅の上り最終列車となる福間行きの普通列車(2880M)について、両数を4両から8両に変更し、混雑対策を図る

荒木駅の下り最終列車が繰り上げに
 現行ダイヤで運転されている門司港発荒木行きの普通列車(2347M)は、ダイヤ改正以降久留米行きに変更
 荒木駅へ向かう下り最終列車は小倉発荒尾行きの区間快速列車(3237M)となり、ダイヤ改正以降荒木駅の下り最終列車は30分繰り上げとなる形に

福北ゆたか線

朝の通勤・通学の時間帯に長者原発博多行きの普通列車を1本増発。混雑対策を図る
 長者原駅で香椎線・宇美方面からの接続も実施し、利便性も確保

博多駅の上り最終列車となる新飯塚行きの普通列車(2690H)について、両数を2両から3両に変更し、混雑対策を図る

日豊本線

普通列車・中津発小倉行きの上り最終列車(2576M)の運転時刻を5分繰り上げ。
 小倉駅への到着時刻は23時39分から5分早くなり23時34分に。小倉駅鹿児島本線の上り普通列車門司港行き(138M、小倉駅23時38分発)に接続し、小倉駅での待ち時間を短縮

★佐賀地区

長崎本線

江北発肥前鹿島行きの普通列車を22時台に1本増発
 博多・佐賀方面および武雄温泉方面からの特急列車との接続は、同じホームで行う
 なお、2023年12月20日からダイヤ改正前日となる2024年3月15日まで、臨時列車として同じ時刻で運転する予定

★熊本地区

豊肥本線

朝・夕の通勤・通学時間帯に列車の両数を見直し、混雑緩和を図る

肥後大津駅を夕方に発車する普通列車の運転間隔を見直し、利便性向上を図る

鹿児島本線

朝・夕の通勤・通学時間帯に列車の両数を見直し、混雑緩和を図る

★鹿児島地区

鹿児島本線日豊本線指宿枕崎線

鹿児島中央駅を発車する最終列車の時刻を繰り下げ
現行ダイヤでは各方面23時32分発となっているが、これを各方面23時35分発に3分繰り下げることで、新幹線からの接続改善を図る

★宮崎地区

日豊本線

朝・夕の通勤・通学時間帯に列車の運転区間や両数を見直し、利便性向上や混雑緩和を図る

宮崎空港線

利用状況に合わせて、運転本数や時刻の見直しを実施
 宮崎空港線を運転する1日あたりの列車本数は62本となり、ダイヤ改正後は3本減少

日南線

一部快速・普通列車の運転時刻・行先を変更
 志布志南宮崎行きの快速日南マリーン号(1946D)は、ダイヤ改正で宮崎行きに変更
 
在来線快速・普通列車の1日あたりの運行本数は2661本で、ダイヤ改正後は6本増加

◎BRTひこぼしライン(2024/1/24 発表)

★運行ルートの変更

日田→添田方面行きの上りのBRT3本を、現在の直行ルートから、日田市役所前、昭和学園前、林工西口にも停車する高校ルートに変更
 直行ルート→高校ルートに変更されるのは、ひこぼし12号、14号、104号の3便
 これにより12時以降、午後に運行される日田→添田方面行きの上りのBRTは全便が高校ルートとなり、利便性の向上を図る

★運行時刻の変更

筑前岩屋発「ひこぼし101号」は日田方面への通学利便性向上のため、筑前岩屋駅の発車時刻を現行ダイヤよりも23分繰り下げ
 (現行 筑前岩屋 5時52分発 → 改正 筑前岩屋 6時15分発)
 夜明駅久大本線・久留米方面の列車への接続改善も図る
 「ひこぼし101号」の運行時刻変更により、日田発「ひこぼし4号」の運行時刻が繰り下げられる

通学利用が多い添田発「ひこぼし1号」は交通状況を鑑み、添田駅の発車時刻を現行ダイヤよりも5分繰り上げ
 (現行 添田 6時00分発 → 改正 添田 5時55分発)
 「ひこぼし1号」の運行時刻変更により、日田発「ひこぼし2号」の運行時刻が繰り上げとなるため注意

添田駅でのBRT→鉄道乗り換え時分の拡大

利用者が多い日中のBRTについて、添田駅におけるBRT→鉄道の対面乗り換え時分を、現行の10分から15分に拡大
 乗り換え時分が拡大されるのはひこぼし6号、8号、10号、12号の4便

BRTひこぼしラインの1日あたりの運行本数は32本で、ダイヤ改正後も変更なし

このほかの線区でも運転時刻や行き先などが変更される予定。
ダイヤ改正後の詳細な時刻は、新幹線・在来線特急列車については2024年2月号の各種時刻表、在来線の快速・普通列車およびBRTひこぼしラインを含む全列車の時刻は2024年3月号の各種時刻表および九州時刻表2024年春号に掲載される予定。

感想等

2024年3月に予定されているダイヤ改正では、2022年9月のダイヤ改正以降続いているラッシュ時の混雑対策が図られるほか、利便性向上に向けた行き先・快速区間の変更や両数増加が実施されており、各地の自治体が懸念を示していた内容に一定の改善が図られている印象です。
特に筑後地区の駅での改善は、私が予想していたものとは大きく異なっており、日中の博多駅への所要時間短縮も期待できそうです。
一方で、夜遅くの時間帯は利用客の回復が遅れていることから、一部線区で終電の繰り上げが実施されています。
ダイヤ改正で今以上に少しでも列車が利用しやすくなることを願っています。

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(後日掲載いたします。)

リンク・出典記事

(すべてPDFファイルです)
JR九州・プレスリリース 全九州版 福岡・佐賀地区はこちらから(2023年12月15日掲載 2024年春ダイヤ改正)
九州新幹線・西九州新幹線、在来線特急列車の改正後暫定ダイヤもこちらからご覧いただけます
https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2023/12/15/231215_2024daiya_kaisei.pdf
JR九州熊本支社 プレスリリース(2023年12月15日掲載 2024年春ダイヤ改正)
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/dai2024/pdf/press_kumamoto24.pdf
JR九州鹿児島支社 プレスリリース(2023年12月15日掲載 2024年春ダイヤ改正)
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/dai2024/pdf/press_kagoshima24.pdf
JR九州宮崎支社 プレスリリース(2023年12月15日掲載 2024年春ダイヤ改正の実施について)
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/dai2024/pdf/press_miyazaki24.pdf
JR九州 BRTひこぼしライン ダイヤ改正プレスリリース(2024年1月24日掲載 BRTひこぼしライン2024 年 3 月ダイヤ改正について)
https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/01/24/240124_BRT_daiyakaisei.pdf
JRグループ 2024年春ダイヤ改正について(JR西日本ホームページ、掲載)
(後日掲載予定です。)

(記事作成 2023年12月15日 最終更新日 2024年1月24日 BRTひこぼしラインのダイヤ改正概要を追加し、一部表記を変更)