本日はJR各社の来年3月16日ダイヤ改正についてのプレスリリースが発表されましたが、北海道に関しては…

・快速エアポートの増発、千歳線普通・快速列車の再編

・快速列車全列車を桑園駅に停車

・kitacaエリア拡大(岩見沢~旭川、函館~新函館北斗)

・特急列車の全車指定席化または指定席車の拡大

・函館本線岩見沢~旭川に733系電車を導入、721系電車を置き換え

・石北本線・釧網本線の全普通列車をH100形に置き換え

・中ノ沢、滝ノ上、初野、恩根内、愛山の5駅を廃止

といった処でしょうか。

 

JR北海道プレスリリース「2024年3月ダイヤ改正について」

https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20231215_KO_kaisei.pdf

 

そのダイヤ改正の全貌について述べるのは他の方にお任せするとして、今回は石北・釧網本線の普通列車からついに国鉄型車両が撤退、H100形に全て置き換えられるという事について取り上げたいと思います。

 

 

 

正直申し上げまして、国鉄型フリークの私にとってはまさに残念としか言いようがありません。石北本線については以前から試運転が行われており、またH100形の増備が進んでいる事もあって驚く程の事ではありませんでしたが、キハ40形登場から40数年運用されてきただけに、今回の置き換え発表は一抹の寂しさを感じずにはいられないのです。

現在運用されている車両で最も古いのは1979年製の2次量産車で、もう44年が経過しているためよく持ったな、という感慨もありますが…。

(『タラコ』の愛称で親しまれているキハ40 1758も1979(昭和54)年製である)

 

 

 

それより驚いたのが釧網本線のキハ54形(一部40形)についてもH100形に全て置き換えられるという事でした。確かに、先月同線に乗車した時に川湯温泉駅にて試運転列車との交換シーンを目撃した事もあり、まさか釧網線も…?と思ってはいましたが…。

 

 

 

ただ、路線が長距離だけに、従来のキハ54形で賄っていた観光客輸送は捌ききれないのでは…という懸念があります。ご承知かとは思いますがH100形はトイレが非常に大きく、機器室の関係で非客室スペースが多い上にクロスシートが非常に少なく、立席重視で定員をキハ40形並みに取っているというシロモノでして、JR北海道のプレスには「・車両の冷房化や低床化、車いすスペースや車いす対応洋式トイレにより、快適にご利用いただけます。」と記載されているものの、クロスシートが全部で18席しかなく、残りの座席がロングシートでは快適とは程遠く、下手すれば立席を余儀なくされる事もあるのでは?と。

(JR東日本のいわゆる『走ルンです』シリーズと同様の座席は長距離客にはツラい)

 

(いくらバリアフリー対応とはいえ、こんなにだだっ広いトイレは必要なのか!?)

 

 

 

キハ54形も製造から37年を経過し、ステンレス製車体とはいえ老朽化が進んでいるため新車に置き換えなければならないという事情はわかります。しかし、H100形は通勤仕様でハッキリ言って観光客向けではなく、従来の仕様のままで釧網本線に投入するのは無理があるのではないかと考えます。せめて仕様をキハ54形のように転換クロスシート(またはリクライニングシート)に換装し、観光客向けに車内をカスタマイズすべきではと。座席は721系(またはキハ183系などの特急型車両)の廃車発生品を表地張替えの上で再利用すれば良いと思います。勿論シートピッチと窓割が合わないという問題はありますが。

 

 

 

特急列車が走らない釧網本線だからこそ、観光客にとって快適な旅を提供する事が路線の魅力をよりアップさせる事だと私は考えます。せっかく釧路湿原、知床連山、オホーツク海と景勝地に恵まれた路線なのに、車両が通勤仕様で景色を楽しめないようでは路線のイメージダウンにもつながり、「もうJRに乗るのはコリゴリだ」と乗客に悪印象を与える事になりかねません。

 

 

 

一応『くしろ湿原ノロッコ号』や『流氷物語号』といった観光列車も走ってはいますが、どうしても定期列車をH100形そのままの仕様で導入するなら、観光シーズンにはまなす・ラベンダー編成を使用した全車指定席の観光特急列車(愛称例:『花たびしれとこ摩周号』)を釧路~網走の間で走らせてみては?と。普段特急列車が走らないだけに、一般の旅行客や鉄道ファンの集客にはもってこいではないでしょうか。

 

 

 

…テツの戯言はこの辺にしておいて、石北本線全列車(さらに言えば函館本線の923Dなどの気動車列車も)からのキハ40形撤退は大きなトピックで、コチラに関しては特急列車が走っているため文句は言いません。しかし乗り鉄(特に18キッパー)にとっては釧網本線と同様に大きなショックだと思います。

一応、色モノ40としては『山紫水明』『北海道の恵み』各シリーズは観光列車用として残るでしょうが、他の旭川配置の色モノである国鉄色(タラコとツートン)や宗谷急行色の処遇はどうなる事やら?ダイヤ改正以降の動向が注目されます。