今回の【駅】シリーズは、
神奈川県横浜市戸塚区北部の丘陵地に広がる住宅街に位置する横須賀線と湘南新宿ラインの駅で、並行する東海道線にはホームが設置されていない、
東戸塚駅 (ひがしとつかえき。Higashi-Totsuka Station) です。
駅名
東戸塚駅 (横須賀線…JO 11、湘南新宿ライン…JS 11)
所在地
神奈川県横浜市戸塚区
乗車可能路線・系統
JR東日本：横須賀線、湘南新宿ライン
(※) 正式な路線名称は東海道本線ですが、東海道線列車は停車しません。
隣の駅
横須賀線・湘南新宿ライン共通
大船方・久里浜方……戸塚駅
東京方・新宿方………保土ケ谷駅
訪問・撮影時
2022年5月
駅概要
駅形態……………地平駅(1980年開業)。
駅舎………………開業時以来のものと思われる橋上駅舎。
出入口……………東口、西口。橋上駅舎は東西自由通路併設。
バリアフリー……対応済(東口と西口外にエレベーター設置)。
点字ブロック……東西駅前広場～出入口～改札～ホームに設置。
駅前広場…………東西にあり(東西ともロータリー有。東西ともバス停留所とタクシー乗り場を併設)。
正面口に相当する東口です。
上写真は北側デッキ階段より西を、中写真は駅前広場南側より北西を、下写真は3階ペデストリアンデッキより西を望む。
橋上駅舎の改札階は築堤上にあるホームより高い位置にあるため、谷になっている東口から見ると3階レベルです。
1階～3階に出入口があり、2階と3階は駅前広場を跨いで東側にある商業施設「オーロラシティ」とを結ぶペデストリアンデッキに直結しています。ペデストリアンデッキは二層式です。
また、1階出入口には階段・上下方向エスカレーター・エレベーターが設置されていて、ペデストリアンデッキ直結の「オーロラシティ」にもEVがあるため、東口はバリアフリーに対応しています。
駅前広場は広く、バスターミナルとタクシー乗り場が設置されています。
東口駅前です。駅前広場北側より東を望む。
正面には再開発による1999年開業の商業施設「オーロラシティ」があり、手前には百貨店「西武東戸塚S.C.(旧・西武東戸塚店)」が、奥にはスーパー「イオンスタイル東戸塚(旧・ダイエー東戸塚店)」が入居しています。
西武とイオンスタイルの中間にはタワーマンションがあります。
東口駅前です。
3階ペデストリアンデッキより北を望む。左が東口、右が「オーロラシティ」です。
東口駅前はビルや商店が多いですが、駅から離れると住宅地が広がっています。
また、周辺は丘陵地で、東口がすり鉢状の谷底にあるため、北、東、南の各方向へ進むにつれて標高が上がります。
特に「オーロラシティ」の両側にある駅東側への坂道は綺麗な直線で、印象的な風景です。
そして、約2km北東を通る国道1号線には、箱根駅伝2区・9区の、特に2区の難所である権太坂があります。
東口駅前です。
3階ペデストリアンデッキより南を望む。右が東口、左が「オーロラシティ」です。
南側も駅前にはビルや商店が多いですが、北側よりもマンションが多い印象です。こちらも南へ進むごとに標高が上がります。
こちらは西口です。いずれも東方向を望む。
西口は地形の関係で出入口が改札階と同じ3階レベルになっていて、段差がありません。
逆に駅前広場の方が一段高い位置にあります。
上写真撮影地点の駅前広場と西口出入口の間は階段とスロープで結ばれているほか、南側(写真右外)に建設された商業施設「モレラ東戸塚」にエレベーターのデッキが設置されており、駅前広場から「モレラ東戸塚」とエレベーターを経由して西口へアクセス可能です。
西口駅前です。西を望む。後方に西口があります。
右前方の階段上にロータリーがあります。左側の複合ビルは低層階が「モレラ東戸塚」、高層階がマンションです。
西口の一段高い位置にはロータリーがあり、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。バス停は東口より小規模です。
西口駅前も再開発され、新しいビルや商業施設が建ち並んでいます。
写真は北西を望む。後方の階段下に西口があります。
ビル街は駅前のみで、駅を少し離れると住宅街が広がっていますが、東口側と比較して開発が遅れており、まだまだ緑が残っています。近年は開発が進行しています。
こちらも起伏に富んだ地形であるため、坂道が多いです。
約500m西には横浜新道の川上インターチェンジがあります。
また、直線距離で約1.5km～約2.5km北西の丘陵地には複数のゴルフ場(横浜カントリークラブ、戸塚カントリー倶楽部)が立地しています。
橋上駅舎2階(東口から見て3階相当)にある改札口です。北を望む。右が東口、左が西口です。
駅員配置………あり(業務委託駅)。終日にわたり駅員が配置されています。
自動改札機……あり(10通路)。
ICカード………『Suica』のエリア内。
有人通路………あり(窓口に面した左端通路。点字ブロック設置で車いす対応幅)。
幅広通路………あり(有人通路のみ。自動改札通路に幅広通路なし)。
窓口……………あり(改札窓口と左手前の『みどりの窓口』)。
自動券売機……あり(改札左手前『みどりの窓口』の左側。ICチャージ可)。指定席券売機併設。
自動精算機……あり(ICチャージ可)。
トイレ…………改札内外(改札内は多機能トイレ併設。改札外は車いす対応トイレ併設)。
売店……………あり(改札外の左後方の西口前にJR東日本系の「KIOSK」があります)。
コンビニ………あり(改札外右側にJR東日本系の「ニューデイズ」あり)。
改札外のトイレは、東西の駅前広場にそれぞれ設置されています。
改札内に売店・コンビニはありません。
そして1階にあるホームとの間には階段・上下方向エスカレーター・エレベーターが設置されていて、東戸塚駅はバリアフリーに対応しています。
但し、エスカレーターは全日17:30以降は全て上り運転となりますのでご注意下さい。
東京方面1番線に設置されている吊下式駅名標です。
電照式でバックライトはLEDですが、今は点灯させていないかもしれません。
JR東日本の標準デザインで、矢印の中央には横須賀線のラインカラーであるブルーが表示されていますが、同じ線路を走り、当駅にも停車する湘南新宿ラインのラインカラー(赤色)は非表示です。
但し、駅ナンバリングは横須賀線「JO 11」のみならず、湘南新宿ラインの「JS 11」も併記されています。
そして、東戸塚駅は特定都区市内制度における横浜市内駅であることから、右上に「浜」マークが表示されています。
駅構造……地平駅(東口から見て2階相当の高さ)。ホームは南北方向。
配線………島式ホーム1面2線。手前の久里浜方はカーブを描いています。
左(西)が1番線で横須賀線上り東京方面・千葉方面および湘南新宿ライン北行の新宿・大宮方面です。右(東)が2番線で横須賀線下り久里浜方面および湘南新宿ライン南行の逗子方面(横須賀線)、小田原方面(東海道本線)です。但し、湘南新宿ラインの東海道線方面列車は全て当駅を通過します。
2番線の右側、若干高い位置には東海道線の複線が並走していますが、ホームは設置されていません。保土ヶ谷駅にも東海道線にホームがありませんので、東海道線列車は普通であっても横浜～戸塚間がノンストップになります。
また、1番線の左側には東海道貨物線の複線が並走していますが、こちらにもホームは設置されていません。東海道貨物線には貨物列車のほか、一部の特急『湘南』も走行します。
ホーム有効長……15両分(実際は20m車16両分の長さ)。
ホームドア………なし(2022年5月時点)。
ホーム幅…………中ほどは広く、両端は若干狭いです。
上屋(屋根)………ほぼ全長に設置(15両編成列車は全て上屋内に収まります)。
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機、冷暖房完備の待合室。
また、ラッシュ時は非常に混み合う事から、ホーム中ほどには青のラインで歩行者通路を設定して、通路上に行列を作らないように促しています。
写真は東京方を望む。
こちらは久里浜方を望む。
右が1番線、左が2番線です。1番線の右に東海道貨物線が、2番線の左に東海道本線が、それぞれ並走しています。
また、1980年以前は東海道線列車と横須賀線列車が同じ線路(現・東海道線の線路)を一緒に走っていましたが、東戸塚駅は存在していませんでした。東海道線と横須賀線の線路共用により線路容量が限界に達したため、横浜地区では東海道貨物線を横浜羽沢経由の新線に移設の上、空いた旧貨物線を横須賀線に転用し、1980年10月1日には東京駅～大船駅間において東海道線と横須賀線の分離が成されました。この分離は、各路線の列車番号末尾のアルファベットから「SM分離」と呼ばれましたが、SMには卑猥な意味はありませんのであしからずｗ そして、この分離運転開始と同時に東戸塚駅が開業し、横須賀線列車のみが停車する駅でしたが、2000年代に入って湘南新宿ラインの列車も停車するようになりました(横須賀線直通列車のみ。東海道線直通列車も横須賀線の線路を通るものの、当駅と保土ケ谷駅は全列車通過します)。その一方、東海道線の列車は一度も東戸塚駅に停車したことがありません。また、SM分離により利便性は低下する事なく、むしろラッシュ時などは増発により利便性が向上しました。横浜～大船間においては昔も今も横須賀線が緩行線の役割を担っています。現在は湘南新宿ラインの列車も横須賀線の線路を走ります(湘南新宿ラインの東海道線直通列車は戸塚駅の南側で転線します)。
発車メロディは、
1番線……Gotadel Vient (半音低い)
2番線……Cielo Estrellado (半音低い)
です。
保土ケ谷駅も全く同じです。
久里浜方を望む。
横浜～大船間は線路別三複線で(戸塚駅付近は横須賀線と東海道線が方向別)、左から東海道線の複線、横須賀線の複線、東海道貨物線の複線の順です。三複線は大船駅まで続きます。
この先、右へカーブしながら丘陵地に広がる住宅街の中を走ると平戸永谷川の谷を走るようになり、工場が建ち並ぶ中を南西へ走ります。その後は平戸永谷川と阿久和川が合流した柏尾川を渡ると左へカーブして進路を南に変え、住宅地の中で横須賀線下り線(久里浜方面)が高架橋になって東海道線上下線を乗り越すと東海道線の左へ回ります。そして東海道線と横須賀線が方向別複々線の形になると市街地に入り、戸塚駅へと至ります。東海道線にもホームがあり、方向別複々線なので、東海道線と同一ホーム上での乗換が可能で便利です。横浜市営地下鉄ブルーラインとも乗換可能です。
東京方を望む。
ホーム端付近で右側の東海道線が大きく右へカーブして横須賀線・東海道貨物線と離れます。
この先、左の東海道貨物線と線路別複々線の状態で北上すると緑が残るローカル風景に変わりますが、右へカーブするとすぐにトンネルに入り、トンネル内でも右へカーブして、トンネル内で直進する東海道貨物線と分かれます。トンネル内で保土ケ谷区へと変わり、トンネルを出ると右手には先ほど分かれた東海道線と合流して再び並走状態になります(東海道線との線路別複々線)。その後は起伏に富んだ住宅街の中を北東へ走り、横浜横須賀道路をくぐると右へカーブして引き続き住宅街の中を東へ走ります。右には国道1号線が寄り添います。そして左へ大きくカーブして進路を北東に変えると保土ケ谷駅へと至ります。東戸塚駅と同様、東海道線にホームはありません。
あとがき
私が東戸塚駅で下車(乗車)したのは2022年の1度きりです。東京都の全駅を訪問する目的の一環とは別に、都内に近い駅なので下車しました。横須賀線のみにホームがある駅で、隣を東海道線列車が頻繁に通過します。橋上駅舎を有していますが、地形の関係で西口は出入口より駅前の方が高い位置にあります。駅前は東西とも大規模な商業施設が複数見られるものの、それは駅前のみで、少し離れると閑静な住宅街が広がっています。また、駅周辺は起伏に富んでおり、特に東口から東にかけては急な上り坂が見られます。
新宿駅からですと湘南新宿ライン横浜方面の普通列車に乗車すれば乗換なしで到達できます(快速・特別快速は通過します)。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り新横浜駅まで行き、横浜線上りの東神奈川方面電車(種別不問)に乗り換えて東神奈川駅で下車。そして京浜東北線に乗り継いで横浜駅で下車します(新横浜から乗換なしで行ける列車もあります)。最後は横須賀線久里浜方面または湘南新宿ライン大船・逗子方面の列車(快速・普通)に乗り換えて当駅下車です(小田原方面の列車は種別にかかわらず通過)。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
食料・飲料について、駅構内改札外に「ニューデイズ」と「キオスク」があり、東西の駅前にも複数のコンビニがあります。一方、飲食店も駅構内や東西駅前にチェーン店を含めて多数の店舗があります。事前に用意しなくても大丈夫です。
大阪からの到達難易度もそう高くありません。横須賀線・湘南新宿ラインを乗り鉄の際は、ぜひ一度は東戸塚駅でも途中下車してみて下さい！
(参考：JR東日本のHP、Departure Melody Room、Google地図、Wikipedia)