太宰治ゆかりの跨線橋と「男のロマンを売る店」 | 書斎の汽車・電車

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インドア派鉄道趣味人のブログです。
鉄道書、鉄道模型の話題等、つれづれに記していきます。

 小田急のVSEの「完全引退」が趣味界を騒がせていますが、中央線の三鷹にも、惜しまれつつ姿を消したものがあります。

 

 12月10日限りで、三鷹駅の武蔵境寄りにあった「三鷹跨線人道橋」が使用中止となりました。

 昭和4(1929)年に建築されたといいますから、90年以上ということになりますか。さすがに老朽化したことから廃止と相成りました。

 

 鉄道ファン的には、中央線と三鷹電車区(今は三鷹車両センターと言わなければならないか)を見渡せる跨線橋ですが、世間的には、太宰治ゆかりの跨線橋として知られていました。

 

 最終日が近付くにつれ混雑したようで、最終日は予約制になったそうです。さすがにそうなると出かけるのも気が引けましたが、考えてみればこの跨線橋、かつては度々訪れていました。その頃はまだ太宰ゆかりのというのも「知る人ぞ知る」でしたが、一方で太宰ブームというのも根強くて、わざわざ三鷹に移住する方も多いと聞きます。

 

 太宰治が入水自殺を図った玉川上水も眺めてみましたが、何だか水がチョロチョロ流れるばかりで、これで自殺なんてできるのかと思いましたが、聞けばかつては水量がはるかに多く、落ちたらひとたまりもなかったんだそうです。

 

 さて、三鷹駅の武蔵境寄りといえば、かつては「トリオ商会」なる模型店がありました。鉄道模型の品揃えも充実していましたが、プラモデルやモデルガンも扱う総合模型店でした。残念ながら確か1990年代末には閉店となりましたが、今もあれば「町模型でやろうぜ」で取り上げたと思います。

 この「トリオ商会」、日除けテントに「男のロマンを売る店」と大書していたことでもよく知られています。閉店後もしばらくはお店が残っていましたので、テントの「名文句」もしばらくは姿をとどめていました。模型に全く縁のない中央線利用者の中には「あれは何の店だ?」と思った方も多いに違いありません。

 

 あの跨線橋がなくなったことから、なつかしい模型店のことも思い出しました。このところ書評ばかりが続いた当ブログも、ここでちょっと一休みといったところです。