いよいよ最後の記録、はじまる
海老名電車基地39番線に据え付けられたVSE。
13:45頃から、いよいよ撮影会が始まった。
実は今回、並んだ順にA班・B班と分けられ、その順に撮影が行われた。
先ず15分間は手前の架線柱より左側がA班で、右側がB班。
その後の15分間で左右が逆転した後、5分間は引き、ラスト15分間がフリーとなった。
自分はA班となり、正面から向かって左側をあちらこちら転戦。
スペースも申し分なく広く取られ、ストレスなくゆっくりと撮影することができた。
公式に注意通達されていたことではあるが、三脚や脚立の持ち込みが無かったのも良かった。
何より、気持ちのいい冬晴れ!
…というには実は気温が思っていたより上がり、時折汗に苦心したのはここだけの話。
朝晩が冷え込んだが、予報を見越して厚木厚着してこなかったのは正解だった。
幾度か行われてきた海老名電車基地での撮影会だが、自分は一般公開以外は今回が初めて。
そして、これが最後のことになったため、つくづく雨雪に降られなくてホッとした。
有料撮影会には懐疑的だった自分だが、これだけの環境で撮れて、かつ最後に乗車もできるなら
これはこれでアリ、と思ってしまうあたり調子のいいもんだと自ら苦笑してしまう。
しかもお土産のグッズも付いてだから、まぁ…良いか!と割り切ってしまった。
ただ、値段と内容のバランスというものは、これからもよくよく注意して見るポイントになる。
先月もどことは言わないが、なんだかな〜と感じる事例も散見されてきているので。
とにかく今回の海老名は、終始いい意味でまったりムードで推移。
所々に顔見知り同士が居たのか、談笑も聞こえつつの良い雰囲気のまま時間が流れていった。
自分も団臨乗車の際にお世話になった人に再会したり、楽しい時間を過ごせたのである。
時には、留置中の1000形と並べてみたり。
引いたり、視点を落としてみたりとできうる限りのアングルを試してみた。
さすがにバラスト上でずっとしゃがんでいるのは疲れるので、短めにはしたが。
これほど唯一無二の個性を持った車両も、そうそう出てこないのではないか。
細かいことを今更あれこれ言い出したらキリがないが、それが出した時の精一杯。
間違いなく箱根観光で「行く理由」になる車両だったことは歴史が証明している。
それゆえに保守・維持が大変だったこともまた事実で、それが引退を早めた。
それもVSEがVSEであるためにはやむを得ざることだったと思うし、それも伝説になっていく。
ただそれだけのことと、静かに送り出すのもファンの責務だと思うのだがね。
水面下に感じた僅かなモヤモヤは、ラストランが進むにつれてより広がっていくことになる。