11月の半ばに投稿しました「GM 京阪神緩行線の旧国はどうなったの」で、ボディ塗装の済んでいるクモハ51とクハ68のHゴムに色入れ宣言(→こちら)をしていましたが、漸く着手することになりました。
対象車両のクモハ51(左)とクハ68(右)です。
旧国51系が京阪神緩行線で運用されていた当時のHゴムの色を、撮影した写真で確認してみました。
クモハ54104 (1964年 京都駅)
クハ68040 (1965年 京都駅)
モハ72921 (1964年 京都駅)
窓枠にアルミサッシを使用した新形のモハ72920番台では明るい灰色のHゴムが使用されていますが、古参の51系車両では、クモハ51の前面でクッキリ見えている灰色以外は何れも暗めの灰色に見えます。
Hゴム塗装用にタミヤのエナメル塗料で黒色~白色の各色を準備しました。キャップの色から判断すると、ダークグレー(XF-24)か、ニュートラルグレー(XF-53)のイメージになります。
Hゴムの色入れには、幅が均一の線が引ける烏口(からすぐち)を使用するのが常道のようです。そこで烏口を数年前にオークションで入手していながら、今迄Hゴムの着色は面相筆ばかりで、烏口を使用したことがありませんでした。今回、初めて試してみることにしました。
いきなり対象車両で挑戦して失敗するのは明白であり、取り返しがつきませんので代用ボディを準備しました。
GM製の一体ボディキットであるモハ70です。吹付塗装の際に、試し吹きに使用しているもので、側面にはぶどう色2号も吹き付けてあり、烏口のデビューにはお誂え向きです。
烏口は、製図をする際に製図用インクに浸して線を引くのが本来の用途です。塗料を浸してHゴムをなぞるとなれば、エナメル塗料の濃度もインク並みに流動性がないと上手く流れ出てくれないものと思われますので、エナメル専用の薄め液(溶剤)で薄めることになります。しかし、薄め過ぎると着色に至らず微妙な加減が必要になりそうです。
御託を並べてばかりでは先に進めませんので、取り敢えず着手してみることにしました。
塗料皿にダークグレー(XF-24)を入れ、ほぼ同量の溶剤(X-20)をスポイトで加えて薄めた塗料(濃度50%)を準備しました。
烏口の先端を0.3mm位に開いて、塗料(50%濃度)で茶色の色紙に線を引いてみました。開始点(左端)と終点(右端)には塗料が過剰に付着する傾向にあり、途中は一気に引いたのでほぼ均一な太さ(但し0.5mm幅)になりました。
ドア窓の下辺をなぞってみましたが塗料が広がってしまいました。塗料濃度が薄すぎたようです。
塗料:溶剤=2:1(濃度66%)に薄めた塗料でも、まだ広がる傾向にありました。
烏口の先端を0.2mm位に狭くして、溶剤を使用せずに原液の塗料(濃度100%)を使用してみました。塗料の広がりは抑えられましたが、線幅がまだ広くなってしまいます。
上記を踏まえて、塗料(未開封品を使用)は原液のままとし、烏口の先端をプリンター用の印刷用紙が辛うじて通る程度まで狭く絞り、当該車両で試行してみました。
前面にはニュートラルグレー(XF-53)を使用。Hゴムがクッキリ浮き出た造形であり、以外にも簡単に塗ることが出来ました。多少のはみ出しも見られますが、完全に乾いてから修正することにします。
側扉窓にはダークグレー(XF-24)を使用。最前部の扉だけトライしてみたところ、こちらも予想以上にすっきり仕上りました。なお、屋根板の浮き上がりは、まだ接着していないからです。
夜間に作業しましたが、老眼で手元照明でも細部が見え難く、残りの箇所は日中の明るい時に処置することにしました。
【関連記事】
・GM 旧国のHゴム塗装に烏口を試してみる