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各駅停車の行先は… 鉄道旅行記中心のブログです。

日田彦山線BRTに乗る。【九州北部乗り鉄①】

昨年から進めていた九州の鉄道乗りつぶしの追い込み。

画像は乗りつぶしオンライン様にて記録している乗車記録ですが、

いよいよ今回の旅で福岡・大分・熊本県鉄道路線をほぼ完乗する見込みです。

今年の8月28日に開業した日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン)

にも乗車します。

 

 

2023年9月23日(土)

 

 

関西から九州行くならバリ得ひかり!

 

 

新神戸 6時19分 → 小倉 9時02分 山陽新幹線 ひかり591号 博多行き

バリ得勢にはおなじみの山陽新幹線『ひかり591号』で西へ。

 

『バリ得』とは、日本旅行が販売している新幹線プランで、

『こだま』・『ひかり』限定の指定列車乗車で、

運賃・料金の合計が通常のきっぷと比べて6割程度になる格安プランです。

各駅に止まる『こだま』ならともかく、

速達列車の『ひかり』も利用できるなんて。

日中の『ひかり』相当の列車は九州新幹線直通の『さくら』となるため、

早朝深夜限定・本数が少なくなることを逆手にとっているのかもしれません。

新大阪~博多で通し乗車できる『ひかり』は、

下り 新大阪→博多 早朝の ひかり591・593号

上り 博多→新大阪 深夜の ひかり592号 のみが該当します。

 

日本旅行様から広告費はいただいていません。

 

 

小倉 9時30分 → 戸畑 9時38分 鹿児島本線 区間快速 鳥栖行き

宣伝の真似事をしてみたところで、小倉駅に到着。

こちらも毎度恒例『旅名人の九州満喫きっぷ』を手に入れ、

まずは戸畑駅に移動します。

 

 

小倉から8分。戸畑駅に到着。

駅の南側は賑わっていますが、北側は静かです。

 

 

駅からまっすぐ歩くこと5分。赤色が鮮やかな若戸大橋のたもと。

北九州市が運航する渡船、若戸渡船に乗船します。

 

名前の通り、戸畑と対岸の若松を結ぶ航路です。

日中は15分間隔。一隻の船がピストン運航しています。

運賃は驚きの100円です。

 

船内は空調完備、テレビも付いていて、短距離の渡し船とは思えません。

 

わずか3分で若松側に到着。

この間を隔てているのは、幅が狭いものの深い入り江となっている洞海湾

陸伝いだと相当大回りとなり、徒歩や自転車客の大切な交通手段となっています。

 

 

若松は、筑豊から産出された石炭の積み出し港として大変賑わった場所。

筑豊本線の海側の起点は若松となっています。

 

若松駅近くの公園には野ざらしのSLが。

 

渡船をおりて10分ほどで若松駅に到着。

 

 

駅舎内のようす。

窓口が開いている時間は朝の2時間だけという、ほぼ無人駅です。

ですが、東筑軒のうどん店は営業していました。

 

往時の若松駅の写真。

港まで貨車で埋め尽くされています。

駅舎内にこうしたパネル展示が、駅の外には当時の貴重な資料や物品があり、

駅が博物館のようでした。

 

駅構内には石炭が飾られていました。

 

 

若松 10時24分 → 折尾 10時39分 筑豊本線(若松線) 普通 折尾行き

乗車するのはBEC819系電車。

 

筑豊本線の若松~折尾は非電化ですが、比較的距離が短いことから

蓄電池で走る電車が導入されています。

非電化区間は蓄電池の力で走行し、折尾駅での折り返し時間や

電化区間を走行時に架線からパンタグラフで急速充電します。

 

約15分で折尾に到着。鹿児島本線との乗り換え駅。

今となってはかなり貴重な駅弁の立ち売りが行われていました。

 

高架工事の進捗でダイヤが変わり、昨年訪れたときに日中なかった

鹿児島本線からの直通列車が毎時1本程度設定されています。

こんどの列車も門司港駅始発。

 

高架ホームから筑豊本線の旧ホームが確認できました。

直角に交わる立体交差だった駅が、筑豊本線鹿児島本線

高架で平行して寄り添うようになり、折尾駅前後の線路が

大きく付け替えられています。

 

 

折尾 10時50分 → 直方 11時10分 筑豊本線 普通 直方行き

乗車するのは最新形式の821系。

この子、南福岡から熊本に転属しているみたいですが、熊本近郊から筑豊本線まで

かなり広い運用範囲となっているようです。

 

車内の様子。

従来車に比べ背当てが高くなったため、窓が縮小となっています。

 

若松から直方までほぼ複線で、さすが運炭本線といった感じ。

一部区間は若松方面のみ二線の三線区間があったようで?

 

折尾から約20分。直方に到着。筑豊各地で産出された石炭は

ここに集められ、まとめられて若松へ送られていたそう。

今も車両基地があり筑豊一のターミナル駅となっています。

 

直方 11時14分 → 新飯塚 11時31分 筑豊本線(福北ゆたか線) 快速 博多行き

直方からは博多行きの813系快速電車に乗車します。

乗車する区間は各駅に止まります。

筑豊篠栗線沿線は博多のベッドタウンとなっています。

車内は見たことないタイプのロングシートでした。

 

新飯塚駅に到着。これで筑豊本線を完乗。

後藤寺線に乗り換えます。

 

乗り換え待ち時間に、ホームに止まっていた車両の座席見学。

これは817系の後期車のロングシート

背中が木の板きれなんだよなあ。

 

こちらは817系初期車のクロスシートを向きを変えて再設置したもの。

こちらも賛否分かれる座席です。

混雑対策で、JR九州ロングシート化を進めていくようです。

 

新飯塚 11時46分 → 田川後藤寺 12時07分 後藤寺線 普通 田川後藤寺行き

後藤寺線に乗車。

13.3kmの短い路線ですが、重要路線です。

平成筑豊鉄道と合わせて、現在も網の目のような鉄道網が筑豊にはあります。

 

 

田川後藤寺駅に到着。

ここから日田彦山線に乗車します。

 

 

 

日田彦山線

 

 

田川後藤寺 12時28分 → 添田 12時42分 日田彦山線 普通 添田行き

列車はキハ147形の2両編成。

形式が変わっていますが、要は機関換装されたキハ47です。

 

車内はそんなに手が加えられていません。

 

 

日田彦山線は、小倉に近い日豊本線城野駅と、久大本線夜明駅を結ぶ路線。

小倉側は北九州市の通勤路線で、日中は田川後藤寺で系統が分かれています。

2017年7月の九州北部豪雨によって、福岡・大分県境の山間部を走る

添田~夜明間が大きく被災して運休となり、利用の少ない区間であったことから

復旧に際して沿線自治体と協議が行われた結果、一部区間の路盤をバス専用道に

転用したBRTによる復旧が選択されました。

 

 

車内にはBRT開業を宣伝する広告が。

 

豊前川崎駅

国鉄末期、すでに終わりを迎えようとしていた石炭輸送のバイパス線、

油須原線構想により建設された上山田線との連絡駅でした。

上山田線は民営化後すぐの1988年に廃止。

計画されていた田川線(現 平成筑豊鉄道)油須原駅への延長線は未成線となりました。

 

 

田川後藤寺から14分。添田駅に到着。

これより先、線路は撤去されています。

日田彦山線 香春より分かれる添田線との合流駅でしたが、面影はありません。

添田線は1985年に廃止。日田彦山線は当初、添田線ルートで開業した。

 

 

添田駅は、BRT(バス)との乗り継ぎに特化した構造に。

 

 

 

日田彦山線BRT BRTひこぼしライン

 

九州北部豪雨による被災から6年。2023年8月28日に開業しました。

BRTは、Bus Rapid Transit の略称で、日本語でバス高速輸送システム

一部区間は鉄道から転用した専用道を走行することで、

高速性・定時制を確保しています。

 

JR九州が運営し、JR九州バスが運行。一部便は日田バスが運行します。

JR九州が運営するため、JR九州の企画フリー乗車券で乗車が可能ですが、

きっぷを購入する場合は鉄道路線と独立した運賃形態となっています。

逆に、九州内の路線バスフリー乗車券『SUNQパス』では乗車できません。

 

 

バスから見た列車。

真横に着くのがわかります。

 

運行本数は、全線通し運行する便が10往復。

昼間は2時間ほど開く時間帯があります。

一部の便は途中の彦山で折り返しとなります。

 

 

車内の様子。

乗車した便は中型バス(いすゞ エルガmio)で運行。

便によっては小型の電気バスでの運行となります。

一般的な路線バスと同じ車内ですが、車内床が木目調で、各椅子にUSBの充電ポート

が設置されている点が驚き。

旅客案内のLCDディスプレイは幅広のものが最前と車内中程に

2カ所設置されています。

 

 

BRTは添田駅を12時50分、定刻で出発。

まだBRT開業から一ヶ月経っておらず、添田駅ホームには案内役のJR九州社員が

駅員含めて4名ほどいて、その方たちからのお見送りがありました。

乗客は8名で出発。

 

 

BRTは添田町の中心部を出ると、彦山川沿いに一般道の県道52号線を

進んでいきます。

BRTの運行開始に伴って添田町コミュニティバスは重複区間が廃止され、

旧来の停留所がそのままBRT駅となっています。

 

乗り降りがないまま進みましたが、添田駅を出発して6分、

道の駅併設の歓遊舎ひこさん駅にて高齢者の団体が大量乗車。

車内は一気に通路まで満員となりました。

どうやら日田から来た団体のようで、

「BRTが開業したから使って道の駅まで行ってみよう」的な利用の様子。

 

 

 

旧英彦中学校という停留所で1名下車がありました。

 

 

添田から22分。6分ほど遅れて彦山駅に到着。

ここから山越えをして宝珠山駅に至るまでの14.1kmは

線路跡を転用したBRT専用道を経由します。

 

彦山で1名が下車し、4名が乗車。

 

 

専用道区間に新設された深倉駅を過ぎると、

全長4379mの釈迦岳トンネルを通過します。

ただまっすぐの鉄道トンネルを6分ほどかけて通過します。

 

トンネルを抜けて添田町から東峰村に入り筑前岩屋駅

山間部にあり、この駅に至る一般道は道路条件が悪いため、

代行バス時代は一部便が通過していました。

 

 

日田彦山線の軌道は盛り土や崖上の高いところを走行するため、

筑前岩屋駅から大行司駅への景色は抜群です。

進行方向右手には棚田の風景が広がります。

(左側に座っていたため撮影できず)

日田彦山線の線路が渡る有名な眼鏡橋があり、棚田と共に観光案内がありました。

 

大行司駅筑前岩屋から乗車の4名が下車。

 

東峰村南端の宝珠山駅。木造駅舎がそのまま残ります。

6名が下車しました。

大分県日田市に入り、ここからBRTは再び一般道経由となります。

 

BRTは大肥川沿いに国道211号線を進みます。

鉄道の駅の間に3~4ヶ所ほど設けられた新設駅にも停車します。

日田市大鶴地区の名本停留所から学生の利用がありました。

 

 

国道から少し離れた今山駅にも、川を渡って立ち寄ります。

ホームを撤去している工事中でしょうか。

 

添田から1時間8分。3分遅れで久大本線夜明駅に到着。

列車時代の運行形態そのままに、BRTは日田まで直通します。

よって、夜明~日田は鉄道とBRTが並行して運行することとなります。

1名下車し、ここから3名の乗車がありました。

 

ここから久大本線に沿って国道386号線を進みます。

光岡からは日田市中心部に入り、交通量も多くなりますが、

ダイヤはそれを考慮して余裕を持って作られているようです。

大半の便は国道を直進して日田駅まで向かいますが、

主に朝夕時間帯には日田市内中心部で市役所や高校のある地区を経由する便が

設定されています。

 

 

14時23分、定刻で日田駅に到着。

 

利用が少ない区間ゆえ、BRTで復旧した日田彦山線添田~夜明。

専用道経由で速達性を確保しながらも、一般道区間では細かく停留所を設け、

BRTの利点をしっかり活かしていると感じました。

主力は今回乗車した車種より小さい小型電気バスで、

休日等にこの日みたいな大勢の乗車があった場合の対応が気になりました。

(添田駅には「ご希望の便に乗車いただけない場合がある」旨の注意書きはありました)

現にこの日、反対方向の添田方面行きは大幅にダイヤが乱れていたようです。

日田市のHPでは、BRTでの東峰村方面へのお出かけをしっかり宣伝していました。

BRTひこぼしラインの今後へ期待です。

 

 

久大本線

日田 14時38分 → 大分 17時03分 久大本線 普通 大分行き

キハ200系気動車普通列車に乗車します。

 

車内の様子。

転換クロスシートが並びます。

 

湯布院という観光地を抱える久大本線には、博多直通の特急列車が6往復

走っていますが、普通列車に限ってみれば本数の少ない区間があり、

これから乗る日田~豊後森由布院は日中5~6時間ほど間が開くことがあります。

概ね、久留米~日田、日田~由布院由布院~大分で系統が分割され、

地域輸送を行っています。

 

 

勾配路線である久大本線宮原線(1984年廃止)の運行上の拠点とされた豊後森

大きい扇型機関庫が残されています。

 

日田から約1時間15分で由布院駅に到着。

博多行き特急『ゆふいんの森 4号』とすれ違います。

デビューから34年が経ちますが、未だ人気の衰えない人気観光特急です。

 

由布院を出ると、列車は山を回り込む形で一度進行方向を西へ戻します。

ゆっくり左にカーブしながら、横たわる山の切れ目を大分方面へと

抜けていくことになります。

 

由布院からは概ね毎時1本程度普通列車の運転がある区間となります。

逆に特急列車は6本のうち2本が由布院折り返しとなっています。

由布市に入り、庄内駅からは大分近郊の通勤通学路線となり折り返し列車が加わって

毎時1~2本の運転が行われます。

住宅地に入って各駅で乗客を拾ってそこそこの乗車率で大分に到着です。

 

 

大分駅に到着。日豊本線豊肥本線久大本線が集まるターミナル駅

 

本日の旅はここまでで、ホテルに早めにチェックイン。

 

 

晩は別府までお風呂に入りに行きました。

 

 

別府の共同浴場、初見ではハードルが少々高かったです。

当たり前のように生活に溶け込んでいるのが別府の温泉で、

観光客が行くところではないのかもしれません。

(もちろん観光客向けのお風呂もあるとは思いますが)

 

 

さて、翌日はこちらも今年復旧、南阿蘇鉄道に乗りに行きます。

豊肥本線南阿蘇鉄道の旅。お楽しみに。