【自立訓練の日々 その7】駅構内での単独歩行訓練 | あさかぜ1号 博多行

【自立訓練の日々 その7】駅構内での単独歩行訓練

私が視覚障害者になった後受けた、歩行訓練など今後の生活や仕事に向けての自立訓練の思い出をつづっていく「自立訓練の日々」シリーズ、今回はその7です。

その4~6にかけて、白杖を使った道路上での歩行訓練について書いてきましたが、今回はその続編のような形で、駅構内を単独歩行して、電車に乗れるようにするまでの訓練のことを書きたいと思います。
国立障害者リハビリテーションセンターでの歩行訓練により、道路上での単独歩行については少しずつ経験を積んできましたが、その後の通勤や外出の際に電車を利用する機会が多くなることを考えると、駅のホームや構内を安全に単独歩行でき、電車にもスムーズに乗れるようにすることも必要になってきます。
そこで、歩行訓練のメニューの一環として、これらの事についても訓練をすることになりました。
訓練の内容としては、とりあえず第一段階として自宅の最寄り駅から、障害者リハビリテーションセンターの最寄り駅の一つである西武新宿線新所沢駅まで、毎日自力で通えるようにすることを目指すということで始まりました。
まずは、新所沢駅の構内の歩き方の練習から入りました。駅前広場から改札周辺、そして改札内のコンコースからホームに降りるまで、点字ブロックを頼りに歩く訓練です。
新所沢駅は目が見えていた当時から頻繁に利用していたので、ホームや改札などの配置はある程度頭に入っていましたが、以前は特に意識することもなかった点字ブロックに沿っての白杖を使った歩行は、やはり勝手が違う部分もあり、慣れるまでは何度か練習を繰り返す必要がありました。
また、駅構内で点字ブロックに沿って目的の場所へ向かおうとすると、細かな右左折を何度もしなければならないことも多く、その方向や回数を覚えるのも大変でした。
さらに、ホーム端の点字ブロックを伝ってホーム上を移動する時の歩き方や、電車に乗る際や降りる際の手順も繰り返し練習しました。そして、同様な訓練は自宅の最寄り駅など、周辺のいくつかの駅でも行いました。
私がこの訓練を受けた2014年頃は、現在ほど視覚障害者のホームからの転落事故に対する世間の関心は高くありませんでしたが、やはり訓練ではホームからの転落や動いている列車への接触といった事故の防止を、常に頭において歩くようにという言葉を何度も訓練の指導に当たってくださった講師の方から聞きました。
私は今のところ、ホーム上で危険な体験をしたことはありませんが、今後も訓練で学んだ安全なホーム移動の方法を、常に意識しながら列車を利用したいと思います。

次回(その8)は、点字の学習について書きたいと思います。