予想通り、昨日の小田急VSE車のラストランは大騒ぎだったようだ。今はネットの時代だから、どこに居てもネット上の呟きをチェックすれば、ほぼリアルタイムで状況が分かる。
お別れ乗車をしている人、沿線で待ち構えている人から「今、〇〇を通過!」といった実況中継が次々と入ってくる。その多くは画像付きだ。いやはや凄い時代になったものだ。
一般マスコミも興味を示したようで、最終列車の終着駅となった成城学園前駅の模様がUPされていた。小田急ロマンスカー史におけるVSE車の位置づけに触れていた記事もあって面白かった。
「ロマンスカーって何だろう?」
「普通の特急列車と何が違うのだろう?」
最近、小田急好きの仲間としばしば交わされる雑談のテーマだ。
ロマンスカーという言葉を初めて使ったのは、京阪電鉄という説が最有力だそうだ。要は二人が仲良く並んで座れる座席(ロマンスシート)を備えた車両をロマンスカーと呼んだわけだから、一時期は各社で使われていた。よく知られているのは東武鉄道の特急車1720系で、ズバリ「デラックス・ロマンスカー」を名乗り、通称DRCと呼ばれていた。昔の時刻表を思い出すと、大宮駅から野田線経由で日光方面へ直通する臨時急行(5700系)にもロマンスカーという表記があったことを覚えている。しかし、東武は100系「スペーシア」以降はロマンスカーという呼称を使っていない。
小田急だけが「ロマンスカー」を一貫して自社の特急のブランディングとしてきた結果、現在は「ロマンスカー=小田急の特急列車」となっている。しっかりと商標登録までしているとのこと。
VSE車はひと頃下降線を辿っていた箱根観光客のテコ入れを使命としてデビュー。前面展望席や車内飲食サービスの復活、乗務員も専用の制服を着用するなど、特別感をもって乗る楽しさを演出した。
例えば、更新されたEXE-αは走行音も静かになり、利用する分には不満はないが、普通の特急だ。これから箱根へ行くゾというワクワク感を高めるには至らない。
通勤需要、ビジネス需要の高まりという大きな環境変化、そして箱根はインバウンドで潤っているという現況のなかでのフラッグシップ・トレインの引退。次の手はあるのだろうか。