2023年8月のダイヤ変更により、減便がなされた京阪電車。今回は変更前後の時刻を比較しつつ、ダイヤ変更について検証していきます。
2023年8月京阪ダイヤ変更の予想記事はこちら
2023年8月ダイヤ変更の内容はこちら（京阪プレスリリース）
https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/230626_keihan-railway.pdf
１．早朝時間帯の減便
（１）出町柳～淀間
〇上り
上りについては、淀5：06発普通出町柳行きが減便となりました。私は、そのあとの5：19発の普通の発車時刻を繰り上げ、運転間隔を揃えると予想していましたが、時刻変更はなく、運転間隔がいびつになっています。乗務員の就労時間など、繰り上げできない要因があったのかもしれません。
〇下り 変更前後のダイヤ
三条5：52発準急淀屋橋行きが淀行きに短縮され、出町柳5：41発の普通中之島行きも三条行きに短縮されました。また、出町柳5：34発快速急行淀屋橋行きは特急に格上げされました。結果として、出町柳～淀間で1往復減便となりました。
なお、格上げされた特急は、出町柳～三条間は普通列車として運行されることとなり、神宮丸太町駅の停車本数は維持されました。
（２）＜土休日＞ 樟葉～淀屋橋間
〇変更前後のダイヤ
土休日には、枚方市5：52発の普通中之島行きが、枚方市5：58発準急淀屋橋行きに変更されています。これは、前述した快速急行の特急格上げにより、香里園・寝屋川市・守口市の優等列車の停車本数が減ることへの救済措置とみられます。また、枚方市～萱島間の運転間隔もほぼ均等になりました。
しかし一方で、普通2本が萱島始発に短縮されており、樟葉～枚方市間で1本、枚方市～萱島間で2本減便となりました。
２．夜間時間帯の減便
〇上り
淀屋橋22：19発準急淀屋橋行きが、淀行きに短縮されます。この準急列車は樟葉から先の区間で特急からの接続を受けないこと、出町柳到着後回送列車となること（恐らく淀の車庫へ回送）から、減便対象になったと思われます。
〇下り
出町柳23：39発特急枚方市行きが、出町柳23：37発急行淀行きに変更され、淀～枚方市間が1本減便となりました。この急行淀行きは、終点の淀で先行していた普通寝屋川市行きに乗り換えることができるので、接続は維持された形です。
なお、予想記事では、深夜帯に下り1本が減便になるのではないかとしておりましたが、旅客列車の減便はありませんでした。（下りは回送列車1本が減便ということと思われます）
３．平日日中の減便
平日の日中時間帯は、準急が毎時4本から2本に減便となり、かわって枚方市発着の普通（毎時2往復）が出町柳発着に延長されました。
出町柳～枚方市間の運行本数に変更はありませんが、枚方市～淀屋橋間は毎時2本の減便となりました。これにより、香里園・寝屋川市・守口市に停車する優等列車（快速急行と準急）の本数が毎時6本から4本になりました。
変更前後のダイヤを時刻表にしてみると、減ってしまった感は否めません。朝夕に比べて、日中は利用者が少ないとはいっても、京阪でも利用者が多い香里園・寝屋川市に停車する優等列車が毎時4本でよいのか？？と思ってしまいます。
４．土休日午前中の減便
土休日には、7～10時台の区間急行が減便されました。プレスリリースでは「一部区間急行の運転本数を見直します」とあったのですが…
始発駅7～10時台の区間急行の本数を比較すると、下り5本、上り7本から下り1本、上り2本にまで減便されており、一部というよりかはほとんどの区間急行が減便されたという状況です。
＜まとめ＞
いかがでしたでしょうか。個人的には、1，2で挙げた早朝深夜の減便についてはまだ致し方ない面もあるかとは思いますが、変更後の時刻を見ると、日中時間帯にも減便が及んでいることが分かります。
日常利用やインバウンドの利用が戻ってきて、「列車が混雑している」という声を目にする声も多かったので、いくらか復便するかな、とも思っていたのですが、実際はさらに減便されることとなってしまいました。
混雑しているとはいっても利用者が減っているから減便しているという可能性もありますが、もしかしたら配置している車両や乗務員を減らしている関係で、利用が戻っていても減便せざるを得ないという状況に陥っている可能性もあります。
いずれにせよ深刻な状況にあることは確かで、だからこそライナーやプレミアムカーの強化を図り、客単価を何とか上げようという戦略をとっていると考えられます。
今はコロナ禍のダメージを受け、減便によりサービス低下という悪循環に陥っていますが、なんとかこのスパイラルから抜けることを願うばかりです。