新潟行きの特急いなほ8号は、定刻の10時44分に秋田駅を発車。旅の初日から6日間を過ごした東北地方とも、これでお別れとなります。来年は一体どうなるか・・・ 現時点ではまったくの未定ですが、またこれたらいいな。素直にそう思います。
初乗車となる特急いなほは、基本的に日本海に沿って進み、その日本海が臨める右側を指定したのは大正解だったといえるでしょう。
海に吹く風を活用した風力発電も見えますね。私はこれをあまり美しいとは思いませんが、エネルギーの供給方法を分散させるという意味においては、必要なものだと思っています。これに限ったことではなく、1つのものに依存するのは、あまりいいこととはいえないですよね。
秋田県最後の停車駅となる、俳人松尾芭蕉が『おくのほそ道』で訪れた景勝地としても知られる象潟駅を過ぎると、県境を越え山形県へ。
そして鶴岡市と並び、庄内地方を代表する都市である酒田市の中心酒田駅には、定刻の12時09分の到着。
一部のいなほ号の始発駅にもなっているこの酒田駅からは、それまでガラガラだった我が4号車にも多くの乗車がありました。
車内もだいぶ賑やかになったいなほ8号は米どころ庄内平野を快走し、陸羽西線が分岐する余目駅に停車します。
その陸羽西線には、数年前にすでに一度乗車済み。現在は沿線を通る地域高規格道路建設による影響でバス代行輸送となっており、鉄路での運行再開は2024年中になる見込みとのこと。もし未乗のままだったら、また来なければなりませんでしたね。
そして次の鶴岡駅からも多くの乗車があり、窓側はほぼほぼ埋まった感じになりました。
鶴岡市は人口約11.6万人。県都山形市に次ぐ県内第2の人口を有し、前述の酒田市と並び、庄内地方の中心都市として賑わっています。江戸時代には庄内藩の城下町として栄え、その居城だった鶴ヶ岡城を始め見どころも多い街で、このあたりをまったく観光したことのない私としては、酒田市と併せ、いつか絶対に訪れたいと思っています。
そんな山形県最後の停車駅はあつみ温泉駅。
駅名はひらがなですが、漢字では『温海』となります。あたたかい海・・・ 我が地元静岡の熱海は、あつい海・・・ これって普通に考えたら読みが逆の方がしっくりくるのでは? と思ってしまうのは私だけでしょうか。まぁどちらもある程度は定着している読みなので、特に混乱はないのだとは思いますが。このあたりが、日本語が『世界一難しい言語』たる所以なんですかね。
県境を越え新潟県に入ると、名勝笹川流れが車窓から見られるようになります。
列車のスピードが速いのと写真の腕前が低いのも相まって、まともといえる写真はこれ1つでしたが、約11kmほど続く海岸では、日本海の荒波の浸食によりできた奇岩、岩礁や洞窟など、変化に富んだ風景が広がっており、見る目を楽しませてくれました。
そして秋田駅を出発しておよそ3時間半。終点の新潟駅には定刻の14時19分の到着です。
今日の目的地はここ新潟市。時間はまだたっぷりあるので、市内を少しめぐってから、ホテルへ行こうと思います。