日本の鉄道で運転された開業・周年記念号で時刻表掲載されたものを取り上げています。

 

第58回目は、JR東海にある飯田線の全線開業記念で運転された臨時列車を取り上げます。飯田線はブログ筆者は未体験の路線ですが、常に気になっている線の一つ。200km弱のローカル線を完乗するのはこの人生で叶えたい夢のひとつですw

 

今回確認できた開業記念は、60周年(1997年)、80周年(2017年)であり、70周年(2007年)については、私が見ている限り(当該時期の時刻表は手元になくネット検索のみながら)存在していない模様です。

 

 

  周年記念の概要

飯田線開業記念

対象物

飯田線

所在地など 豊橋〜辰野間 195.7km
歴史の起源(概要)

1937年8月20日 大嵐(おおぞれ)〜小和田間の開業をもって現在の飯田線が全通・・・ここが起点

※国有化はこのあと1943年

 

下記は1997年の60周年記念のイベントに関する時刻表内のニュースページの抜粋。臨時列車の運行以外にも、沿線主要駅でのスタンプラリー、ジョイフルトレインを利用したクイズなど、手作り感がたまらないイベントが満載だったようです。

JR時刻表1997年4月号より

 

 

  臨時列車の運行概要

 

全通60周年

特急 伊那路81・82号

運転区間 名古屋〜飯田
運転日

1997年5月3・4日(81号)、5月3〜5日(82号)

使用車両・編成 381系4両編成 ※パノラマグリーン車編成
こちらのサイトを参照いたしました。
列車番号、運転ダイヤなど

9081M 81号 名古屋発9:00 → 飯田着12:39

9082M 82号 飯田発7:02 → 名古屋着10:31

途中停車駅(名古屋起点):金山、大府、刈谷、安城、岡崎、豊橋、豊川、新城、本長篠、湯谷温泉、中部天竜、水窪、平岡、天竜峡

備 考

 一部普通車指定席、グリーン車連結、オリジナルヘッドマーク掲出

 

 

快速 レトロ飯田号

運転区間 伊那松島〜天竜峡
運転日

1997年5月3・4日

使用車両・編成 オハフ46 3両編成
牽引機:不明、ですが、おそらく同年に運行されたレトロ奥三河号の実績をふまえるとEF58だったのではないかと推察します。
列車番号、運転ダイヤなど

9826レ 伊那松島発9:20 → 天竜峡着12:40

9823レ 天竜峡発14:59 → 伊那松島着17:41

停車駅(伊那松島起点):北殿、伊那北、伊那市、沢渡、宮田、駒ヶ根、伊那福岡、飯島、伊那本郷、七久保、上片桐、伊那大島、山吹、市田、元善光寺、飯田、伊那八幡、時又

 

備 考

 一部指定席

 

 

全通80周年

急行 飯田線80周年秘境駅号

運転区間 豊橋→飯田 ※片道のみ
運転日

2017年8月19、20日

使用車両・編成 373系3両編成
こちらのページを参照しました
列車番号、運転ダイヤなど

9401M〜9403M 豊橋発9:50 → 飯田着15:30

途中停車駅:新城、東栄、大嵐、小和田、中井侍、伊那小沢、平岡、為栗、田本、金野、千代、天竜峡

備 考

 全席指定席、19日のみ豊橋駅で出発式実施

 他の飯田線秘境駅号と同様に、平岡駅で全員降車が必要

 

 

快速 飯田線80周年アルプス号

運転区間 伊那市→飯田 ※片道のみ
運転日

2017年8月19、20日

使用車両・編成 313系3両編成
こちらのページを参照しました
列車番号、運転ダイヤなど

9450M 伊那市発13:26 → 飯田着15:28

途中停車駅:駒ヶ根、飯島、伊那大島、市田

備 考

 全席指定席、19日のみ伊那市駅で出発式実施

 

 

  当時の時刻表紙面での臨時列車

JR時刻表1997年4月号の飯田線紙面より。今回取り上げた伊那路81号、レトロ飯田号ともに確認できます。

 

この年、国鉄民営化からちょうど10年を迎え、JR東海では旧型客車を動員し、EF58やED18を牽引として動員したイベントをたくさん実施していました。今回取り上げた飯田線全線開業記念は元より、紙面内にも見えるトロッコファミリー号は大変有名なイベント列車であり、中部天竜駅にあった佐久間レールパークへのアクセスとしても機能していましたね。どちらもなくなった2023年ですが、この紙面は佳き時代を表しているとブログ筆者は感じます。

JR時刻表1997年4月号より

 

本日は以上です。

 

まとめページはこちらから

 

参考資料 JR時刻表1997年4月号、JTB時刻表2017年8月号

参考サイト 飯田線、佐久間レールパーク(Wikipedia)、乗り物ニュース