またまた長期間ほったらかしで申し訳ありません。『特急にっぽん縦断』の続きを紹介致します。流石にピッチを上げていかないとヤバい(今年中の完結は絶望的…)ので、文章も簡略化させて頂く事をお赦しくださいませ。また、写真の中にはブレの酷いモノもございますが、コチラもご容赦ください。

 

『南国・土佐へ!』

18ランナー

土讃線 39D 南風9号(岡山発)

阿波池田 13:32→高知 14:42

 

・乗車距離:82.7㎞ ・表定速度:70.9㎞/h

編成表:高知←①(G/指)2805 ②(指/自)2761 ☆③(自)2710→岡山(四コチ 2700系)

 

◆本日2度目の南風号

阿波池田駅からは土讃線の特急南風9号に乗って終着の高知へ向かう。

 

 

 

私は自由席3号車に乗車したが、コロナ禍真っ只中という事もあり乗車率は30%程度とあまり芳しくはない。

 

 

 

岡山から乗った南風1号ではレビューできなかったが、2700系の座席は最近の特急型車両の標準型というべきスタイル。どちらかといえば新幹線車両に近い形状と座り心地。肘掛にコンセント完備なのは有難い。

 

 

 

2700系のトイレはバリアフリー対応、ウォシュレット完備と在来線特急の中では最も優れた設備を誇る。

 

 

 

◆小歩危・大歩危峡を行く

さて列車は、吉野川沿いを走行し土讃線の車窓のハイライトである小歩危・大歩危峡の荒々しい景観を眺められる区間に入る。

 

 

 

河岸にそびえ立つこの建物は、道の駅大歩危。

 

 

 

そして有名な『祖谷のかずら橋』の玄関口である大歩危駅に到着する。

 

 

 

徳島と高知の県境である大歩危トンネルを越えると、土佐岩原駅に到着するが、上り特急待ち合わせのための運転停車でドアは開かない。

 

 

 

この日も猛暑日で、伸びたレールの継ぎ目はピッタリと…。

そして岡山行の南風16号が高速で通過する。

 

 

 

◆険しい山道を駆け抜ける

列車は大田口駅付近まで吉野川沿いを走行し、次の土佐穴内駅付近からは吉野川の支流である穴内川沿いを行く事になる。

 

 

 

その穴内川の橋梁内に建設された土佐北川駅を通過。

吉野川や穴内川沿いのルートは急曲線の緩和や土砂崩落を防ぐため新線に付け替えられた箇所が多く、この第三穴内川橋梁もその1つ。

 

 

 

そしてJR四国の中では標高最高地点(347m)に存在する繁藤駅を通過する。ここから高知平野に向けて下ってゆく。

1972年7月の繁藤災害は、大雨で崩落した土砂が駅や停車中の列車を穴内川に押し流し、60名もの犠牲者を出している。奇しくもこの時は災害からちょうど50年の節目を迎えた年でもあった。

 

 

 

いきなり飛んでゴメン…というワケで御免駅に到着。

終着の高知はもう近い!

 

 

 

14:42、終着・高知駅1番線に到着。

冷房の効いた車内から降りるのはちょっと躊躇する…。

 

 

 

南風9号の車両はそのまま折返し岡山行50D南風20号となる。

 

 

 

私にとって高知駅は2019年以来3年振り、3回目の訪問(初回は2017年)となる。お次に乗車するのは宿毛行のあしずり9号であるが、2時間以上の空きがある。

 

 

 

~番外~

とさでん交通桟橋線

高知駅前14:58→桟橋通五丁目15:16

桟橋通五丁目15:19→はりまや橋15:30

 

◆路面電車に乗り時間を潰す。

あしずり9号までの時間をどう潰すか?そうだ!土電(とでん)があるじゃないか!と思い立った私は、汗だくになりながら駅前の電車のりばから桟橋通五丁目行の電車に重いキャリーケースを抱えたまま飛び乗った。

車両は土電オリジナルの200形202号。1950年製と車齢は70年を超え、在籍する車両の中でも最古参の一員である。車内で運転士から『一日乗車券』を購入、そして終着の桟橋通五丁目電停まで乗ってきた。

 

 

 

そのまま折返し高知駅前行に乗車し、はりまや橋電停で途中下車。

せっかく高知まで来た事だし、時間はあるので「日本三大がっかり名所」(こんな事を云えば高知県民に怒られそうだが…我がマチ札幌の時計台もそのウチの1つなのだ)と揶揄されている(?)観光名所『はりまや橋』にやって参りました。

 

 

 

高知が生んだ漫画家といえばやなせたかし氏。彼が生み出したキャラクター『ばいきんまん』『ドキンちゃん』の石像が橋のたもとに建っていた。

 

 

 

はりまや橋電停は桟橋線と御免線が平面交差する場所であり、『奇跡(軌跡)の交差点』とも呼ばれているそうだ(説明は写真参照)。

 

 

 

コチラが、復元されたという朱塗りのはりまや橋。

かつては『堀川』という川が流れていたというが、水質汚濁のために埋め立てられたとの事で、現在は川を模した水路が流れているにすぎない。

 

 

 

 

~番外その2~

とさでん交通御免線

はりまや橋15:50→文珠通16:05

文珠通16:10→はりまや橋16:25

 

◆中途半端だけど仕方がない。

はりまや橋観光を終えた私は、御免線の電車に乗って市内線の折返し地点である文珠通まで行ってみた。そしてはりまや橋へ折り返す。本当は御免線と伊野線をも全線走破したい処だが、そこまでの時間の余裕はなかった。車両は元山陽電気軌道(現サンデン交通)の700形703号。

 

 

 

~番外その3~

とさでん交通桟橋線

はりまや橋16:32→高知駅前16:32

 

◆霧ヶ峰エアコン付電車

はりまや橋からは、桟橋線の電車で高知駅前へ戻る。車両は土電オリジナルの200形210号。

 

 

 

この210号は、冷房試験のために三菱電機製家庭用エアコン『霧ヶ峰』を装備しているユニークな車両。乗客の女の子が「♪きりがみね~」のサウンドロゴを歌ってたのに思わずほくそ笑む。ちなみに210号車両そのものは日立製である。

 

 

 

高知駅前に到着。

 

 

 

高知といえば、幕末の土佐藩士・坂本龍馬。駅前には彼と、武市半平太、中岡慎太郎の三志士を讃える『三志士像』が建っている(坂本龍馬が中央)。

 

 

 

『唯一の宿毛行特急列車』

19ランナー

土讃線・TKT中村・宿毛線 2079D あしずり9号

高知 17:10→宿毛 19:17

 

・乗車距離:138.7㎞ ・表定速度:65.5㎞/h

編成表:宿毛←☆①(/自)2780 ②(自)2730→高知(土佐くろしお鉄道 2700系)

 

◆2両しかないレア車両に遭遇!

高知駅に戻った私は、駅舎内のセブンイレブンで飲食物を買い、あしずり9号の出発する2番線ホームに上がった。

 

 

 

3番線に停車中の1000系気動車と並ぶ2700系。この日4度目の同系乗車であるが、実はこの編成、JR四国ではなく土佐くろしお鉄道所有の30・80番台という事に気付いたのは旅を終えてからなのだった。

 

 

 

県庁所在地の高知を境に土讃線特急は系統分割され、西へ向かう特急のほとんどが『あしずり号』となったが、中村止まりが多い中でもこの9号は唯一の宿毛行で、異彩を放っている。

 

 

 

17:10、高知駅を発車。

 

 

 

急行時代の名残か、旭、朝倉、伊野とこまめに停車していく。ここ伊野駅では同時発車する当駅始発の1000形の普通4748Dが停車していた。

 

 

 

伊野駅を出発すると、土佐湾に注ぐ仁淀川を渡る。

 

 

 

さて…あしずり9号の乗客だが、①号車指定席区画の乗客はほんの数名。私は自由席利用だが、コチラに関しては帰宅する学生やサラリーマンらの利用が多かった。やはり『快てーき』の利用客だろうか。裕福な家庭なのだろう…。あしずり号の高知行も、通勤通学に利用しやすいダイヤとなっている。

 

 

 

◆土佐湾沿いを行く

列車は山間部を抜け、「天然の良港」といわれる須崎の港、そしてその向こう側のセメント工場を見ながら須崎駅に到着する。

 

 

 

新庄川を渡り、いよいよ土佐湾の美しい海岸線沿いに出て、トンネルと海の風景が繰り返される。

 

 

 

さて私は、高知駅のセブンイレブンで購入したコンビニ飯でちょっと早い夕食を摂る事にした。四国は駅弁販売箇所が非常に少なく、旅情的にはちょっと寂しいかも。

 

 

 

再び山間部を貫き、土讃線の終点・窪川駅に到着。ここから先は土佐くろしお鉄道の管轄となり、乗務員が交替する。高知からの学生らは皆ここまでの間に降りていった。

 

 

 

◆黒潮の海とともに

列車は土佐くろしお鉄道・中村線へ入り、川奥信号場で予土線を分岐する。

 

 

 

土佐佐賀を出て、伊与木川を渡ると太平洋岸に出る。海岸線の風景は土佐白浜駅付近まで続く。

 

 

 

列車は四万十川の支流である後川を渡り、土佐くろしお鉄道の中枢である中村駅に到着する。

 

 

 

中村から先は宿毛線に入り、四国有数の川・四万十川を渡る。

 

 

 

中村から先はガラガラの車内で、最後の途中停車駅・平田駅まで来ると乗客もほんの数名に…。

 

 

 

19:17、この日の最終目的地・宿毛駅に到着!

お隣2番線には19:38発の318Dの車両(TKT-8004)が停車していた。

 

 

 

あしずり9号の車両は車内整備の後、19:26発高知行2088Dあしずり18号として折り返していく。

 

 

 

夕闇の中に包まれた宿毛駅。

 

 

 

この日の宿は、駅から約9分歩いた処にある『ホテルアバン宿毛』。宿毛駅から最も近い宿泊先である。シングルルームは狭めではあるが、1人で泊まるには必要十分。

 

 

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…というワケで、ようやく4日目までの行程が終わりました。本当はもう少し進めたい処ですが、キレの良い処で今回は終わりにします。残りあと5日…一体いつになったらこのシリーズを終える事ができるだろうか!?「じれったいゾムキー」との声も聞こえてきそうですが、何卒お赦しくださいませ…m(__)m

つづく