JR貨物フェスティバル2023 -④ | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

JR貨物フェスティバル2023 -④


JR貨物フェスティバル2023 広島車両所公開の続きです。

前回は番外編として、国連本部で第2回 核兵器禁止条約の締約国会議の開催に合わせて、広島車両所に遺る被爆建物の紹介をしました。

「次回はEF210が宙を舞います」と前々回で予告しておきながら、1回飛び越しての空中遊泳です。

今回は写真の枚数が多いですが、文章は少な目で、EF210-130号機の吊り上げ実演をお送りします。




EF210-130号機は川崎重工車両製で2006年9月に誕生し、新製依頼岡山機関区の所属となっています。

まだ原色の姿しか捉えられていない機体でしたが、広島車両所イベントへ来場した人だけ、一足先に新塗装の姿を目にすることができました。

しかし新塗装に衣更えしたとは言え、これまでのEF210とは異なり、スカートの色がやや濃くなったものの、連結器は従来のグレーと言った粧いです。

イベントは11月3日の開催でしたが、同機は11月14日に全般検査を終えて構内試運転を実施し、現在は既に岡山機関区へ帰還しています。







広島車両所の略歴は番外編で記しましたが、蒸気機関車から電気機関車へ時代は移り変わったものの、80年変わらずでもある風景が繰り広げられます。

EF210は全長18m・全幅2m89cm・全高4m・重量100.8tの巨体で、1機の価格は3億円です。

重量は台車の重さも含まれていて、整備中のEF210は台車を履いていませんが、それでもかなりの重量があることには変わりはありません。

それをこれから吊り上げるのですから、ワイヤー掛けをする職員さんたちの表情も真剣で、いつもの手慣れた段取りと、ピーンと張った緊張感が入り交じります。







ワイヤーが正しく掛かっているかどうか確認しながら、クレーンを巻き上げます。

まずはワイヤーのたるみがとれる程度に巻き上げて、そこからゆっくりと負荷をかけていき、機関車の重量がクレーンに正しく伝わるように調整します。

この時点ではまだ機関車は浮いておらず、ワイヤーに無理な力が働いていないことを確認したら、水平を維持したまま巻き上げて一旦停止させます。

4本全てのワイヤーに均等な負荷が掛かっていることを確認すると、今度は一気にあの100tの機体が空中へと舞い上がります。









機体が浮くまでにかかる時間に比べて、吊り下げてからのスピードは速くて、何度見ても驚愕と爽快に満たされます。

しかもコロナ禍の影響で4年振りに目にする、機関車の吊り上げ実演ですから、その感動はひとしおでもあります。

第一主棟内に縦列で置いてあるEF210-136号機、そしてまだ原色のままのEF210-141号機の上空を通り過ぎて、建屋の端から端までダイナミックに移動。

台車の位置まで移動したらクレーンは停止し、車体を差し込む作業に入りますが、機関車と台車の位置を正確に合わせる作業は、もどかしさと緊迫感が入り乱れます。






完全に機体と台車を組み合わせるには、まださまざまな安全確認などが必要となるので、途中で停止した状態で実演は終了します。

再び吊り上げると機体を元の位置へ返すので、再び機関車が頭上を高速で通過して帰ります。

その速度は普通に歩いて追いかけると、遙かに先へ進んで行ってしまい追いつけないので、小走りになるのですが、建屋の中は人で溢れているのでムリは危険です。

そんなことよりも、真下から機体の下部がじっくりと観察できるのですから、日頃見られないギミックを堪能します。






行きはみんな機関車について動く人が多いのでその流れに乗りますが、帰りはそっと機関車の動きを見送ります。

まずは原色のEF210--141号機そして次にEF210-136号機の、向かって右上空を通過して戻って行きます。

着地も設置された台の上へ、きちっとしっかり置かないと、横転・落下などの重篤な事故の基になります。

着陸するとワイヤーが外されてクレーンが去り、吊り上げ実演の終了となり、緊張感と興奮に包まれた会場は、ゆっくりと平穏へと戻って行きます。



特急さくら号100周年,さくら100年



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